明治神宮探鳥会レポート 〜2001年5月


5月定例探鳥会:2001年5月20日(日)8:30〜12:00
天候:快晴 気温:25℃(11時) 湧水温14.0℃  
参加者61名(うち18歳未満12名)+担当7名

 朝から絶好の天気。紫外線対策と暑さ対策が必要な晩春。面白いものが見つかりそうな予感……。
 先月は朝日新聞に開催案内が転載されて賑やかでしたが,今月もなかなか。前月and/or前々月にも参加したというリピーターが少なく,初参加,もしくはそれに近い人が1/3ぐらい。特徴的だったのは,子供の数。参加者全体の約2割で,とっても賑やか。

 鳥は子育ての季節。コゲラ,ヤマガラ,シジュウカラ,メジロなどの子連れが観察できました。ヤマガラの子は,あの,トレードマークの栗色の胸が,淡い黄色で,ほんとに巣から出てきたばかりと言う感じでした。コゲラも木の上で親から餌をもらっていました。連休の頃までは,いろいろな「山の鳥」が通過中で,キビタキやアカハラ,センダイムシクイなどの声が聞こえていましたが,もう,彼らは北上してしまいました。御苑内でウグイスの「ホーホケキョ」が聞こえましたが,ウグイスも間もな
く去ってしまうのでしょう。池には何故かオオヨシキリ。水辺の草原の無い明治神宮でなぜ?……恐らくこの鳥も通過中の「立ち寄り」なのでしょうね。

 春の花は終盤戦。木の花が何種類も匂います。概して,4月の探鳥会で見られる木の花は風媒花。5月に見られるものは虫媒花なので,今月は,虫を誘う花が多く,花の香りが強いというわけ。カシの仲間やクスノキの仲間は,新芽を出しながら落葉中。ちょうど,常緑樹の「紅葉」の季節なんですね。
 芝生広場にはニガナのお花畑。ヘラオオバコも花穂がニョキニョキ。ハハコグサ,チチコグサ,ウラジロチチコグサ,チチコグサモドキと,チチハハ入り乱れて開花中。トウバナも5月が旬です。

 虫もいろいろ活動開始。
 森の地面にはオオヒラタシデムシ,アオオサムシなどの地上性昆虫がウロウロ。子供たちが,脚の長さを入れても1cmぐらいしかない,ザトウムシの幼体を見つけてきました。アリジゴクの穴もいっぱい。こう言う小物は,子供たちがどんどん見つけてくれます。チョウの種類も増えてきました。まだまだ「春型」のチョウが多いようです。

 今回の新発見は,ヤモリの卵。明治神宮探鳥会では初めて観察しました。今まで,どうして見つからなかったんだろう……。

 来月はいよいよ水の季節。ヒキガエルはちゃんと育っているでしょうか?イキモノ何でも屋の明治神宮探鳥会も,いよいよ本領発揮です。


今月の1枚

ヤモリの卵。この近くに,さらに何個か見つけました。


【観察した野鳥】
カルガモ2,ツミ1,キジバト2,カワセミ1,コゲラ20,ツバメ3,ハクセキレイ1,ヒ
ヨドリ10,ウグイス1,オオヨシキリ1,ヤマガラ20,シジュウカラ30,メジロ20,ス
ズメ10,ムクドリ8,ハシブトガラス50
(以上16種)
番外ドバト5

【観察した植物】
草の花……キランソウ,トウバナ,ムラサキサギゴケ,サギゴケ,トキワハゼ,オオ
イヌノフグリ,タチイヌノフグリ,セイヨウタンポポ,カントウタンポポ,ニガナ,
ハナニガナ,オニタビラコ,ヤブタビラコ,ハルジオン,ヒメジョオン,オオジシバ
リ,ハハコグサ,チチコグサ,ウラジロチチコグサ,チチコグサモドキ,ノゲシ,
キュウリグサ,ハナイバナ,ヘビイチゴ,スカシタゴボウ,スミレ,コナスビ,ヨツ
バムグラ,ミミナグサ,ニワゼキショウ,チリーアヤメ,

木の花……スダジイ,エゴノキ,コムラサキシキブ,クスノキ,シラカシ,アカガ
シ,アラカシ,マテバシイ,

その他……アカマツ(つぼみ,実),スダジイ(実),アオキ(つぼみ,実),ニワ
トコ(つぼみ),ウグイスカグラ(つぼみ)

【キノコ類】
カワラタケ,シジミタケ,ハリガネオチバタケ,

【昆虫】
チョウ……アオスジアゲハ,クロアゲハ,カラスアゲハ,ナミヒカゲ,キマダラヒカ
ゲ,コジャノメ,ヤマトシジミ,モンシロチョウ,スジグロシロチョウ,ルリタテ
ハ,
甲虫……アオオサムシ,オオヒラタシデムシ,ゴミムシの仲間,
その他……ツマグロオオヨコバイ,アオカメムシ,アオクサカメムシ,アカスジキン
カメムシの幼虫,カイガラムシの仲間,シャクガの幼虫,クマバチ,トラマルハナバ
チ,ヒラタアブの仲間,

【その他見つけたもの】
ヤモリの卵,ザトウムシ,スッポン(笑…)

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