ボンかとや方式カレー屋分類について


  さてここで、世の中に存在するカレーライスの店をある程度分類してみようかと思う。これが結構難しい。どうやらグルメ本もなかなか苦労している。分類の基準はもちろん味が第一なのだが、案外ネーミングやラインナップでも分類できる。蕎麦屋は入れるとややこしくなるのでここでは除く。

カテゴリー1 
<特徴>日本ならではの産物。ベースは舶来でも味付けはオリジナル。ネーミングはたとえインド風でもビーフカレー、ポークカレーなどと和製になる。通常三大メニューはビーフ、チキン、野菜。

@カレー専門店(1)オリジナルインド風
Aカレー専門店(2)欧風
Bカレー専門店(3)オリジナル欧風
Cカレー専門店(4)オリジナル東南アジア風
D個性派(インド・欧風寄り)
E洋食レストランの味
F素朴な和製カレーの味


カテゴリー2 
<特徴>エスニック料理専門店。まさにその国の味を忠実に呈する。メニューは必ず二か国語表記で、ネーミングは必ず「アール・ゴビ」などと外来語になる。インドはごぞんじのように北と南でも大きなちがいがある。また家庭風、宮廷風といった微妙なちがいもある。またマレー料理というとF、G、Hの混合だったりして、ややこしい。

G純各国エスニック料理店(1)インドおよびインド近隣諸国(パキスタン、スリランカ、ネパール等)
H純各国エスニック料理店(2)タイおよび東南アジア諸国(タイ、ビルマ、ベトナム、ラオス、カンボジア等)
I純各国エスニック料理店(3)海洋国(インドネシア、バリ等)


 しかしこれでもさらにアナログな分類をしてあげないと、ウチはどこにも入りません、と怒る店も出てくるにちがいない。
 個人的には、カテゴリー1のカレー屋で食べることに喜びを感じる。カテゴリー1は、素材も味も他店にない新しいものを創造する使命を持っているので、時として名作が発明される。カテゴリー2の店々の使命は、本国の味を忠実に再現することなので、おいしいことはおいしいけれども案外と新作メニュー発明チャレンジ精神は低かったりするので、新しい出会いは期待できない。こういう店に行ったら、むしろカレーだけにこだわらずさまざまな料理全部を味わうことに専念したほうがいいのである。

(1998.1.5 Written by Katoya)


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