Monologue2002-32 (2002.7.13〜2002.7.17)

 「2002.7.17(水)」晴・徐々に世界意識

 以前NHKBSのニュースを見ていたらこんなニュースが流れていた。
 「2割にものぼる医療ミスの実態」「通勤渋滞を避ける為に定刻よりずっと早く出勤し生活のペースを乱す市民」「リストラによる解雇」などなど。
 最近では珍しく無いニュースであるが、これは日本のニュースでは無くアメリカのニュース(ABC)なのである。

 もちろんアメリカが日本の真似をしたなどということは無く、皮肉的に言えば日本の方がようやく社会問題のレベルでアメリカに追いついたということになるのだろう。
 強いて日本のニュースと少し違うところを挙げると「少年向けの麻薬更生プログラムにミスがあった」ニュースくらいなものであろうか。

 現代のように情報化社会が発達してくると、特に日本とアメリカなどのように社会的問題が均質化してくるということはあるのだろう。
 人間良いとこよりも悪い所から似てくる、なんてのはありがちである。

 しかしあんなに遠く離れていると思っていた国と社会問題が似てくるなんて、やはり世界は進歩したんだろうなあ。
 これだけ世界の情報が手軽に入手できる世界になったということは、アメリカならアメリカの問題解決の方法、日本なら日本の問題解決の方法なりを、ネットワークを通じて世界の国々がお互いに情報交換しながら助け合うことができるようになったということだ。

 今や他の国の問題を世界中の人間が同時に考えることもできる。
 地球上の人間が世界意識を持つようになって、争いが消滅する日も、そう遠くない・・・と祈っていたい。

 「2002.7.16(火)」台風後晴・スポーツも

 日曜日のフジテレビ「笑う犬の発見」で、野球を全然知らない外人に野球の楽しさを理解させる、というような企画をやっていた。
 全く知らない人間に1から野球のルールを教えるのは結構難しいようだった。

 僕も後で自分ならどう説明するか考えてみたのであるが、これがやはり難しい。
 自分でもこんな難しいルール良く覚えたな、と思った。

 ここで、そう言えばオレ野球のルール、いつ覚えたんだろう?と、ふと疑問に思った。

 中学生の時は、一応野球部だった。只この時には既にルールは知っていた。
 たぶん小学生の時に地区でソフトボールをやっていたので、その辺りでは無いかとも思う。
 しかしそのソフトボールで改まってルールを覚えさせられた記憶が無い。

 やはり言えるのは、少年時代に自分の環境に普通に野球があり、実際の遊びやゲームや時にはオモチャなどを通じて「自然に」覚えたようだ。それ程野球は身近にあった。

 近年の若者の意識調査では「携帯電話」が一番変貌を遂げた文化らしい。
 僕の年齢になってくると、携帯に限らず、電化製品、とりわけパソコンやビデオなど、本当に新しく出て来たものが一杯であるが、あと「スポーツ」を取り巻く環境も随分変わったように思える。

 「2002.7.15(月)」晴・雨の日には家で寝てよう

 僕は今年40になる。
 それでウッカリしていたが数えで41なので、もう既に前厄に入ってしまっていたようだ。更に来年は数えで42だから厄年である。

 やっぱね。
 逆にホッとしたわ。
 こんな低迷しきった毎日で、これがもし僕の人生のピークの時期!、なんてことやったら、もうお膳引っ繰り返して暴れたる!思いましたわ、ホンマニ。

 こういう低調な時期は、晴耕雨読の如く、内面をジックリ育てとくに限りますな。
 ちなみに前のサイクルの厄年の時、仮厄っつうの?、小厄っつの?、ウソ厄っつうの?(んなのあるかっ!)、要するに男の数え25の歳、確かにその時もかなり僕は低迷していた。大学を留年し、大宮に引っ込んでいた。
 しかし確かに社会的にも不安定で金も全然無かったけど、精神的には自由で楽しかった。むしろ結構輝いていたのではないかとすら思うくらいである。

 たぶん、大厄だろうとなんだろうと、変に気に病まないことが一番なのだろう。
 もしどうしても気になってしまうのなら、これは在庫整理とか新装開店前の準備期間だとか、そういう風に捉えた方がいいだろう。
 変に「厄」なんて言葉を使うからいけない。これは地上の、それも東洋の人間が便宜上当てはめた記号であって、「厄年と呼ばれるバイオリズムを司っている天の方々」にとってはあまり意味は無い記号だろう。

 「2002.7.14(日)」晴・DVD化の波に

 我が愛する(?)エロビデオ界にもDVD化の波は押し寄せている。
 このDVD化、我々のようなモテナイ独身エトランゼエロビデオファンには便利な点ばかりというわけでも無い。

