明治神宮探鳥会レポート 〜2004年10月


10月定例探鳥会:2004年10月17日(日)8:30〜11:30
天候:晴 風:やや強 気温:19℃(11時) 湧水温:16.0℃
参加者38名(うち18歳未満2名)+担当5名


 久々に晴れた日曜日!……なのに,参加者は少なめ。直前に東京新聞への情報転載もあったと言うのに,新聞を見て参加した人はゼロ。……なんか,このところ人の動きは低調ですね。
 でも,人が少ないなりに観察会としての質は向上するし,こういう日に限って,面白いものが見つかったりするものです。この人数なら担当5人で余裕です。リラックスムードで出発!

 早速,すごい物を見つけました。ザラエノハラタケ。何がすごいって,見渡す限り,延々と続くキノコの行列……「菌輪」と言う生え方なのですが,それが年を経るごとに,キノコの生える帯の環が拡大し,ざっと見渡しただけでも100本,いや,200本以上は生えているようです。
 ザラエノハラタケの「森」の近くに,どう見てもヒラタケと思われるキノコ。探鳥会では初観察か?季節的にも,ヒラタケは晩秋〜初冬のキノコですから,この時期に生えていて問題は無い。以前,マイタケが発生したこともあるのですが,この手の食用菌は,市販のキノコの胞子が,たまたま「野生化」した可能性もあるので,どうしてここに発生したのか,良く分かりません。

 池にはオシドリとマガモが到着していました。まだまだ数が少ないですね。オシドリは銀杏羽がまだ伸びきっていません。マガモも換羽中で変な色をしていました。上空をオナガガモが通過。冬鳥が着々と増えてきています。
 通過中の渡り鳥も見られています。ノビタキとキビタキ。この時期に見られるカケスも,おそらく通過中の個体でしょう。キビタキは担当者しか確認していないので,「参考記録」に入れています。また,ヒヨドリの数が非常に多く,「渡り」の時期であることが考えられます(ヒヨドリもかなりの個体が「渡り」をします)。

 台風でサイカチの木が倒れました。毎年,サイカチの実を振って遊んでいたのですが,ひとつ,観察ネタが減ってしまいそうです。

 昆虫がたくさん観察できるのも,今年はこれで最後?
 ちょっと珍しかったのは,リスアカネ。都心で見られる赤トンボの中では,比較的少数派の種類です。赤トンボの識別はけっこう面倒で,ナツアカネとアキアカネ,ノシメトンボとコノシメトンボなど,胸の側面にある模様の,微妙な違いで識別しなくてはいけません。リスアカネも,翅の先が褐色になる,ノシメトンボ風のものがいたり,翅がほとんど透明な,アキアカネ風のもいますので,飛んでいる状態では,識別困難です。じっくり捕獲して観察すれば,もっと見つかるのかも知れません。
 オオミズアオの蛹化直前の幼虫が見つかりました。天蚕類独特の,むちむち太った芋虫。参加者よりもスタッフのほうが喜んでいたような……。

 先月干上がりかかった清正井。今月は復活しました!


今月の1枚

今回は大きな画像です。
なぜ大きいか?……見渡す限り,ザラエノハラタケが!
これは「菌輪」を作っていて,その半分ぐらいしか写っていません。


【観察した野鳥】
オシドリ3(雌0雄3),マガモ雄1,カルガモ1,オナガガモ雄1,トビ2,キジバト3,カワセミ1,コゲラ2,ハクセキレイ2,ヒヨドリ100,ノビタキ2,エゾビタキ1,ヤマガラ20,シジュウカラ20,メジロ30,スズメ30,カケス3,ハシブトガラス40
(以上18種)
(同日探鳥会開催外の参考記録……キセキレイ1,キビタキ1)

【観察した植物】
花……チャ,サザンカ,キツネノマゴ,カタバミ,ウリクサ

果実,種子……チヂミザサ,チカラシバ,カゼクサ,エノコログサ,ゴンズイ,イイギリ,サワフタギ,ヒサカキ,エノキ,クスノキ,ムクノキ,ムラサキシキブ,コナラ,クヌギ,スダジイ,ツブラジイ,シラカシ,アカガシ,アラカシ,イチイガシ,ウバメガシ,マテバシイ,イヌシデ,イロハカエデ

【観察した菌類】
モミジウロコタケ,ザラエノハラタケ,ホコリタケ,ノウタケ,ニガクリタケ,ヒラタケ,カワラタケ,ウチワタケ,スジオチバタケ,シロハツモドキ

【観察した昆虫】
ナミアゲハ,モンシロチョウ,ムラサキシジミ,ウラギンシジミ,ヤマトシジミ,ルリタテハ,オオミズアオの幼虫,リスアカネ,アキアカネ,ナツアカネ,ウスバキトンボ,オオスズメバチ,クロスズメバチ,ツチバチの仲間,ツヅレサセコオロギ,オカメコオロギ(モリオカメ),カネタタキ,アオマツムシ

【その他観察したもの】
ジョロウグモ,ザトウムシ,ニホンヤモリの卵の殻


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