明治神宮探鳥会レポート 〜1999年11月


11月定例探鳥会:1999年11月21日(日) 8:30〜12:00
天候:快晴 気温:13℃ 湧水温:13.4℃
参加者64名(本殿通過時点)+担当4名

 明治神宮で越冬する野鳥は,ほぼ出揃ったようです。オシドリも,北池だけで30羽を越えています。ほかに冬鳥としては,ルリビタキ,シロハラ,ツグミ,ウグイス,アオジ,シメ,カケス。冬に個体数の増えるヒヨドリやハクセキレイも賑やかになりました。アカゲラとツミも,冬に見られる確率の高い鳥です。

 今年はドングリが落下する時期がいつもより遅く,10月の探鳥会ではまだまだ,今月はちょっと出遅れたかな?という感じ。
 ドングリを見ていると,「これはどんな鳥が食べるんですか?」と質問が。そこで逆に質問,「このドングリをいちばんたくさん利用している生き物は何でしょう?」……すかさずニッパを取り出して,ドングリを割ってみると……いました,クリシギゾウムシの幼虫。この時期は,ゾウムシに食われたドングリが,やたらと多いのです。先月はヤマガラが喜んで食べていたエゴノキの種子。割ってみると,ここにもゾウムシの幼虫が。……でも,シジュウカラやヤマガラなら,虫も餌として利用できますからね……。
 日だまりにはタネツケバナやキツネノマゴ。
 サザンカにメジロが来るかと思って待ってみたけど姿を見せず,近づいて花を観察してみると,ハナアブにヒラタアブ,キンバエなど双翅目だらけ。彼らは寒さに強いですね。

 陽射しが暖かかったので,チョウも活動していました。多くは成虫越冬のチョウです。高い梢の上をウラギンシジミ。きらっと羽の裏が光ります。ムラサキシジミやヤマトシジミは羽を広げて太陽の光を集めています。そう言えば,ヤマトシジミは成虫で越冬しないのでは?頑張ってますね。

 社務所との信頼関係の問題もあるので,集合時にマナーの説明を徹底し,問題を起こさないように,との配慮。しかし,柵を越える人,立入禁止の森に踏み込む人,無くなりません。これはごく一般的なモラルの問題で,「観察者のマナー」以前のことではないでしょうか?最終的には,その都度注意を呼びかけるしかないようですが,あまり口うるさくなるのも……と,つい,遠慮がちになってしまいます。また,こういう人達の多くは,探鳥会スタッフよりも少なくとも20歳位は年上なので,なかなか注意するのも大変。年長者としての分別に期待したいところなのですが……。


今月の1枚
コムラサキシキブ
コムラサキシキブの実



【観察した野鳥】
カイツブリ1,コサギ2,オシドリ33(♀15♂18),マガモ16(♀7♂9),カルガモ7,ツミ1,キジバト2,カワセミ2,コゲラ6,アカゲラ1,ハクセキレイ4,ヒヨドリ100+,ルリビタキ1,シロハラ1,ツグミ4,ウグイス2,ヤマガラ15,シジュウカラ20,メジロ20,ホオジロ4,アオジ1,カワラヒワ1,シメ3,スズメ10,ムクドリ1,カケス2,ハシブトガラス50(以上27種)
番外ドバト10

【観察した植物】
[花]カタバミ,キツネノマゴ,ハキダメギク,イヌガラシ,タネツケバナ,イヌタデ,チャ,シロダモ,ヤツデ,サザンカ
[木の実,草の実]トチノキ,アカガシ,シラカシ,アラカシ,コナラ,クヌギ,スダジイ,ツブラジイ,マテバシイ,ケヤキ,イロハカエデ,トウカエデ,コムラサキシキブ,イイギリ,スミレ,チヂミザサ,ゴンズイ,イチョウ,クスノキ,ムクノキ,ケンポナシ
[シダ類]フユノハナワラビ
[キノコ類]ウチワタケ,カワラタケ,コフキサルノコシカケ,シジミタケ,

【観察した昆虫】
カネタタキ,アオマツムシ,アキアカネ,ヤマトシジミ,ウラギンシジミ,ムラサキシジミ,ハラビロカマキリ,ヒラタアブの仲間,ハナアブの仲間,ハエの仲間

【その他】
ジョロウグモ,太陽黒点

→資料室にもどる
→Home