明治神宮探鳥会レポート 〜2000年12月


12月定例探鳥会:2000年12月17日(日)8:30〜11:30
天候:晴ときどき曇 気温:11℃(11時) 
参加者41名(うち子供8名)+担当6名

 いよいよ今世紀最後(笑)の明治神宮探鳥会。いや,明治神宮の生き物たちにとっては,世紀末なんて関係無いですから,いつも通りに探鳥会をやりますよ。

 まだ,ところどころ紅葉が残る森の中。道は落ち葉でいっぱい。それを林苑担当の方が集めて,森に返しています。捨てればゴミ,森に返せば大切な土になってくれます。
 穴のあいたドングリが目立ちます。中身は空っぽ。あの穴は,シギゾウムシの仲間の幼虫が出ていった跡。彼らはドングリから出て,蛹になります。カエデの仲間やイヌシデ,ケヤキなど,小さな種をつけた実が落ちています。拾って投げてみると,風に乗ってクルクル良く回ります。ひとしきり子供たちに遊んでもらった後,イヌシデの実から種子をはずして,上手く飛ぶかどうか,試してもらいました。種子の重さとの絶妙なバランス……。
 森の下には鳥の糞がたくさん落ちているところがあります。見上げても何もいません。ここは「ねぐら」の木です。糞をつついて中身を見て,どんな鳥がいたのか,推理してみます。森の木の間には,シジュウカラやメジロが,小さな群れを作っているのが見えます。木の上のほうにはヒヨドリ。もっと上にはハシブトガラスが,かなりの数。

 池にはオシドリが30羽ほど。毎年,オスのほうが多いのはなぜ? マガモは比較的,「男女比」が1:1に近いことが多いのに…。今月はキンクロハジロがいました。多分,移動中の個体だと思います。

 芝生広場でぼーっと立っていると,遠くからシメの声,ツグミの声。芝生の上のハクセキレイも,少しずつ数が増えてきました。これが,明治神宮の冬の風景。
 カラスザンショウの葉もすっかり落ちて,葉のついていた部分が顔のように見えます。よく見るといろいろな表情があります。笑っているように見えるのや,ウインクしているように見えるのも。昔は「E.T.の顔!」と言うと,受けたんですが,いまの子供は,あの映画よりも後に生まれた子だし……。

 御苑内では,ルリビタキやアオジは声だけの観察。カワセミ,コサギ,ヤマガラなどをゆっくり観察しました。冬鳥の種類は多かったのですが,なかなか,観察しやすいところに出てくる個体はいません。これは,来月以降のお楽しみとしましょう。


今月の1枚

御苑の池には,まだ紅葉が残っていました。


【観察した野鳥】
カイツブリ1,コサギ1,オシドリ30(雌10雄20),マガモ12(雌5雄7),カルガモ4,キンクロハジロ2(雌1雄1),キジバト6,カワセミ1,アオゲラ1,コゲラ6,キセキレイ1,ハクセキレイ4,ヒヨドリ30,モズ1,ルリビタキ1,シロハラ1,ツグミ5,ウグイス1,ヤマガラ15,シジュウカラ20,メジロ20,アオジ3,カワラヒワ4,シメ1,スズメ8,ムクドリ10,ハシブトガラス60
(以上27種)
番外ドバト10,ワカケホンセイインコ5


【観察した植物】
花…タネツケバナ,ハキダメギク
実,種子…コナラ,クヌギ,スダジイ,ツブラジイ,マテバシイ,シラカシ,アカガシ,アラカシ,ウバメガシ,シロダモ,イヌシデ,アカシデ,エノキ,ケヤキ,ミズキ,ゴンズイ,トウカエデ,イロハカエデ,ヘクソカズラ,チヂミザサ,……


【昆虫】
フユシャクの仲間,ツノカメムシ

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