Monologue2001-67 (2001.11.26〜2001.11.30)

「2001.11.30(金)」晴・終焉そして誕生

 最近はどこの企業も不況の渦の中にあり、リストラの嵐が吹き荒れているところも多い。
 僕のところでも例にもれず、ついに12月には部署の大幅縮小が敢行され、かなりの人員が削減されてしまうこととなった。
 僕なぞは来年3月までの契約だったのが急遽繰り上げになり今年一杯までということになってしまった。
 大きい声では言えぬが、マスコミでもいろいろ危ないと取沙汰されていた企業だったので、まあここまで良く保ったという気もしないでも無い。それに僕なぞ元々スポットなので、又新しい仕事を探すだけであり、その点は気楽と言えば気楽である。
 しかし、やはり長年勤め上げて来た人もいて、そういう人は複雑な思いであろう。
 職場も何か沈みかかった大型船の船内を見るようで何か落ち着かない。始終いろんな人が出たり入ったりしている一方、縮小部署のフロアー内では9月の第一次大型撤退以来、どこか哀愁が漂っている。

 僕個人的には身に降りかかった災難と言えば災難であるが、正直清々しい思いも無いことは無い。
 なぜならこれは終結では無く、古い物が崩壊し再び新しいものが生まれてくる一つの過程だと思えるからである。

 そんなことがありつつも気を取り直し、終業後新宿のタワーレコードに向かった。
 ワーグナーの楽劇「パルシファル」のDVDが無いかどうか見に行く為である。
 しかし既に入手済みのダイジェスト版はあったのだが結局全曲版は無かった。
 代りにそのワーグナーが影響を受けたと言われる、ベルリオーズ作曲「ロミオとジュリエット」コリン・デイビス指揮ライブ版というのを購入した。

 その後、クラシックのフロアから洋楽のフロアへ階段を降りて行くと、ジョージ・ハリスンの「マイ・スウィート・ロード」がフロア内に流れているのが聞えてきた。
 「まさか・・・」
 僕は直感した。
 フロアの上の方に在ったモニターを仰ぎ見ると、そこにはジョージの写真と、ジョージがこの日の午後逝去した旨が・・・。

 世の中では悲喜交々いろいろな出来事が起っている。そして新しい時代というのは常に始まっているものである。僕たちはそれを作る為に生きているんだ、そんな思いが改めて脳裡によぎるのであった。

「2001.11.29(木)」晴・保田

 今日の日テレのモー娘。出演番組「モー。たいへんでした」では志村けんとモー娘のからみがあった。
 特に圭ちゃん(保田圭)が志村けんにイジられ役になっているのが笑えてしまった。まさに昔研ナオコのやってた役回りである。
 圭ちゃんはモー娘の中では、今一地味な感じだけど、最近はテレ東の「ハロモニ」での婆さん役、「うたばん」でのイジられキャラなど、かなりイイ味出していて、結構笑えてしまうのである。

「2001.11.28(水)」晴・携帯デビュー?

 ああ・・・、ついに近々携帯電話デビューしてしまいそうである。
 今までモテナイ独身エトランゼオジサン携帯無し、として頑張って来たが、とうとう年貢の納め時らしい。

 なぜ今携帯なのか?
 なぜこの期に及んで携帯を持とうという気になったのか?。
 正直なところ、特に今携帯を持とう、よしっ!持つぞっ!、という感じでは全く無かった。

 早い話が街のオネエチャンの巧みな勧誘に引っかかっちゃった、といえばそれが一番近かろう。
 オネエチャンが優香ソックリだったのがイケナかった。
 優香に笑顔で頼まれれば大抵の独身エロオヤジは、否とは簡単には言うことはできまい。

 機種は一世代前のやつで一応タダらしい。登録等はやってくれて、後は毎月の使用料を払うのみである。
 ま、ともあれ、これもタイミングというか、神の思し召しというか、何かの縁だと感じたので、ついに申し込んでしまった、というわけである。

 ま、これで渋谷の飲み屋のお姉ちゃん達とも話を合せられるし、何かと便利も良かろうて。

 ここで観念の一句。
 ”ITも結局女性の愛(I)の為(T)”

「2001.11.27(火)」晴・デパートで一卑屈

 高級デパートに入るとどうも萎縮してしまう。まず入り口は大抵ブランドメーカーだったりするから、何か僕のような貧乏人を拒絶するオーラが漂っている。
 店員には僕の影があまりに薄すぎて写って無いんじゃ無いかとすら思う。

 得てして僕の存在自体より、ブランド服の方が遥かに荘厳さを有り有りと醸し出していて、店舗の金と黒のギラギラした看板と合間って、デイパックをぶら下げ薄汚い靴とヨレタズボンを履く随分貧素な自分を、圧迫し威圧してくるのである。このパワーには毎度圧倒される。
 しかも時間や場所によっては客より店員の方が多い場合すらある。
 もう壁のようにすら見える。
 来んじゃねえよ的雰囲気が大いに漂っている。
 僕も、確かに来るんじゃ無かったと思う。

 しかしここを通り抜けないと目的地には辿りつかないのである。
 何か精神修行でもしにきたかのような虐げられた心地を覚え首をかしげつつも、「スイマセンネ汚しちゃってスイマセンネ、ハイ、ごめんなすって。」などと卑屈に呟くともなく呟きながら、美麗な店員のオネエサン達の間をコソコソと逃げるように駆け抜けて行くのであった。

「2001.11.26(月)」晴後曇・Something in the way she moves

 今日は残念なニュースやら嬉しいニュースやら悲喜交々であった。

 まず元ビートルズのジョージ・ハリスンの脳腫瘍の放射線治療の結果が芳しくないというニュースがイギリスで発表されたらしい。
 今度は1ファンとして、近いうちに又覚悟を決めなければいけなくいなることもあるかもしれない。
 しかし遅かれ早かれこういう時はきっと来るのだろうし、ジョージだって言っている「All things must pass」と。
 それにジョージの珠玉の作品は、これで輝きを失うことは有り得ないし、今は只祈り後は全てを神の意志に任せるのみである。

 一方嬉しい報せとして「ニュースステーション」の特集で、ハワイのブリガムヤング大に留学していた田臥勇太君が待望のNCAAデビューを果たし、スタメン出場で初戦勝利を飾ったことを放映していた。僕としては結構待ちに待っていたが、できれば今後の試合をテレビ放映してくれたらな、などと思うのだが。

 今日はジョージのソロ時代の曲「クラッカーボックスパレス(人生の夜明け)」やハープアルバートに捧げた隠れた名曲「愛のてだて」などを聴きつつ眠りにつきたい、などと思う次第である。

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