明治神宮探鳥会レポート 〜2004年11月


11月定例探鳥会:2004年11月21日(日)8:30〜11:30
天候:晴 風:弱 気温:17℃(11時) 湧水温:15.8℃
参加者39名(うち18歳未満1名)+担当5名


 絶好の晴天,温暖,紅葉,冬鳥増加中,……これだけの好条件が揃えば,観察の楽しさは保証されたようなもの。……なのに,なんだか参加者が少ないですね。数年前なら,60人以上来ているでしょう。せっかく活字メディアにも開催案内が転載されたのに,それを見て来た人はゼロ。……探鳥会,ちょっと衰退中。これは明治神宮探鳥会に限ったことではありませんが……。
 まぁ,参加人数が少なければ,それだけ質の高い観察案内も出来るのだから,人数を稼ぐことが目的になってはいけませんけどね。

 北池周辺と御苑内は落葉樹が多いので,紅葉が楽しめます。北池の,イヌシデの黄色〜茶色の渋い紅葉の下には,オシドリがひっそりと。先月よりもだいぶ数が増えましたが,来月にはもっと増えるはず。ホシハジロが池にいたのは珍しい。渡りの時期に,とりあえず水面に降りましたぁ!と言う印象です。真冬には居なくなっていると思います。
 冬鳥もかなり出揃ってきています。今年もカケスが来ました。ひと冬居てくれるでしょうか?また,トラツグミの羽を拾いました。多分,越冬すると思いますが,なかなか見つからない鳥なので……。

 カツラの落葉が香ります。毎度おなじみ,「何の匂いに似ている?」と質問。その答えは,「カルメ焼き」説がいちばん多く,お醤油風味の食べ物の匂いと答えた人が,それに次いで多かった。子どもに聞くと,「わたあめ」説が多いのですが,この辺から参加者の年代を想像してみてください。

 天気が良いので,猛禽がよく飛びます。こんな日は,上昇気流を読みやすいのでしょう。カワウも随分と高い空を飛んでいたけど……。

 昆虫観察はいよいよ終盤。気温が高いので,コオロギ類が少し見つかります。ムラサキシジミ,ルリタテハは成虫越冬するチョウ。来年の春までよろしく!

 キノコも晩秋に発生する種類や,越年する固いキノコなどが多く,シーズン最後,と言う感じ。10月末に真っ赤なカンゾウタケを見つけたのですが,探鳥会開催日にはもう,すっかり色が悪くなって,これでは「肝硬変」です(笑)。


今月の1枚

ホシハジロは明治神宮では珍しい。
昨年,北池の浚渫をしたのが影響したのでしょうか?
真冬まで居残るかどうか,ちょっと注目です。


【観察した野鳥】
カワウ1,オシドリ15(雌6雄9),マガモ5(雌2雄3),カルガモ2,ホシハ ジロ雄2,オオタカ2,ツミ1,キジバト2,コゲラ5,ハクセキレイ3,ヒヨドリ100,ジョウビタキ2(雄1不明1),ツグミ2,ウグイス5,ヤマガラ10,シジュウカラ15,メジロ30,ホオジロ2,カシラダカ10,アオジ3,カワラヒワ1,シメ5,スズメ30,カケス1,ハシブトガラス50
(以上25種)
(同日探鳥会開催外の参考記録……シロハラ1,ミソサザイ1,ムクドリ1)
(番外ドバト5)

【観察した植物】
花……サザンカ,キツネノマゴ,ヤツデ,シロダモ,ハキダメギク

果実,種子……クロガネモチ,エノキ,アオキ,ムクノキ,イヌビワ,イイギリ,ゴンズイ,チヂミザサ,イヌタデ,スダジイ,ツブラジイ,コナラ,シラカシ,アラカシ,ウバメガシ,アカガシ,マテバシイ,

【観察した菌類】
ウチワタケ,カワラタケ,スエヒロタケ,シジミタケ,カンゾウタケ,アラゲキクラゲ,ヒトヨタケsp.,サルノコシカケ科sp.

【観察した昆虫】
ヤマトシジミ,ムラサキシジミ,ルリタテハ,シバスズ,カネタタキ,モリオカメ,アオマツムシ


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