 我々のようなモテナイ独身エトランゼエロビデオファンは、そのビデオ映像においては大抵、最も愛視している部分、というのがあるものである。
 かつてビデオテープだった時代では、その自らの愛す映像部分の箇所でビデオテープを止め、次回は即時にそこから観覧できるようなシステムが完備(?)していた。

 しかしDVDはそれが出来ないのである。
 俗に言う”いいとこ”で止めて置くことができないのである。
 従って毎回「早送り」する手間が出来てしまった。(毎回早送りするほど、そんなにそこが見たいのかよっ!)。

 それからこんな問題もある。
 僕も良く利用させていただいている人気AVメーカー「ソフトオンデマンド」社も、最近はDVD化を推進しているらしく、新作と同時に過去の名作もDVD版で再発してくれている。
 これは大変有り難いのだが、VHS時代に企画がマニアックすぎて売り上げの良く無かったものは、DVD化はしてないのである。結局VHS版しかない。のみならずVHS時代に売れていないのだから当然VHSすら「絶版」ということになる。
 実は売れなかったマニアック企画の中に、僕が最も絶賛しているものがあったりするのである。
 これはたぶん「ソフトオンデマンド」社だけに限らないのだろう。
 これでどういうことになるかと言うと「真に名作足り得るものの中にはVHS版でしか見れないものがある」という事態が発生するのであるっ!。

 やれやれ。エロビデオのことで、いささか力んでしまったようですな。結局僕自身がマニアックであることが一番問題であるような気もしないでもないです、ハイ。

 さて、エロから離れるけどDVDと言えば、先日DVD版で「ドラエモン」のテレビ版第一巻と、「チキチキマシン猛レース」のBOXセットを購入した。両方とも僕が実家にいた頃に良く見ていた懐かしいものである。

 サントリー「ダカラ」のCMの新ヴァージョン、かなり受けちゃった。

 「2002.7.13(土)」晴後曇・神に栄光あれ

 宗教については話が複雑になるので多くは語れない。
 只音楽に関して「宗教的」であるということは、「癒し」と「昇華」という効用を持っていることなのでは無いかと考えている。
 例えばクラシックの宗教音楽などは、聴くと癒されると同時に高められるような気分になるものだ。
 宗教音楽と銘打っていなくとも、癒され高められるような音楽は「宗教的」であると言えるかもしれない。
 勿論クラシックばかりが宗教的というわけでは無い。

 元ドゥービーブラザーズのマイケル・マクドナルドが昨年「In the spirits」というクリスマスアルバムを出した。
 (これから梅雨も明け夏真っ盛りに向かわんとするこの時期、クリスマスアルバムの話をするなんて、僕ってなんてタイミングがいいんでしょ)。

 この「In the spirits」の冒頭には「Angels we have heard on high」という賛美歌(邦題「荒野の果てに」もしくは「グローリア」の通称でお馴染み)のカヴァーが入っている。
 これを聴いて、これこそまさに僕の考える「宗教的」な歌だと思うのである。

 この曲に宗教的な格調を保たせているのは、やはりマイケルのヴォーカルだろう。
 暖かみがあり、それでいて芯の部分は力強さを感じさせる声。マイケルの声は僕に言わせれば「神の声」だ。
 実は僕がこの曲を聴いて高められるのは、この賛美歌としてのキリストを称えた詩のテキストによって、では無い。
 マイケルの声が、彼の声自身が取りも直さず神の御業の如く、僕に働きかけ、忘れていた力を思い出させてくれるのである。

 それからシンプルではあるが美しいアレンジも見逃せない。
 ヴォーカルの後ろで静かに優しく流れているアコーディオンの音色、そして微妙な音の変化をしながら精妙なサポートをしていくアコースティックギターの伴奏。
 これらが短いこの作品の中で実にうまく解け合い、心地好く清浄な空間を作り出す。
 賛美歌をこういう形で提示してくる素晴らしさだけでも心打たれるものがある。

 それから更にサビでは、マイケルの奥方であり同じミュージシャンでもあるエイミーホランドが、マイケルとの絶妙なハーモニーを実にさり気なく見せてくれる。娘のスカーレットもヴォーカルに加わり、ここでは詩には直接出てこない「家族」、そして「愛」というテーマをニュアンスとして自然に僕等に感じさせてもくれるのである。

 この曲はたかだか2分弱程度の長さだ。しかしその中には十分な「宗教的」エッセンスが詰まっている。
 この2分の間で、僕は癒され、そして高められるのである。

 現代の「宗教」というのはあまりに多面的で複雑で、迂闊には発言しにくいものがある。
 しかし本来の「宗教」の意義というのは、実はこのマイケルが歌う「Angels we have heard on high」のようなことなのでは無いかと、ふと思ったりもするのである。

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