Monologue2001-56 (2001.9.20〜2001.9.24)

「2001.9.24(日)」晴・とある休日の電車にて

 街に出歩いていると、ほんの小一時間程の内に4人次々と興味深い人を見かけた。

 ○地下道を歩きながら「カーッ、ペッ!」と痰を吐き捨てる女性。
 ○やはり地下道を歩きながら壁の看板を殴りつけている青年。

 ○それからこんなのもいた。
 電車に乗っていると僕の近くに女性が来た。
 チラッと見ると、なかなか美しい。結構色っぽく見える。
 携帯をガチャガチャ急がしそうに打っている。
 髪の毛は栗色で近くにいるとフェロモンが漂って来て僕もイイ感じになってきた。
 その内彼女がチラッと、こちらを見たのであるが、ドキッとする前に僕は「もしや?」と思ってしまった。
 彼女は女性にしては僕より背が高く何よりその顔つきが、僕にちょっと不信を抱かせるような按配なのであった。
 近頃ではニューハーフというのも珍しくなくなってきたが、何か彼女の感じが大変ニューハーフっぽいのである。
 結局真偽はわからず、もし彼女が普通に女性だったら大変失礼だったのであるが、顔の雰囲気がどうも男を感じさせるものが無いでも無かった。
 通常女性が近くに来てくれたら無条件大歓迎なのであるが、その時は一旦思い出すとその妄想が止まらず、ちょっと引き気味になってしまうのを禁じ得なかった。只第一印象は結構有り無しで言えば「有り」だったのが、惜しいというか哀しい・・・おっと、まだニューハーフと決まったわけでは無かった・・・女性だったら本当にゴメン・・・。

 ○締めはやはり電車の中だったのであるが、僕が車両に乗り込み辺りを見回すと、座席に明らかに住所不定系と思われる男性が座っていた。
 一番端の手すりのある席で、グッタリと寝込んでいる。
 このような男性は見るといつもグッタリしている。
 何もかも疲れ切って、もうそれすら通り越してしまっているのであろう。
 そしてたぶん9割方当たっていると思うが、その男性の発散すると思われる臭気が車内に充満していた。
 アンモニアの鼻を突き刺すような鋭い臭気である。
 乗客のある者は一旦この車両に駆け込むが、この臭気の為思わず他車両に移っていく者もいた。

 普段の僕なら絶対同じように移るのであるが、なぜか今回はしばらくこの状況を観察しようという思いと、その男性の向かいの席に女性に挟まれた空席があったため、そこに思わず吸い込まれるよう着席した。
 僕の座った席自体も最初に誰かが座っていたのが、そこの者が耐えられず退散し出来た空席のようである。

 この僕の席は臭気男性と多少距離はあるがやはり臭気はかなりキツイ。
 見ると男性の半径1m以内には誰もおらず広々とした空間が出来ている。
 男性の隣の席はもちろん一つ空いていて誰もそこには座ろうとしない。
 おかしな事に鼻を手で被っているのは僕一人で、他の近くの乗客は無表情だったり寝ていたりして、この状況は一見全然お構い無しに見えた。
 実際の所はわからぬが、この期に及んで男性に気を遣っているのであろうか?。僕はとりあえず男性は眠りこけているのをいいことに、なるべく臭気を吸いこまぬよう手で口周辺を被っていた。

 その内驚くべき感動的出来事が起きた。
 臭気男性の一つ空いた隣に座っていた老人が、電車が動き出した直後、何と臭気男性のすぐ隣に移動したのである。
 僕は何事かと思ったのであるが、続く展開を見て了解した。
 老人が移動して出来た空席に、ちょっと離れた所にいた初老の男性が座った。
 そして更にその隣の席にはじめから座っていた、やはり初老の婦人と会話をし始めた。
 どうやら夫婦だったらしい。
 最初に移動した老人は彼らがペアだったことを知っていたのか、自分が移動し言わば犠牲?になることで老夫婦を一緒に座らせるスペースを提供してあげたようなのである。
 まあ結局座ってしまうと臭気との戦いもあるから一概に座ることが良いことだとは言え無かったかもしれぬが、やはり老体に直立は辛かろうし、臭気よりも安楽をとって正解だったのかもしれない。

 その内僕にもチョッピリ良い出来事が降りかかった。
 僕の右隣でウトウトしていた女性、まあ世間的に見ればオバサンなのかもしれぬが僕と同年代くらいに見える女性が、電車が進むにつれ、ついに僕の肩に頭を乗せるくらいまで傾いて来た。
 普段モテナイ独身エトランゼである私も、オバサンとは言え女性が肩に顔を預けることなど滅多に無いから、これを逃してはイカンとなるべく女性に肩を差し出すくらいの気持ちでアリガタやアリガタやと、つかの間の小さな幸せを享受した。
 匂い問題はあれど、良い現場、良いシチュエーションに思いがけず巡り合えたが、もしかしたらかの臭気男性は何かプチハッピー神のようなものの使いだったのだろうか・・・?、思えば逃げないで、この臭い車両に乗って良かった・・・?。

「2001.9.22(土)」晴・秋仕様

 四季の移り変わりというのは気づかない内にいつの間にか自然に移り変わっていくようなイメージがあるが、今日などはハッキリ「今日から秋になりましたのでヨロシクッ!」とでもいいたそうな感じでいきなり寒くなった。
 外に出ても、もう絶対夏じゃない、あの秋の気配が漂っていた。
 僕は11月の生まれで、いろいろな占いでも秋が一番乗る季節、などと書いてあったりする。
 確かにゴキブリなどの昆虫の出現が無くなり、余計なことに神経を使わなくて良くなるから物事に集中し易いということは無くもない。

