明治神宮探鳥会レポート 〜2006年10月


10月定例探鳥会:2006年10月15日(日)8:30〜11:50
天候:晴 風:弱 気温:21℃(11時) 湧水温:
参加者33名(うち18歳未満1名)+担当4名

 外出には良い季節。好天にも恵まれましたが,参加人数は低調。この数年で半減しました。参加者数と担当の比率としては,良い感じではありますが……。

 10月は木の実,草の実の観察が多い月。ドングリだけで10種類。赤い実,黒い実,紫色の実。エゴノキの実を狙って,ヤマガラが来ていました。落ちているエゴノキの実を割ってみると,半数近くはゾウムシに食われています。エゴノキの実の最大の利用者は,このゾウムシでしょうね。ヤマガラは,虫に比べれば個体数は微々たるもの。貯食のために実を持ち去っても,エゴノキの落果量からすれば,それほど多くはないようです。

 各地で「秋の渡りが早め」との話を聞いていましたが,冬鳥はまだ現われず。渡りの途中であろうと思われるキビタキが,まだ居ました。
 ハシボソガラス,明治神宮では非常に珍しい記録です。
 エナガも滅多に都心に降りてこないので,これも「珍記録」の範疇か。

 見慣れない,小型のコオロギを発見。後で調べたら,ヒメオコロギのようです。鳴き声を確認してみたいけれど,明治神宮は夜間立入禁止だしなぁ……。(後で調べてみたところ,ヒメコオロギのようです)

 地味なチョウが多かったけれど,暖かかったので,チョウの観察記録も多め。
 ツマグロヒョウモンはすっかり,「普通のチョウ」になってしまいました。ここ数年,南方系のチョウが北上していると言う話題が多いのですが,そんな中で,北上していないチョウもあったりするので,単純に「温暖化」と結びつかないようです。理由は色々ありそうですが,まずは観察記録の積み重ね。そこから,どんな謎解きが出来るでしょうか。


今月の1枚

カツラの落ち葉。
カツラの葉は黄葉すると甘い香りがします。


【観察した野鳥】
カイツブリ1,カワウ3,キジバト1,コゲラ10,ハクセキレイ1,ヒヨドリ200,キビタキ2,エナガ2,ヤマガラ20,シジュウカラ20,メジロ20,スズメ20,カケス15,ハシボソガラス1,ハシブトガラス30
(以上15種)

【観察した植物】
花……ツユクサ,カタバミ,オオバコ,キツネノマゴ,イヌタデ,ミズヒキソウ,セイタカアワダチソウ,ハキダメギク,ヒヨドリバナ,ススキ,トキワハゼ,ウリクサ,

木の実,草の実……シラカシ,アカガシイチイガシ,アカガシ,ウバメガシ,クヌギ,コナラ,スダジイ,ツブラジイ,マテバシイ,イヌシデ,エゴノキ,ケヤキ,ムクノキ,イイギリ,ミズキ,シロダモ,クスノキ,ゴンズイ,ムラサキシキブ,ヒサカキ,チヂミザサ,タケニグサ,チカラシバ,ヤブミョウガ,

【観察した菌類】
 チチアワタケ,ホコリタケ,ヒメホコリ,カアラタケ,ウチワタケ,ノウタケ……

【観察した昆虫】
直翅目…モリオカメ,ツヅレサセコロギ,ヒメコオロギ?,カネタタキ,クサヒバリ,シバスズ,マダラスズ,アオマツムシ,ヒメコオロギ,サトクダマキモドキ
鱗翅目……キチョウ,モンシロチョウ,スジグロシロチョウ,ナミヒカゲ,ヤマトシジミ,ルリシジミ,ウラギンシジミ,ツマグロヒョウモン,ウラギンヒョウモン
蜻蛉目……アキアカネ,ノシメトンボ,
その他観察した昆虫……コガタスズメバチ,キイロスズメバチ,ツチバチの仲間

【その他観察したもの】
ニホンヤモリ(卵の殻),ザトウムシ,ジョロウグモ


→資料室にもどる
→Home