明治神宮探鳥会レポート 〜2001年12月


12月定例探鳥会:2001年12月16日(日)8:30〜11:30
天候:晴時々曇 気温:8℃(11時) 湧水温:
参加者45名(うち18歳未満5名)+担当7名

 真冬並みの冷え込み!……って,もう12月ですから,寒くてあたりまえだと思わなくては……。冬は都会でもしっかりと野鳥観察のできる季節。しかも明治神宮なら,オシドリも楽しめるとあって,人気があります……少なくとも7,8年前までは,そうでした。しかし最近は,冬場に参加者が増えることも無く,特に年末である12月は,落ち着いた雰囲気です。
 ……と言うよりも,正直,参加人数ジリ貧です。
 いくらか話を聞いて回ってみましたが,初参加の人もリピーターの人も減っていますね。マスメディアの効果もさほど感じません。
 そんな中で,インターネット経由で情報を得て参加した(&継続して参加している)人が,確認しただけで6人いました。参加者の10%超です。


 さて,本題に戻ります。
 前日ほどの強風でなくて,助かりましたが,気温はしっかり下がっています。代々木の駅前では水たまりが凍るほどではなかったのに,北池には薄い氷が出来ていました。また,芝生広場には長さ4,5cmの大きな霜柱。都心では珍しいかも。市街地と緑地の間で,微妙に気候が違うのも興味深いことです。霜柱を踏むのって,いまどきの東京の子供たちにとっては,新鮮なことかも知れません。大人たちが霜柱のある場所に着いた頃には,子供たちに踏みつけられて粉々になっていました(^_^;)。

 池にはオシドリがたくさん。相変わらず雄のほうが多いですね。繁殖期の羽が生え揃っていない雄が2羽いました。

 芝生広場の片隅にあるサザンカは満開。花の中に蜜がきらっと光ります。もう少し暖かければ,ハナアブとか出てくるんでしょうけど,今回はハエだけ。

 カラスザンショウの葉痕。顔みたいな形で,いろいろな表情があります。よく見ると,ずっと昔の葉痕まで遡れるんです。

 木の実,草の実もいろいろ観察。コナラの実は地面に落ちるとすぐ発芽するので,目の出たドングリがたくさん見つかります。イヌシデやトウカエデなど,羽のついた種子は,風に乗ってクルクル回りながら,良く飛びます。……この回り方,何かに似ているような,と思ったら,鳥の風切羽も,投げるとクルクル回って,よく風を捉えることを思い出しました。……なんとなく似てると思いませんか?

 サイカチの実。鞘は長さ30cmを超える大きいものだけど,豆は小さめ。良く乾燥していて,振るとマラカスみたいに音が出ます。その近くでゲンノショウコの種も観察……いや正確には,種を飛ばした後の実,でしたね。

 ルリビタキの成熟した雄を,ちらっと見かけました。ルリビタキの雄は,3シーズンぐらい冬を越さないと,ブルーの成鳥のの羽の色になりません。…と言うことは,少なくとも3歳ぐらいなんでしょうね。

 久し振りにアカゲラを観察。明治神宮ではコゲラ,アカゲラ,アオゲラと3種類のキツツキが観察されますが,アカゲラが一番少なく,探鳥会でお目にかかれるチャンスが少ないのです。

#ヤマガラが餌付けされています。最近では撮影目的だけでなく,個人の楽しみとして餌を撒く人もいるようです。鳥が近くで見られるのは嬉しいことですが,餌付けは自然環境にインパクトを与える行為ですから,大々的に勧めるわけにもゆきません。


今月の1枚

ゲンノショウコの実。


【観察した野鳥】
アオサギ1,オシドリ64(♀22♂22),マガモ10(♀4♂6),ノスリ1,キジバト5,カワセミ2(♀1♂1),コゲラ3,アカゲラ1,キセキレイ2,ハクセキレイ1,ヒヨドリ50±,ルリビタキ3,シロハラ3,ツグミ3,ウグイス3,ヤマガラ6,シジュウカラ20+,メジロ30+,アオジ5,シメ3,スズメ50±,ムクドリ3,カケス1,ハシブトガラス100±
(以上24種)
集合前等の参考記録 オオタカ1,ジョウビタキ1,カワラヒワ1  
その他参考記録 ドバト13

【観察した植物】
花……イヌガラシ,タネツケバナ,トキワハゼ,サザンカ,ヤツデ,

木の実・草の実……マテバシイ,スダジイ,コナラ,アカガシ,シラカシ,アラカシ,イイギリ,アオキ,サイカチ,ケヤキ,イヌシデ,トウカエデ,イロハカエデ,ヘクソカズラ,ゲンノショウコ

冬芽や葉痕……ミズキ,カラスザンショウ,ニワトコ,ムラサキシキブ,

落ち葉いろいろ

【その他観察したもの】
氷,霜柱,サザンカに来たハエ,クヌギの葉の裏の虫こぶ,太陽黒点……


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