Monologue2001-37 (2001.6.18〜2001.6.22)

「2001.6.22(金)」曇時々晴・風水を越える

 「風水」ということが最近良く話題にのぼるようになってきた。
 僕も、このような見えない気の流れというのは確かにあると思う。
 大体家の中の物や色などで確かに気分が変わることがある。
 この「気分が変わる」という事実こそ、大変なことで、それこそが風水の最大のポイントなのだろう。
 家の中が汚くて、なんとなく帰りたく無い、なんてのはまさに風水の魔の手に落ちてしまったことになるのだろう。

 これは逆に言うと、風水によって「気分を変えない」ことも可能だということになる。
 僕は人間レヴェルアップすれば、劣悪な風水環境でも自分を左右されないようになると信じている。
 スポーツでも仕事でも何でも熟練してくるにつれ、多少の逆境でも自分をコントロールできて平常心を保てるようになる。
 テレビゲームの話を持ち出すのは、とんちんかんだと思われそうだが、RPGなどでは最初ダメージを受けていた部屋でも、レベルアップしアイテムや術を取得すると、その部屋では何のダメージも受けなくなる。
 であるから人間だって精神のコントロールができるようになれば、多少風水の悪い部屋でも自分の精神を安定させられるようになるのでは無いか。

 風水で気の流れが悪くなることも、自分にとって相性の悪い人と接することも、気の流れを損ねるという意味では同じなのだから、それによって自分をコントロールできなくなってしまわないように悪い環境の中でも修行すれば良いだけの話なのでは無いだろうか。

 もちろん風水の良い環境が良いに越したことは無いだろう。
 しかし風水はどちらかと言えば外的環境の話であるから、確かに外的環境によって内的精神が左右され易い点を突いた理に叶ったものであるが、人間やはりいつまでも外的環境に振り回されてしまってはいけない。
 それにいくら風水が良くても内的精神が病んでしまったら元も子もない。
 であるから実際外的環境が劣悪でも、それは自分自身をコントロールする為の修行の場、くらいに思っていきたい(ワッ、ポジティヴーッ!)。
 大体修行を積んだ老賢者が、ちょっとくらい風水の悪いところに入ったらイライラしてしまっているようじゃあ、ダメダメ、ではなかろうか。

 以上、玄関が鬼門(東北)だったりいろんなもので部屋の中がデコボコになったり付近に高圧電線の鉄塔があったりするなど劣悪な風水環境で喘ぐ、モテナイ独身エトランゼ(僕のこと)の負け惜しみでした、とさ。

「2001.6.21(木)」雨後曇・出戻るし

 不要になった古本・家電、それからエロビデオの類い等を処分しようと思い、中古屋へ買い取りしてもらいに行くが、これがなかなかこちらの思った通りにはならない。

 当方が不要になったものを他人が欲しがっているということももちろんあるが、全部が全部そうとは言い切れ無い。
 当然当方で不要なら、他人だって不要、というものだってある。

 せっかく良い値で引き取ってもらえるかと思ったら、これは引き取れません、と無下に突き返されたりすることも良くある。その辺は実にシビアである。
 おまけに運良く買い取られても良い値でなど本当に高望みで、それこそ二束三文程度の値段で取り引きされるのが常である。
 それでも全然売れないよりは良い。
 それ故安値ですら売れなかった物、取り残された物は哀しい。

 しかしエロビデオとなると事情は多少違ったりする。
 エロビデオは、割かし「泣く泣く」処分することが多い。
 処分前内容の最終確認の為、久しぶりに見たりすると「あれ?これ結構いいじゃないの?」などと放出に対して急に後悔の念が沸いて来たりするもんである。
 しかしながらビデオの絶対数を減らさないことには当方の部屋の混乱・飽和状態は一向に改善されない。
 そうしたこともあり、惜しみつつビデオを売り出しに向かうのであるが、その内幾つかが買い取り不能となり突き返される。その中には惜しみ惜しみ差し出した物が入っていた。

 こんな時意外にホッとしたりする。
 なあんだ、やっぱ戻って来たのか・・・という安堵、売れなかったそのビデオへの同情の念、など様々な思いが去来していく。おまえは元々オレから離れられない運命だったんだな、などと安い人情芝居じみた感慨も湧く。
 ここで途中の一句。
 出戻りの、嫁を叱咤し内心は、少し嬉しい実の親、季語無し、みたいな。

 ちなみに、あまり惜しく無いビデオが突き返されると、オレだってもういらねえんだよっ!これどうすんの、もうっチェッ!などと舌打ちをしつつパッケージの何か悩ましげなような哀しげなような女性モデルの写真を見つつ、軽く逆切れしたりする。こういうのは仕方ないから後進の若者の教育の為に無料贈呈用として備蓄しておくしかない。

 まっ、何はともあれ、全くもって哀しいモテナイ独身エトランゼの日常であった、とさ。

「2001.6.20(水)」雨後晴・お喋りオバサンでも

 おばさんは得てしてお喋りである。
 時にこちらの不都合なネタも喋ってしまって、あちこちに噂が流れてしまったりする。
 だから「お喋りオバサン」などというと、何かイメージの悪い人間のように感じられる。