 確かに秋の空気は、詩心というと大げさであるが、そういう心情を刺激し、それによって感受性も強まり情緒的な感情が沸き起こり易くなる気がする。
 例えば秋の空はいつもより透き通って見え、いつもよりその青が切なく思えたりする。
 夜の空気は適度に冷たく、人恋しみたいな慕情のようなものを刺激する。
 それから意外に、昔秋と言えばこのグループという感じのオフコースを良く聴いていたことが、現在の秋に対する思いの主要な部分を成している、簡単に言うと「オフコースの影響を強く受けている」という気もしないでもない。

 そんなことを思いながら今日、来週からの通勤ウォークマン用にMDにいろんな曲を録音してみたが、J−pop版にはオフコースから「あなたがいれば(「ジャンクション」収録)」というのを一曲入れてみた。これが秋の寂しい感じには結構合っているのである。
 ちなみに他にはスピッツの「楓」、MIsiaの「恋する季節」、椎名林檎の「茜さす帰路照らせど・・・」、モー娘。の「I wish」などが入っている。滅裂という意見もあるかもしれぬが自分としては一応「秋仕様」ということになっている。

「2001.9.21(金)」雨・いいともレギュラー

 何を隠そう僕は中学校時代ピンクレディーのファンであった。
 ケイちゃんには申し訳ないが、当時はショートカットのミイちゃんが好きだったのであるが、お二人とも僕と同じ静岡県出身という親近感もあり、僕としては人生で初めて入れ込んだアイドルなのであった。
 当時部屋にポスターを貼ったりなどしていたし、「UFO」まではシングルとベスト盤まで持っていたが、その後竹下景子、宮崎美子、と路線を変えて行ってしまったので追求は頓挫した。

 僕には姉がおらず、もしかしてシスターコンプレックスにより、ミイちゃん、竹下景子、宮崎美子、などというラインナップになったのかもしれないと今は思ったりするが、いずれにしろどうやら若い頃からアイドル好きの血はあったようである。
 今はモー娘。が御贔屓であるが、そういえばピンクレディーとモー娘。は社会的スタンスが似ているかもしれない。

 そんなモー娘。を卒業した中澤裕子嬢が、10月から「笑っていいとも」の隔週レギュラーになるそうである。
 常日頃モー娘。の誰かが「いいとも」のレギュラーになってくんねえかと願っていた僕は、この記事を目にした時、思わずオッ!と喜んでしまった。

 では「おまけ」で下らぬギャグご紹介コーナー。
 男性諸氏はオネエチャンの店に行った時の自己紹介にでも使って下さい。
 システムコンサルタントという職種があるが略してシスコンなどという。
 シスターコンプレックスも略すとシスコンになる。
 もうおわかりだと思うが、以下に使用例を示す。

 <友人と飲みに行ったオネエチャンの店で、友人をダシに使う。>
 オネエチャン:「お仕事は何をされてるんですか?」
 友人:「シスコン」
 オネエチャン:「シスコンって何ですか?」
 友人:「システムコンサルタントて言って、コンピューターのシステムを導入したりする時のコンサルティングをする仕事なんだけどね。」
 オネエチャン:「わーっ、(よくわかんないけど)なんかカッコイイッー!、そちらの方は?(僕の方を見る)」
 僕:「僕も、僕も、シスコンッ!」
 オネエチャン:「えーっ、そーなんだー!」
 僕:「うん、シスターコンプレックスだけどね。俺の場合。」
 
 受けるかどうかは、貴方のココ(ぱんぱんと腕を叩く)次第であります。責任押しつけ。

「2001.9.20(木)」曇時々雨・思考のタネ

 思考というと普通主体的に考え思案することのようなイメージがある。
 しかし意外と思考は自分の体の中で勝手に作られたもの、言わば「思考のタネ」が湧き起こしているもののような気もする。

 仕事中、超眠くなってウトウトし始めるが、目だけは何とか開けていようとする。
 その内頭の中では勝手にストーリーのある思考が展開していってしまうのである。
 ウトウトしているので、その思考が頭の中を流れゆくまま、成す術もなくそれに身を委ねてている内、身体がガクッとなって我に還ったりする。

 きっとこの状態で目を閉じるとこの思考が「夢」になるのであろう。
 ちなみの今日の思考は「離婚を控えた夫婦のうち、その旦那が自分の娘に、離婚後どちらにつくか、ということを問いただす」というような内容であった。
 以前見たテレビの内容なのかもしれないし、誰かに聞いた話だったのかもしれないが、兎に角僕の意志とは全然関係なく頭の中で勝手に展開していたストーリーであった。
 これが俗に言う「白昼夢」というやつなのか。

 眠くウトウトした意識の状態で何かのロックが外れ、思考のタネが勝手に流れを作り出したようだが、普段物を考える時も、この思考のタネが通常の意識状態での思考に影響を与えていないとも言え無い。
 例えば好みとか、その時の気分とか。

   ところで、また宣伝。 
   僕の高校時代の友人、外山泰三氏がカメラを担当した番組が放送されるので興味のある人は見てやって下さいね!。 
   ★NHK総合『ようこそ先輩課外授業・レーシングドライバー片山右京』 
    9月23日 日曜 18:10〜 
    子供たちが一生懸命走ります!是非観てやってください。

back to ●Monologue Index
back to●others
back to the top