明治神宮探鳥会レポート 〜2005年12月


12月定例探鳥会:2005年12月18日(日)8:30〜11:30
天候:晴 風:強 気温:7℃(11時) 湧水温:
参加者41名(うち18歳未満2名)+担当5名


 寒い!
 真冬並みの寒気と季節風に見舞われ,晴天でもコンディションは良くありません。今年の参加人数は延べ397名。天候の良し悪しによる増減もありますが,参加人数の減少傾向が続いています。昨年は,悪天候で「開店休業」状態だったことが2回ありましたが,それでも513名の参加実績がありました。今年も雨天で人が集まらなかったことが2回あったので,条件的には毎年,そんなに大きく違わないのですが……。
 ちなみに2003年は483名,2002年は591名,2001年は605名となっています。

 まずは強風を避け,森の中へ。風が無いだけで,体感温度がだいぶ違います。東京都心の紅葉は年々遅くなる傾向にあり,11月の探鳥会では,まだ青葉も残っている状態でしたが,さすがに今月は,落葉樹の大部分が落ち葉。木に葉が残っているのは,コナラぐらい。落葉樹が葉を落とすときには,まず,葉の付け根に,水や栄養の行き来を遮断する「離層」が作られるのですが,コナラは離層の形成が悪く,紅葉が終わって枯れ葉になっても,枝に葉が残っていたりします。

 メジロの群れに会ったりしながら,北池へ。今年もオシドリが賑やかです。今年はマガモやカルガモの数も多く,なぜかキンクロハジロも1羽。2003〜04年の冬から3年連続で,雌が1羽,来ています。しかも,過去2シーズンとも,2月には観察されなくなっています。
 池の半分ぐらいに氷が張っています。12月にこれだけ池が凍るのは,最近では珍しい。

 上空には猛禽2種。冬になると猛禽が目立ちます。それを追いかけるカラスも目立ちますが……。

 イイギリの実がたくさん残っています。今年は木の実が豊富なのか,イイギリを食べに来る鳥が少ないのか……。

 カメムシが3種。ヨコヅナサシガメは幼虫で越冬,ツヤアオカメムシ,エサキモンキツノカメムシは成虫で越冬です。

 今年は冬鳥が少ない,と言う話を,あちこちで聞きます。昨年はかなりの数のシメが越冬しましたが,今月観察できたのは1羽だけ。例年なら,ツグミ,ルリビタキ,ジョウビタキ,ウグイス,シロハラなどが観察できるはずなのに,さっぱり見かけません。


今月の1枚

イイギリの赤い実がたっぷり。


【観察した野鳥】
オシドリ36(雌15雄21),マガモ21(雌9雄12),カルガモ10,キンクロハジロ雌1,オオタカ1,ノスリ1,キジバト5,カワセミ雌1,コゲラ5,キセキレイ1,ハクセキレイ2,ヒヨドリ30,ヤマガラ10,シジュウカラ5,メジロ20,アオジ1,カワラヒワ1,シメ1,スズメ40,ハシブトガラス80
(以上20種)

【観察した植物】
花……サザンカ,タネツケバナ,ヤツデ

木の実,草の実……コナラ,シラカシ,アカガシ,アラカシ,イチイガシ,スダジイ,マテバシイ,ケヤキ,イヌシデ,イイギリ,ムクノキ,エノキ,シロダモ,サイカチ,イロハカエデ,ヒサカキ,ムラサキシキブ,ヤドリギ,ヒヨドリジョウゴ,ヤブミョウガ

キノコ・菌類(同定できたものだけ)……カワラタケ,コフキサルノコシカケ

【観察した昆虫】
ツヤアオカメムシ,エサキモンキツノカメムシ,ヨコヅナサシガメ,ハラビロカマキリ

【その他観察したもの】
ニホンヤモリの卵の殻


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