明治神宮探鳥会レポート 〜2003年1月


1月定例探鳥会:2003年1月19日(日)8:30〜11:30
天候:曇 風:弱 気温:8℃(11時) 湧水温:未測定
参加者49名(うち18歳未満6名)+担当4名


 新年の探鳥会。気分も少し,新たに。
 …とは言うものの,自然界には「新年」は,あまり関係なかったですね(明治神宮の場合は初詣の影響があるかも知れませんが)。

 探鳥会の観察コースは,メインの参道を少し外れている場所を歩くので,この季節,とても静かです。立ち止まれば,聞こえるのはヒヨドリやカラ類の声。……おや?ルリビタキの声も,遠くから聞こえています。落葉したケヤキの幹では,光を得たヤドリギが元気。黄色い見も見つかりました。

 北池ではオシドリが50羽ほど。でも,水面に出てきている個体は少なめ。かなりの雌がペアを決めている様子。先月に比べると,雄同士の争いもずっと少なく,落ち着いた雰囲気。池の近くでコサギの羽を発見。しかも骨付き。食べ方から見て,野良猫に襲われたようです。
 宝物殿の近くにジョウビタキのなわばりが出来ています。芝生の中に,フユノハナワラビの胞子体を発見。ハナワラビはスギナと同様,栄養体(葉に相当)と
胞子体(種子植物で言えば,花のようなもの)を別々に作ります。それにしても,真冬に胞子を飛ばすと言うのは,生存戦略上,どんなメリットがあるのでしょう。

 本殿は参拝者の数も通常通りの状態に戻っています。なにしろ,三が日で年間参拝客の1/3を受け入れてしまうのだから,すごいですね。

 御苑内ではヤマガラへの餌付けをする来訪者がいます。都区内の公園はもちろん,あちこちで,撮影目的で餌を撒く事例が見られます。手に乗るほど慣れてしまっているのは,ちょっと……。生き物の生態に出来るだけ影響を与えないと言うのが,探鳥会のポリシーですから,我々は餌付け自粛中です(参加される皆様も,この点を御理解のうえ,御協力願います)。南池は部分的に結氷。コサギが飛来。……突如,大量のオシドリも飛来。北池に猛禽が現れて,逃げてきたのかも知れません。(実際,解散後に猛禽を見かけました)

 今シーズンはヒワの仲間がたくさん観察されています。今月も,カワラヒワの群れが見られたり,アトリが見られたり。

 冬芽にも注目。イヌコリヤナギは鱗芽の中から,ちょっとだけフワフワの花芽がのぞいています。これから,2月,3月と続けて観察すると,冬芽がどんどん膨らむのが分かって,楽しみ。


今月の1枚

落ち葉の中から見つけたのは……
アオオサムシの翅。
冬になっても,夏の美しさのまま。


【観察した野鳥】
コサギ1,オシドリ52(雌20雄32),マガモ11(雌4雄7),カルガモ1,キジバト20,コゲラ30,ハクセキレイ2,ヒヨドリ20,ルリビタキ5,ジョウビタキ1,シロハラ3,ツグミ5,ウグイス1,ヤマガラ25,シジュウカラ20,メジロ30,アオジ3,アトリ13,カワラヒワ100,シメ20,スズメ30,ムクドリ20,ハシブトガラス50
(以上23種)
番外ドバト10,ワカケホンセイインコ5
解散後ノスリ1,トラツグミ1

【観察した植物】
花……サザンカ,タネツケバナ
冬芽……カラスザンショウ,ミズキ,エノキ,イヌシデ,イヌコリヤナギ……
キノコ……カワラタケ,スエヒロタケ,コフキサルノコシカケ
その他……フユノハナワラビ,ヤドリギ,サイカチの実

【その他観察したもの】
アオオサムシの翅


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