明治神宮探鳥会レポート 〜2000年11月


11月定例探鳥会:2000年11月19日(日)8:30〜12:00
天候:曇 気温:10℃(11時) 
参加者51名(うち子供8名)+担当6名

 寒い!この秋いちばんの冷え込みで,北関東では霜の便りも。ヒートアイランドで気温の高い都心部でも,最低気温は10℃を大きく割り込みました。木枯らしの吹く中,集合時刻までに集まったのは30人ほど。森の中で風をしのぎながら,観察を始めます。

 紅葉は盛りの木もあればまだの木もあり,1週間後ぐらいがベストでしょうか?ケヤキの実,トウカエデの実,イロハカエデの実,イヌシデの実など,風で飛ぶ種子が目立ちます。ドングリはほとんど木に残っていません。地面に落ちたドングリには,シギゾウムシの仲間が開けた穴が目立ちます。カツラの黄葉の匂いをかいでみます。ちょっと甘い匂い。人によっては,「お砂糖と醤油をからめたおせんべいの匂い」,「カルメ焼きの匂い」,「キャラメルの匂い」……いろんな感想が出てきました。
 木の上のほうにヒヨドリの群れ。先月よりも個体数は少ないようですが,夏よりずっと数が多くて目立ちます。シジュウカラやメジロは,あまり大きな群れになっていません。家族単位で行動中?
 森の上空でツグミの仲間の声。種類は分からないけど,「晩秋〜冬の声」ですね。

 クヌギの落ち葉に,直径2mmぐらいの小さな虫こぶが見つかりました。タマバチ?タマバエ?一体何の虫なんだろう?春先に見られる,頂芽や花芽につく虫こぶと,大きさは違うけど,形は良く似ています。

 北池では,カワセミが近くで見えました。同じ池にオシドリも30羽ぐらい。綺麗な鳥が現われると盛り上がります。風が強いので,あまり広いところには出てきませんが,あまり動かないので,ゆっくり観察できました。
 御苑の池では,スイレンの葉の上をキセキレイが歩いています。なかなか面白い。でも,この時期にスイレンの葉が残っているとは……。池の奥ではコサギがのんびり採餌。サギ類は警戒心が強いことが多いのですが,今日は肉眼でゆっくり観察できました。
 ヤマガラに餌付けする人が来ていました。撮影目的の人もいれば,餌付けを楽しみにしている人もいるようです。道端に,大量にヒマワリの種が散乱しています。野鳥は春になれば餌に寄り付かなくなってしまいますが,サルやシカの餌付けによる生態系の破壊が問題になっていることが,少し頭をよぎります。問題が起こってからでは遅いので,探鳥会では餌付け自粛をお願いしています。

 トビナナフシの死体がありました。明け方の寒さで力尽きたようです。参道を歩くと,アオマツムシの死体もけっこう見つかります。寒さにこごえて,木の上から落ちたらしい。


今月の1枚

今年もやってきました!オシドリ。


【観察した野鳥】
カイツブリ1,コサギ1,オシドリ31(雌13雄18),マガモ2(雌1雄1),カルガモ1,コガモ1(雌),キジバト4,カワセミ2,コゲラ7,キセキレイ2,ハクセキレイ4,ヒヨドリ30,ウグイス1,ヤマガラ10,シジュウカラ20,メジロ20,ホオジロ4,アオジ1,カワラヒワ5,シメ1,スズメ10,ハシブトガラス50,(大型ツグミsp.1)
(以上23種)
番外ドバト10

【観察した植物】
カタバミ,タネツケバナ,ハキダメギク,ヘクソカズラ,ミズヒキソウ,チカラシバ,カゼクサ,イノコヅチ,ケヤキ,ムクノキ,イヌシデ,イイギリ,ミズキ,ムラサキシキブ,シロダモ,クスノキ,ゴンズイ,チヤ,サザンカ,ヒサカキ,トチノキ,コナラ,クヌギ,アカガシ,シラカシ,アラカシ,ウラジロガシ,スダジイ,マテバシイ,エゴノキ,……

【キノコ類】
コフキサルノコシカケ,シュタケ,カワラタケ,シジミタケ,……

【昆虫】
トビナナフシ,アオマツムシ,シバスズ,オオツノカメムシ,ナミテントウ,アキアカネ,

【その他観察したもの】
ジョロウグモ,ザトウムシ,アカムカデ,太陽黒点,積雲

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