「2001.3.25(日)」雨・マラソンで言い訳
人生はマラソンに例えられる、などということを良く聞く。
ところで我がモテナイ独身エトランゼの人生も仮にマラソンに例えてみようとした訳であるが、どうも考える内に具合の悪いことになってきた。 「オレって、もしかして、まだスタートしてねえんじゃねえか?」
これは厳密に言うとスタート前の「ウォーミングアップ」と言うのでは無いか?という気もしないでも無い。
「ウォーミングアップ」は既に他の人であれば社会的地位も築き家庭を持ったりするような今の僕の年齢でするべきものなのだろうか?
最低スタートできるにしても上記のような疑念の為、レース不安は募るばかりである。
実際のところ「ウォーミングアップ」で既に相当疲れてしまっている感も無きにしもあらず、である。
しかしながら言い訳も無いでも無い。
だから言い訳させてもらえば「ウォーミングアップ」は、まだそんなにはしてないのである。
|
「2001.3.24(土)」晴・男性専用車両
東京の私鉄京王線の深夜便の一部で「女性専用車両」がテスト運行され概ね好評だったそうである。
それよりも我が男性諸氏は、まずこの実態をもっと真摯に受け止めなければいけない。
嫌われたる主たる要素は男性群の中でも「痴漢類」に属する種族と思われるが、「女性専用車両」を作られるなど「よっぽどの嫌われ方」をされている、と捉えていかなければいけない。 普通問題が発生した際は、その当事者同士で解決なり、示談なりして今まで過ごしてきたと思われる。
この先「女性専用車両」どころか国などが動いて「女性専用路線」まで作られてしまうようになったら、日本の男性諸君の品位はガタ落ち、世界からも「ヤーイ、モテナイ国ーッ」などと嘲笑を浴びていたことであろう。 そんな中僕にとっては全くもって驚くべき意見があることがわかった。
およそ僕の思考回路、辞書には存在しない言葉だとばかり思っていた「男性専用車両」。
そもそも満員電車が不快なのは、その過密状態であることよりも満員電車の擬似男性専用車両状態の不快さこそが原因なのでは無いかとすら僕には思えるのであるが、気のせいだろうか?(かなり男性を目の敵にしてますな)。
しかしながら「男性専用車両」を作って欲しいと願った男性の心理状態がどうなっていて、どのような心情からそのような考えに至ったのか?ということに興味は無くも無い。もしかしたら僕をして納得させるような想像もつかぬような奇抜な理由があるのかもしれない。
|
「2001.3.23(金)」晴後曇・カラータイマー
往年の名怪獣テレビドラマ「ウルトラマン」に於て、主人公ウルトラマンの胸部に装着?された「カラータイマー」なるものによってウルトラマンのエネルギー低下を視覚的かつ聴覚的に判別できるようになっていた。
相手の怪獣にとっては、このカラータイマー、何のことだかわからなかったかもしれぬが、ある意味非常に合理的な装置だと思える。
* * * 我々の社会においても、しばしばモウダメ!、モウ許して!などとギヴアップしたい、或いはギヴアップせざるを得ない局面を多々見受ける。
例えば威圧的な人に論破され執拗に責められたりした時。
このように精神的にしろ体力的にしろ自分のエネルギーがダウンしてしまった時に「カラータイマー」があれば、もう大丈夫!なのである。 日本人など特に自分に無理をさせ頑張っちゃいがちである。
重要な会議で不利な要求を突きつけられた時、笑顔で素直に要求を飲んでしまうと見えたA課長の「カラータイマー」が突然点滅した。ピコーンピコーンピコーン・・・。
ここのところ休日はずっと出勤し続けてロクに休みをとっていないB課長の「カラータイマー」が、ある日突然点滅し始めた。顔は元気そうであったが、もう少し無理をしていれば過労死するところであった。 ・・・などと言うように「カラータイマー」の効果は絶大である。 「カラータイマー」が一つだと精神的疲労なのか肉体的疲労なのかの判別がしにくい。
しかしカラータイマーが社会的に浸透するにつれ問題も浮上する。
それから、ある会社などでは始業何分も経たない内にほとんどの社員のタイマーがガンガン鳴り出してしまったなどと言う、ある種情けない会社も出た、などというニュースも流れたりする。 * * * 当然カラータイマーの色彩的美的側面に敏感な若者達は、自分のカラータイマーに装飾を施すようになる。
ピコーンピコーンという従来の原始的カラータイマー音では味気ない、とそのサウンド改良に目をつけた大手機器メーカーなどが、インターネットで音源のダウンロードも出来るカラータイマーサウンドダウンロードサービス略して「COTSDL(コッツデル)」を開始し始める。
これだけ浸透すると、新しいものには抵抗を示す人達も当然出て来る。
週刊誌では「最近のカラータイマー事情」や「あゆお薦めのとっておきカラータイマーコレクション」「ここに行けば安く手に入るカラータイマー」などの特集記事が組まれる。 「国会中継」はカラータイマー導入時から飛躍的に視聴率が伸びたりする。 一見うまく行ってるように見える街頭のカップルも片方のカラータイマーが鳴りっぱなし、なんてこともあり結構人間の本性が各地で暴かれるようになってくる。 こうしてカラータイマーは完全に生活に密着し、松任谷由実の「手のひらのカラータイマー」などのようにヒットソングの題材としても歌われるようになる。 やがてカラータイマーは海外にも輸出されるが、あるアフリカの飢餓の国でボランティアの方が現地の住民にカラータイマーを装着した所、点滅が鳴りやまなかった、などということが新聞記事で載ったりする。 * * * 次回は「嫌いな人間退治にはスペシウム光線導入」の巻をお送りする。
|