明治神宮探鳥会レポート 〜2001年7月


7月定例探鳥会:2001年7月15日(日)8:30〜11:30
天候:晴 気温:31℃(11時) 湧水温:15.0℃   
参加者32名(うち18歳未満8名)+担当7名

 早い梅雨明け。東京はすっかり乾燥しています。暑い日には水辺や木陰の多い明治神宮探鳥会は,比較的楽なのですが,しばらく雨も降っていないし……。今月は参加人数も少なめ。でも,毎日新聞に掲載された情報を見て参加した人もちらほら。子供の人数はいつも通りです。夏になると虫などの観察が増えるので,子供たちの興味を引くものが増えますね。

 暑いので,すぐに森の中へ。森の中も乾燥気味。キノコもあまり出ていませんが,クモタケやオサムシタケはたくさん出ています。栄養源が違うから,この程度の乾燥には負けないのかな?
 ヒバカリの幼蛇をチラッと見かけました。

 水辺はトンボの天下。コシアキトンボのオスがなわばり争いをしています。池からちょっと離れた林の中には,未成熟のコシアキトンボもいました。成熟して水面へデビューするのも間近でしょう。北池周辺にはショウジョウトンボやウスバキトンボ,シオカラトンボ,オオシオカラトンボがいました。南池にはコシアキトンボとチョウトンボ,菖蒲田にはオオシオカラトンボとオニヤンマ。水辺の環境が違うと,飛んでいるトンボが少しずつ違っています。

 芝生広場は暑かったけど,舗装道路よりはまし。芝生の中からマダラスズ,シバスズなどのコオロギ類の声が聞こえます。バッタもいくつか発見。

 再び森に入ったところで,巨大なクワガタ。どう見ても国内産ではない。東南アジア産のオオヒラタクワガタのようです。何を意図して森に逃がしたのかは分かりませんが,外来の生きものを自然環境中に放すのは,生態系へのインパクトが懸念されます。良くないことです。しっかり回収させていただきました。

 好天に恵まれ,チョウはいろいろと見つかりました。森の中にはルリシジミが休憩中。華やかなのはアゲハの仲間。アオスジアゲハの数が多く,鮮やかな水色が目を引きます。明治神宮はアオスジアゲハの食草であるクスノキ科の木が多いので,アオスジアゲハが目立つような気がします。

 クモにも注目してみました。小さなコガネグモ科のクモをいくつか観察。ジョロウグモもまだ小さいですね。クモの造形もさることながら,網も面白い。ヨツデゴミグモの渦巻形の隠れ網(飾り網)も面白いものでした。

 これだけ乾燥していても,湧水量は十分の清正井。森の保水力の賜物です。しかも,水温は15℃。ちょっと涼を取るには,冷たすぎるくらいの清水。

 解散場所の近くでは,ヤマガラの若鳥とハシブトガラスの若鳥の甘えた声が,よく聞こえていました。



今月の1枚

木陰にクロアゲハ。夏は虫の季節…


【観察した野鳥】
キジバト3,カワセミ1,コゲラ5,ツバメ4,ハクセキレイ1,ヒヨドリ7,ヤマガラ8,シジュウカラ15,メジロ12,スズメ10,ムクドリ5,ハシブトガラス30
(以上12種)
番外ドバト3

【観察した花】
ハエドクソウ,オニタビラコ,ハキダメギク,マヤラン,カタバミ,ツユクサ,トキワハゼ,イヌガラシ,ジャノヒゲ,カラスウリ,ヒヨドリバナ,ニワゼキショウ,キツネノマゴ,ミズヒキソウ,ヤブカンゾウ

【キノコ類】
オサムシタケ,クモタケ,ウチワタケ,カワラタケ,コフキサルノコシカケ,キクラゲ,スエヒロタケ

【昆虫】
チョウ:ナミアゲハ,クロアゲハ,アオスジアゲハ,ウラギンシジミ,ヤマトシジミ,モンシロチョウ,スジグロシロチョウ,キチョウ,ルリタテハ,ヒメウラナミジャノメ,イチモンジセセリ

セミ,カメムシの仲間:ニイニイゼミ,ヒグラシ,アオバハゴロモ,アメンボ

甲虫:アオオサムシ,オオヒラタシデムシ,カブトムシ(死骸),マメコガネ,オオヒラタクワガタ,

トンボ:コシアキトンボ,シオカラトンボ,オオシオカラトンボ,ショウジョウトンボ,ウスバキトンボ,オニヤンマ,チョウトンボ,アオイトトンボ

バッタ,コオロギの仲間:オンブバッタ,ショウリョウバッタ,マダラスズ,シバスズ,ツヅレサセコオロギ(幼虫),モリオカメ(幼虫),ウスイロササキリ

その他昆虫類:シオヤアブ,ウスバカゲロウ(幼虫)

【クモ類】
ジョロウグモ,ムツボシオニグモ,ギンメッキゴミグモ,ギンナガゴミグモ,ヨツデゴミグモ,キシノウエトタテグモの巣

【その他観察したもの】
アズマヒキガエル,イシガメ,クサガメ,スッポン,ミシシッピアカミミガメ,ザトウムシ,オカダンゴムシ,ヒバカリ,マイマイの仲間何種類か

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