Monologue2001-53 (2001.9.1〜2001.9.7)

「2001.9.7(金)」晴・掻き尻

 今朝起きたら既にいつも出勤する時間だったので少し焦った。
 しかし今勤めている所は10分程度の遅刻はとやかく言わないので、まあそんなにエネルギーダウンもせず出かけることができた。
 だからという訳でも無いが、今朝は下車駅の改札を抜け階段を登っている時に「尻を掻く美女」を見ることができ、それはまあラッキーだったと言える。正確に言うと「美女が掻く美女の尻」を見た、といった方が良い。

 僕が階段を登っていると、すぐ前に若い女性が登っており、位置的に彼女の臀部がちょうど僕の顔のラインに達した時であった。
 彼女のしなやかな手が彼女の臀部左上部辺りにセットされたと思うや否や、突然その五指が激しく動き出しガサガサガサガサッ!という音をたてつつ彼女が自らの尻を激しく掻きむしり始めた。

 彼女は黄緑色の割とピチっとしたタイトなスカートを履いており、ヒップのラインもハッキリわかる感じであった。
 そんなスカートの中で強靭な張り具合を見せている彼女の尻が、まるで技巧派のギタリストが華麗なパッセージを爪弾くかのような素早い動きで掻きむしられている様は、カラスがトタン屋根の上で捉まるところが無く激しく屋根を掴もうとして掻きむしっているかのようにも見えなくも無かった。
 スカートが張っている為、その華麗な素早い動きと合間って指が横滑りするような風にも見えた。

 あのスカートの張った固い感触だと隔靴掻痒というか、あまり本意を遂げられなかっただろうと余計な心配をしてしまったが、彼女はそんなことを考える私モテナイ独身エトランゼの存在など全く眼中にも無く、階段を駆け登ると何事も無かったかのように颯爽と街中へと消えて行ったのであった。

 僕は今し方眼前で展開した非通勤的情景こそ、まさに今日遅刻した意味であったのだろう、などと勝手に解釈しつつヨタヨタと同じように街中へと消えて行ったのであった。

「2001.9.6(木)」晴・名代ディズニーそば

 ディズニー・シーがオープンしたとのことであるが、そう言えば僕としたことが、若い女性はディズニー好きということをスッカリ忘れていた。
 僕はこのことを想い出し、ハタと膝を打った。
 昨今吉野家が若い女性の誘致に成功している最中、未だに若い女性が二の足を踏んでいる感のある我々モテナイ独身エトランゼ界的スポット「立ち食い蕎麦屋」に、常日頃若い女性を誘致したいと願っている僕なのだが、もしかしたら「立ち食い蕎麦屋」に「ディズニー」を持ち込めば、それは実現するのではないか?、そう思った次第なのである。

 まず、いかにも立ち食い蕎麦屋という店の名はやめてしまい、そこに「ディズニー」を冠してしまったらどうか?。
 例えば「名代ディズニーそば」「ディズニー庵」「ディズニー茶屋」「ディズニー処」・・・あれ?、あんま蕎麦屋から抜け切ってねえな。ま、いいか。「ディズニー立ち食いワールド」なんてのもいいかな(どうも立ち食いから抜け切れんな)。

 それから店のオバチャン達の衣装は全てディズニーのキャラクターの衣装にし、サービスデイにはミッキーやミニーの着ぐるみを着させたりする・・・、しっかし店が暇な時間の時なぞ結構空しいだろうな・・・。ま、いいか。

 それからメニューも、いかにも蕎麦蕎麦したものはやめて、全てディズニー関連の名前にする。
 例えば「美女と野獣」。
 これは「天ぷらソバ」のことである。
 理由は「なんとなく」である。

 あっ、重要なことを忘れていた。
 注文する時に必ず「そばか?うどんか?」と聞かれるが、これは「ミッキーか?ドナルドか?」にする。
 大盛りは「スプラッシュマウンテン!!」とする。
 以上をおさらいしてみると、「天ぷらソバを大盛りで」は「美女と野獣、ミッキーのスプラッシュマウンテンでお願いねっ!!」などとなる。うん、まあいい感じじゃなかろうか。

 それから店の前には商品の写真を配したメニューを置く。
 え?普通じゃんと?
 いやいや、これがこの写真が全て「3D仕様」になっているんですな。
 店内備えつけの専用メガネをかけると、なんとザルソバが浮き出てくるのであるっ!!・・・、え?メガネかけないと何がなんだかワカンネエダロって?・・・ありゃ、そういや、そうだよな・・・。
 金の無いアンチャン達がひやかしで、3Dメニューだけ見にきそうだしな。ま、いいか。

 それから店内には四六時中ミッキーのテーマを流し続ける・・・、ちょっとウルサクてゆっくり蕎麦も喰えねえか・・・。
 せめて「星に願いを」くらいか。でも蕎麦には合わんか・・・。ま、いいか。

 ともあれこんな素敵なアトラクションが一杯の立ち食い蕎麦屋なら、絶対若い女性がワンサカ来そうでしょう!・・・、絶対こねえってか・・・。
 確かに、なんかあんまりオイシクなさそうだしな・・・。ま、いいか。

