明治神宮探鳥会レポート 〜1999年12月


12月定例探鳥会:1999年12月19日(日) 8:30〜12:00
天候:快晴 気温:8℃ 湧水温:13.0℃
参加者33名(本殿通過時点)+担当6名

 昨年は80人を超える参加のあった12月。今年は快晴無風の絶好の気象条件に恵まれながら,参加者数は33人。はて?案内文が悪かった?
 参加者数はともかく,観察のほうはバッチリ盛りだくさんでした。冬場ですから鳥の話が中心になりますが,50羽を越えるオシドリや,人気の高い「青い鳥」(カワセミ,ルリビタキ)も観察され,満足度は高かったのでは?

 日だまりにサザンカの木が1本。満開の花にはメジロ。花を望遠鏡で見ると,蜜がキラッと光って見えます。たくさんあるんですね。ヤツデの花にも蜜が。雄花が咲いていました。雌花はまだ。(詳しいことはこちらを参照してください)
 日だまりで,地面に触ってもらいました。意外なほど暖かい。そこで温度計を取り出して,目の高さと地面すれすれの気温を測ってみると……目の高さでは4℃(午前9時)しかないのに,地面の近くは12℃を少し超えています。8℃以上も違うんですね。

 今日は小学生以下の子供が5人。鳥に対する興味が持ったのは,最初のほうのオシドリのところまで。あとは落ち葉やドングリで遊んだり,サイカチの実を探して遊んだり。サイカチは大きな「さや」を持った豆。これは子供たちに人気がありました。
 観察の最後に,観察したもののチェックと説明をしますが,おとなは詳しい説明が欲しいと言いますが,子供たちにとっては単なる待ち時間。おやおや?子供たちは落ち葉を集めて,落ち葉の山にダイビングしています。探鳥会参加経験の長い子がリーダーシップを取って,今日はじめて会った子も一緒になって……。いつの間にか,子供同士のコミュニティが出来ているんですね。今月は遊び道具があって良かった……。来月も遊びに来てね。

 明治神宮に限らず,最近はどこのフィールドでも,観察者のマナーの悪さに関する苦情が出ています。これは個人/探鳥会に関係ありません。特に明治神宮の場合,公園ではなく神域ですから,マナー指導には十分過ぎるくらい力を入れています。配布するパンフレットだけでなく,集合時にもかなりの時間を割いて,境内のきまりと,探鳥会としてフィールドを荒らさないためのルールの説明をしています。にもかかわらず,立ち入り禁止のある看板の前で,柵を超えて植え込みの中で望遠レンズを構える人がいて,あわてて注意し,戻ってもらいました。明治神宮探鳥会の場合,立ち入り禁止区域に侵入するのは,ほとんどの場合,カメラを持った人です。せめて,境内での基本的なルールは守ってほしいなぁ。ただでさえ明治神宮では野鳥撮影カメラマンは社務所や他の参拝客からの評判が悪いのだから。


今月の1枚

オシドリ。「お約束」ショットですね(笑)。


【観察した野鳥】
カイツブリ1,オシドリ54(♀22♂32),マガモ11(♀5♂6),カルガモ13,コガモ♀2,キジバト10,カワセミ2(♀1♂1),コゲラ5,キセキレイ2,ハクセキレイ4,ヒヨドリ50,モズ2,ルリビタキ2(♀1♂1),シロハラ4,ツグミ2,ウグイス3,ヤマガラ15,シジュウカラ20,メジロ20,アオジ3,シメ4,スズメ10,カケス1,ハシブトガラス50
(以上24種) 番外ドバト10

【観察した植物】
落ち葉……コナラ,クヌギ,エノキ,サクラ,イロハカエデ,ケヤキ,……
花……ヤツデ,サザンカ,チャ,シロダモ,……
実……マテバシイ,コナラ,シラカシ,サイカチ,イイギリ,ネズミモチ,ヒサカキ,……

【その他】
ムラサキシジミ,フユシャクの仲間,太陽黒点

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