明治神宮探鳥会レポート 〜2005年7月


7月定例探鳥会:2005年7月17日(日)8:30〜12:00
天候:晴 風:弱 気温:30℃(11時) 湧水温:
参加者39名(うち18歳未満7名)+担当4名


 いよいよ夏。
 例年,7月の探鳥会は,梅雨末期の大雨か,梅雨明けの猛暑のどちらかになることが多いのですが,今年は後者。大雨よりはずっと良いけれど,暑さ対策をしっかりする必要のあるシーズンに突入です。

 今月は「渋谷こどもネット」の情報紙に行事案内が転載されたこともあって,親子連れの参加が多くて,にぎやかです。久しぶりに平均年齢が下がった……。

 高温多湿の時期の「旬」の観察対象は?

 ……「冬虫夏草」の類,変形菌,各種キノコ類,腐生ランなど。実にバラエティに富んでいます。
 そして,夏と言えば昆虫の季節。セミ,トンボ,甲虫類……小さなものも丁寧に観察してゆくと,かなりの種類数になります。子どもたちは,「虫」と言うと,二言目には「カブト,クワガタ」を連発します。……確かに,明治神宮にはカブトムシは多いけど,カラスやアオバズクに食われてしまうのも多いので,死骸や脚だけが見つかったりすることが多くて……いや,それだけ自然が豊かだということでもあるのだ。カブトムシにこだわる子でも,トンボやバッタが怖くて触れなかったりして,なんか,偏っているなぁ……。セミ取り遊びとか,やらないのかな。

 ウワミズザクラの実が赤く熟していました。4月に房状の花をつけていましたが,もちろん実も房状。小さな実ですが,ちょっとだけ甘酸っぱい。果実酒にすれば,真っ赤なリキュールが出来ます。

 子どもたちからいちばん質問の多かった生き物は,「ザトウムシ」。腐葉土の多い森には,普通にいる生き物ですが,初めて見た子が多かったようです。クモのようでクモの仲間ではない。ダニに近い,とか言うと,引いてしまうかな。

 北池では,池の上はコシアキトンボ,岸辺にはシオカラトンボ,芝生の上にはウスバキトンボ。南池や菖蒲田のほうでは,オオヤマトンボやギンヤンマも飛んでいます。ぼちぼち,赤トンボも出てくる頃ですが,今年はまだ。

 野鳥の種類数は少ない季節ですが,夏の森は,生き物だらけ。どこを見ても,観察ネタに困らないのはいいけれど,観察に時間のかかること……。


今月の1枚

ササキリの幼虫


【観察した野鳥】
カワウ1,カワセミ1,コゲラ5,ツバメ5,ヒヨドリ3,ヤマガラ20,シジュウカラ10,メジロ10,スズメ30,ハシブトガラス30
(以上10種)


【観察した植物】
野草の花……マヤラン,タシロラン,ヘラオオバコ,キツネノマゴ,カタバミ,トウバナ,ネジバナ,ニガナ,オニタビラコ,ヤブミョウガ,ツユクサ,タケニグサ,ミズヒキソウ,イヌガラシ,トキワハゼ,イヌタデ

木の実……ウワミズザクラ

キノコ・菌類(同定できたものだけ)……クモタケ,アイタケ,イタチタケ,ウチワタケ,チチタケ,タマゴタケモドキ,テングタケ,ムラサキナギナタタケ,ニオウシメジ,ツノホコリ……

【観察した昆虫】
鱗翅目……ヤマトシジミ,モンシロチョウ,キチョウ,アオスジアゲハ,クロアゲハ,テングチョウ,ゴマダラチョウ
蜻蛉目……シオカラトンボ,コシアキトンボ,ウスバキトンボ,オオヤマトンボ,ギンヤンマ
半翅目……ニイニイゼミ,ヒグラシ,アオバハゴロモ
直翅目……オンブバッタ,ササキリ,ウスイロササキリ,クサキリ,シバスズ,マダラスズ
その他昆虫類……カブトムシ,アオオサムシ,ベニカミキリ,ナガゴマフカミキリ,キマワリ,オオヒラタシデムシ,クロウリハムシ


【その他観察したもの】
アズマヒキガエル,オオミスジコウガイビル,ニホンヤモリの卵,ミシシッピアカミミガメ(成体+卵の殻),イシガメ,クサガメ,ザトウムシ,オカダンゴムシ


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