明治神宮探鳥会レポート 〜2004年12月


12月定例探鳥会:2004年12月19日(日)8:30〜11:40
天候:晴 風:弱 気温:13℃(11時) 湧水温:15.5℃
参加者49名(うち18歳未満2名)+担当5名


 天気が下り坂の予報でしたが,午前中はなんとか晴れ間もあり,上々のコンディションで観察できました。お正月の3日間に300万人の参拝客のある明治神宮も,年の瀬は静かで,ゆっくりと観察が出来ます。

 集合場所近くでイカルの群れを観察。都心でイカルが観察されるのは珍しい。多摩地区では比較的普通に,雑木林で見られますが,20年ほど前にコゲラが都心に分布を広げたように,イカルも分布を広げる可能性はあるでしょうか?今後の動向をじっくり観察したいと思います。

 北池のオシドリも,かなり増えてきました。先月に続き,ホシハジロが観察されています。さらに,キンクロハジロも…。これらの潜水性のカモは,ある程度の深さのある池と,底生成物が必要なのですが,昨年の浚渫工事で池が深くなったのが関係しているのでしょうか?餌に関しては,餌付けされている可能性も高いので,池の生物叢に関係しない可能性もあります。
 ここ数年,南池にカモ類が少ないのですが,北池は賑やかです。

 宝物殿近くのサザンカの花が見事。メジロがちょこちょこ出入りしています。かれらの目は視細胞の上にフィルターの役割をするような「油球」があって,赤い花が目立って見えるようになっているのだとか……。そこで,透明なオレンジ色の下敷きを使って,簡易的にメジロの目をシミュレーションしてみました。なるほど,オレンジ色のフィルターを通すと,サザンカの花が浮き上がって見えてきます。

 秋が暖かかったせいもあり,落葉や紅葉が遅いようです。御苑のカエデも見事。イヌコリヤナギは,翌春の花芽が鞘から顔を出している脇に,今年の葉がまだ緑色のまま。不思議な雰囲気。

 御苑内,ヨコヅナサシガメの幼虫の集団越冬を確認。中国産の外来昆虫ですが,昨年も確認されていますから,すかkり定着してしまったようです。


今月の1枚

今月は,こんな素晴らしい紅葉を見ていたのです。
都心の紅葉は遅いですね。


【観察した野鳥】
オシドリ29(雌11雄28),マガモ12(雌4雄8),カルガモ6,ホシハジロ雄3,キンクロハジロ雌1,キジバト5,コゲラ10,ハクセキレイ2,ヒヨドリ50,モズ1,ルリビタキ3,ジョウビタキ雌1,シロハラ3,ツグミ7,ウグイス5,ヤマガラ10,シジュウカラ30,メジロ20,アオジ5,クロジ雄1,カワラヒワ10,シメ5,イカル14,スズメ3,ハシブトガラス50
(以上25種)
(チョウゲンボウらしき鳥1……きちんと識別できなかったので参考記録)
(番外ドバト5)

【観察した植物】
花……サザンカ,チャ,ヤツデ,シロダモ,

果実,種子……クロガネモチ,エノキ,アオキ,ヒサカキ,ケヤキ

冬芽……イヌシデ,イヌコリヤナギ,ミズキ,

【その他観察したもの】
ヨコヅナサシガメ,ヤドリギ


→資料室にもどる
→Home