「2001.9.5(水)」晴・堤真一

 今フジテレビで月〜木の23:00から「イタリア通」に堤真一君が出ているが、なかなかいい俳優だと思う。コミカルな感じもあるし、それでいて二枚目だがギラギラしたところが無く爽やかな所が良い。「やまとなでしこ」の欧介さんですっかり気にいってしまったが、他にもいろんな役を見てみたいなと思わせる男である。できればインディージョーンズのハリソンフォードみたいなのとか・・・、日本じゃまだ無理か・・・。

「2001.9.3(月)」曇後雨・偉大な記録

 F1ベルギーグランプリではフェラーリのミハエル・シューマッハが歴代最多となる52勝を挙げた。
 これは大変偉大な記録であるが、それにしてもまあスポーツ紙などの扱いの地味なこと・・・。

 話は全然変わるが、ついに冷蔵庫の無い状態のまま7〜8月が終わってしまった。
 これは私モテナイ独身エトランゼにとって大変偉大な記録達成である(無理矢理コジツケたな)。
 いろいろ我慢したというのもあるが、何しろ昨日ここに書いたように今夏はエアコンを始終低温低湿で稼働させていた為、家ではあまり暑く無く、どちらかと言えばむしろ寒がっていたくらいなので、あまり冷たいものを今までのように多量に消費する必要も無かったというのもある。

 これで7〜8月分は冷蔵庫の電気代が丸々浮いたことになる。
 これは「痛みを伴う改革」だと思ってた所に意外な収穫だった・・・かもしれないが、まあでもやっぱ冷蔵庫あった方がいいよな・・・。確かに。

「2001.9.2(日)」晴・優れた政策

 お蔭様で今年も無事に8月を乗り越えられた。
 出し抜けに何の風の吹き回しかと不審がられた方もいらっしゃるかと思うが、我が家における今夏今日現在までの「ゴキブリ出現のべ日数」が何と「1日」という予想を上回る好成績で7〜8月を終了することができたからである。
 ここ数年7月〜8月は恐怖のゴキブリ出現月間として、我がモテナイ独身エトランゼ宅においても、厳戒体制がとられ、非常に緊迫した状況が続いていたが、今年は諸々の特別体制が功を奏したのか、非常なる好成績を挙げることができ、我がモテナイ独身エトランゼ内閣も支持率をグンとアップしたとかしないとか。

 元々文明機器には少なからず不信を抱きがちな性分なので、ここ数年エアコンに頼らず、扇風機と自然の風で夏場を過ごした年をがあった。
 ところがこれが裏目に出て、この頃から我が家でのゴキブリ出現率が一気に増大してしまった。

 かくして今年から「痛み」を伴う政策として、エアコンドライのフル稼働をモテナイ独身エトランゼ電気通信省に指示した。
 ゴキブリの敬遠する、部屋の低温低湿状態を現出させる為に、夜間多少の騒音振動は伴うが意を決し、時には早朝近くまで冷え切るような寒さの中、羽布団などに包まりながらも恐怖の夜を凌いで行った。

 結果、エアコンのフル稼働を決した当日に2匹出現して以来は現時点までヤツラの出現が確認されていない。

 文明機器には少なからず不信を抱きがちな性分であった僕も、今まで車・パソコン、と徐々に和解工作を図り、それは成功裏に終わって来た。
 今回コレでエアコンとの和解条約も締結し、めでたく国交回復となった。

 今後の和解政策対象として挙がっているのが「電子レンジ・冷蔵庫・携帯電話」である。
 差し当たって「冷蔵庫」との和解が当面の懸案となるが、財政問題もある為、又増税が必要との声も挙がっており(どこからだよ)、我がモテナイ独身エトランゼ内閣の風当たりはまだまだ強そうである・・・
 あれ?、何の話だっけ?。

「2001.9.1(土)」曇・アキラーッ!

 ようやく給料が入ったので、念願であった往年の名テレビドラマ「傷だらけの天使」のDVDを買った。
 もちろんまだあまり金が無いので一番見たかった1枚しか買っていないが、いずれ全部揃えたいな。

 有名なオープニング、ショーケン(主演:萩原健一)と水谷豊のコンビ、「おさむちゃん・・」の岸田今日子(綾部さん)、その綾部さんの秘書辰巳さん役の岸田森の無気味ながらもコミカルな味・・・
 まあ、いろいろ見所はあるが、やはりこの頃のショーケンはカッコ良かったですな。
 オープニングでショーケンが食べているコンビーフをショーケンの食べ方で食べたくてやってみたが、実際にやったら、まずくて全然口に合わず挫折してしまった、などという冴えない想い出もある。
 それから劇中音楽も哀愁があって実に良い。
 なんかテレビドラマの良い所が一杯詰まっているという感じがしますな。
 
 そして何といっても全体の根底に流れている、東京と言う都会の非常に切なくやるせない感じ、哀愁が、今でも僕などが惹かれている理由なのだろう。

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