明治神宮探鳥会レポート 〜2000年7月
7月定例探鳥会:2000年7月16日(日)
8:30〜11:30
天候:晴 気温:31℃
参加者42名+担当4名
例年,大雨か酷暑の7月。今年は天気も上々で,「酷暑」パターン。平野部での一般的な探鳥会だと,暑い時期は鳥の種類も少なく,鳥にお目にかかれるチャンスも減るので,参加者数が減ってしまうのですが,明治神宮の場合,「鳥」にこだわらず,いろいろと観察しているのが支持されて,参加者数があまり減りません。親子連れの参加も増えます。小学生以下の子が,7,8人いました。
暑いときは森の中や水辺での観察に時間をかけます。シジュウカラのさえずりが時折聞こえます。子連れの鳥が多いですね。今回は,メジロ,ヤマガラ,シジュウカラ,ヒヨドリ,スズメ,コゲラ,ハシブトガラス,カワセミの親子が観察されました。夏から秋にかけては,キノコ類もお楽しみ。「冬虫夏草」…虫に寄生するキノコは,夏が旬です。オサムシタケとクモタケを観察。その他のキノコ類も,秋のキノコとは,少し違う顔ぶれです。湿度が高いので,変形菌(粘菌)も胞子体になっています。変形菌は,基本的には単細胞なんですが,条件が揃うと集合してキノコのような多細胞の菌類のような挙動をして,胞子体を作ると言う,変わり者です。年老いて切り倒された樹の切り株に,変形菌の1種,ツノホコリの胞子体が見つかりました。樹も老後にはネンキンですね(^^ゞ……。
昆虫も豊富で,子供たちがヒラタクワガタを見つけてくれました。もちろん,観察した後は森に返します。貴重な自然でもあり,「神域」でもある明治神宮で観察するときの,守らなければならないルールです。
芝生広場は暑いので,あっさりと通過。それでも,コオロギ類の観察はしっかりと。
水辺にはカワセミの親子。コシアキトンボやシオカラトンボが目立ちます。池の縁にはシオカラトンボが多く,水の上にはコシアキトンボ,芝生の上はウスバキトンボ。しっかり分布が分かれているのが見えます。
先月,今月と続けて参加している方は数人しかいません。初めての方が一番多く,お久しぶりの方もちらほら。
20年以上も前の明治神宮探鳥会のことを知っている方がいたり,他の探鳥会には出かけているけど,明治神宮は初めてで,他の探鳥会とは違う観察姿勢に感動してくださった方がいたり,新しい仲間,古い仲間,それぞれに楽しんでいただけたようです。
今月の1枚
クモタケ。
トタテグモに寄生し,トタテグモの巣穴から生えています。
【観察した野鳥】
キジバト4,カワセミ2,コゲラ10,ツバメ4,ハクセキレイ1,ヒヨドリ20,ウグイス1,ヤマガラ5,シジュウカラ20,メジロ20,スズメ20,ムクドリ10,ハシブトガラス50
(以上13種)
番外ドバト10
【観察した花】
チチコグサモドキ,オニタビラコ,ニガナ,ハキダメギク,ネジバナ,マヤラン,カタバミ,ツユクサ,トキワハゼ,
【キノコ類】
キニガイグチ,ヒビワレシロハツ,ウチワタケ,カワラタケ,コフキサルノコシカケ,ビョウタケ,シジミタケ,ツルタケ,ドクツルタケ,ノウタケ,ホコリタケ,オサムシタケ,クモタケ,ツノキホコリ(←変形菌),その他不明な菌が何種か
【昆虫】
ニイニイゼミ,アオオサムシ,ヒラタクワガタ,オオヒラタシデムシ,カブトムシ,ヨツボシテントウムシダマシ,アオスジアゲハ,クロアゲハ,ナミアゲハ,モンシロチョウ,スジグロシロチョウ,サトキマダラヒカゲ,ヤマトシジミ,ムラサキシジミ,コシアキトンボ,シオカラトンボ,オオシオカラトンボ,ウスバキトンボ,オニヤンマ,アメンボ,ヒシバッタ,ヒメギス(幼虫),ウスイロササキリ(幼虫),ツヅレサセコオロギ(幼虫),マダラスズ,シバスズ,ウスバカゲロウ(幼虫)
【その他】
アズマヒキガエル,イシガメ,クサガメ,スッポン,ミシシッピアカミミガメ,アカムカデ,ザトウムシ,ヤケヤスデ,セダカマイマイ,ミスジマイマイ,キセルガイの仲間