 ところがである。
 この「お喋りオバサン」も役に立ってくれる時があるので、世の中うまくできているもんだと妙に感心してしまう時もある。

 こちらがどうしても、ある人に伝えなければいけない情報があるのだが、その内容からして面と向かって、その人には言いにくい場合がある。
 しかし、その情報を「お喋りオバサン」に伝えて置くと、またたく間にいろいろな人に伝わり、いつしか、言いたかった本人にも伝わってくれるのである。

 もちろん最終的には自分が直接言わなければいけないのであるが、既に事前にその人に伝わってくれているので、実際に話を切り出す時に切り出し易い。ちょっと重たくてなかなか言い出せなく、いつ話そうかなどと気をもんでいたような内容でも、うまく行けば相手の方から話を切り出してくれたりするので、こちらにとっても会話が自然にスムースに運んでのである。

 更に良いことは、話の内容からして知っていて欲しいけど、あまり面識の無いこの人に直接言うのは何か変だし、などと思っている種類の人達にも、こちらが特に骨も折らずに一番適当な「噂レベル」で伝わってくれるので、それもありがたい。
 まさに至れり尽くせりである。
 いわゆる「根回し」というやつを、「お喋りオバサン」は、こちらが頼まなくても自動的にやってくれていたのである。
 まさに「お喋りオバサン」は「自動根回し機能」を有する優れものなのである。
 但し「根回し可不可判別機能」を有さない「お喋りオバサン」も世の中には出回っているので、それは取り扱い要注意である。

 こんなことが最近あったので、僕は人とのコミュニケーションというのは、時として他力本願で良い時もある不思議なもんだな、とつくづく感じたのであった。

「2001.6.19(火)」曇後雨・ゆっくりしかし着実に

 今日のNHKの「プロジェクトX」を見ていたら、こんな言葉が出てきた。
 「Slow but steady」
 ゆっくり、しかし、着実に。
 今の僕には、とても心に響く。

 その後又久しぶりにクリストファークロスのデビューアルバム「南から来た男」を聴いた。
 「スピニング」のサビは、僕には泣かせる詩である。CDに合わせて囁くような小声で一緒に口ずさむ・・・

 ♪♪♪
 It may take me a long long time
 But I'm gonna find you out・・・
  ♪♪♪

「2001.6.18(月)」晴・サザエさん雑感

 昨日久しぶりに「サザエさん」を見てみたが2点ほど非常に興味深い点があった為、忘れぬ内にご報告して置くことにしよう。

 まず第一に磯野家の主人である波平の性格についてであるが、この日の第一話ではワカメが誤って波平の大切にしている盆栽の鉢を割ってしまうというシーンが出てきた。
 これは本筋では無く伏線のシーンであるが、このワカメの失態をカツオがカバって肩代わりし、自分が怒られ役を買ってでた。
 問題はこの後であるが、怒った波平は極当たり前のようにカツオを物置に閉じ込めたのである。

 元々ワカメが鉢を割ったのも故意では無く明らかに不可抗力のように見えたのであるが、波平はそうした事情を何ら詮索もせず、ほとんど有無を言わせない状況でカツオを物置に閉じ込めてしまったように見えた。
 僕個人的には、この程度で何もそこまでやらなくても、などと感じた。
 かような仕打ちは子供にとっては随分理不尽な制裁であるようにも思えるが、子供たちの弁明をハナから聴こうとしない波平は、考えようによっては相当酷い父親であるかのようにも見えなくも無い。
 おそらくこうした波平の威圧的な態度が子供たちに真実を素直に話させない閉鎖的な状況を作り上げてしまっているのであろう。

 日曜夕方のお茶の間団欒時間帯に、かような独裁専制君主的な父親像を堂々と提示してしまっていいものなのか多少疑問も無くも無いが、まさか「サザエさん」を深夜枠に移行する訳にもいかないだろうし、波平に触発され何か問題を起こしたという話は聞かないから、「サザエさん」的にこれでいいのだろう。きっと日本の古典的国民的番組「サザエさん」の父親である波平のキャラクターは、こうでなければいけないのだろう。

 次はワカメに関してであるが、ワカメは確か女性であったと思うが妙齢では無くまだ小学生の低学年であったと記憶する。
 しかしながら、そのファッションに関して非常に気になる点があった。
 スカート、もしくはワンピースというのであろうか、その衣装の丈がやけに短い。
 そしてその最低部から「常に」白い物がはみ出している。
 これは僕のようなオジサンが普通に解釈させていただくと、どう見ても「パンティ」であるように見える。
 番組では「ワカメの衣装の下段部分はパンティである」などという言及は無いので定かでは無いが、おそらく十人中九人は「パンティ」と認識するであろうと予測される。
 忌憚の無い言い方をさせていただくとワカメは常に「パンチラ状態」である、ということになる。
 「ワカメのパンチラ」などというと、どうも風俗誌じみてくるが、僕にはそう見えて仕方ない。

 日曜夕方のお茶の間団欒時間帯に、かような風俗誌的な少女像を堂々と提示してしまっていいものなのか多少疑問も無くも無いが、まさか「サザエさん」を深夜枠に移行する訳にもいかないだろうし、ワカメに触発され何か問題を起こしたという話は聞かないから、「サザエさん」的にこれでいいのだろう。きっと日本の古典的国民的番組「サザエさん」の妹であるワカメのキャラクターは、こうでなければいけないのだろう。

 この本来深夜枠で放映されるべき環境を、アニメというオブラートで包んでさり気なく放送している所に「サザエさん」高視聴率の原因が、あるとか無いとか。

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