明治神宮探鳥会レポート 〜2000年6月


6月定例探鳥会:2000年6月18日(日) 8:30〜11:30
天候:晴 気温:27℃ 
参加者37名+担当6名

 前日の天気予報が外れ,朝から良い天気。寝過ごしてしまった人も多かったのでしょう。参加人数は少なめで,出足も遅め。梅雨の晴れ間は,いろんな生きものが一気に動くので,ちょっと期待。
 今月は御苑の菖蒲田が混みあうので,御苑を避けて,いつもと違うコースになります。

 まずは森の中の観察。シジュウカラのさえずりが時折聞こえますが,メジロやヒヨドリ,スズメなどは巣立ったばかりの若鳥の声が目立ちます。鳥の姿は見えにくいので,森の下のほうをじっくりと観察。キノコ類もかなり出ています。「冬虫夏草」の1種であるオサムシタケが,あちこちで見つかります。オタマジャクシからカエルになったばかりの,小さなヒキガエルが歩いています。オオヒラタシデムシが何かの死体を食べています。ヒキガエルの糞を見つけたので,何を食べていたのか,中身を見てみると,アオオサムシの羽,シデムシの羽,ゴミムシの羽,コメツキムシの羽などが出てきます。なるほど,地面にいる虫が多いですね。……しばらく,地上10cm以下の観察が続きます。
 ゴミ箱の下にアリジゴク。もう,かなり大きいから,まもなく蛹になることでしょう。
 灯篭によじ登っているヤモリを発見。何を狙っているの?

 芝生広場に出ると,……暑い…。改めて,森の中が涼しかったことを思い知るのでした。芝生の中にネジバナ。今年も咲きました。芝生広場から北池を見渡すと,ツバメが飛びながら水を飲むのが良く見えます。池の上にはコシアキトンボが,池の脇の芝生ではシオカラトンボが,それぞれになわばりを作り,パトロール飛行をしています。
 木陰で観察したもののおさらいをして,解散したのは12時近く。
 夏は観察するものが増えるので,観察コースが短くなっても,たっぷり時間がかかりました。

 今月から,子供向けのパンフレットも用意しました。明治神宮の森の成り立ちと森の環境を案内する「明治神宮探鳥会 環境学習ガイド」と,季節に合わせた「わくわくワークシート」(安易なネーミングですみません(^^ゞ)。今月は,「常連」の子供たちにお披露目する程度でしたが,7,8月の夏休み時期に,どう活用されるか……。来月に期待を持たせつつ,探鳥会は次回へと続くのでした。


今月の1枚

アズマヒキガエル。
今年も無事に育ちました。
指の大きさと較べてみてください。


【観察した野鳥】
キジバト3,カワセミ1,コゲラ10,ツバメ5,ヒヨドリ10,ヤマガラ10,シジュウカラ20,メジロ20,スズメ20,ムクドリ5,ハシブトガラス30
(以上11種)
番外ドバト15

【観察した花】
ハルジオン,ハキダメギク,チチコグサ,ウラジロチチコグサ,チチコグサモドキ,オニタビラコ,ニガナ,イヌノフグリ,トキワハゼ,トウバナ,カタバミ,アカカタバミ,ムラサキカタバミ,ミミナグサ,キュウリグサ,オオバコ,ヘラオオバコ,イヌガラシ,コモチマンネングサ,ニワゼキショウ,チガヤ,コナスビ,ネジバナ,サカキ

【キノコ類】
キクラゲ,カワラタケ,ハリガネオチバタケ,ビョウタケ,テングタケ,ドクツルタケ,カワリハツ,
オサムシタケ,マメザヤタケ,アミタケ科のキノコ,サカズキホコリ(←変形菌)その他不明な菌が何種か

【昆虫】
コシアキトンボ,シオカラトンボ,アメンボ,アオバハゴロモ(幼虫),アカスジキンカメムシ,ナミテントウ,オオヒラタシデムシ,モンシロチョウ,モンキチョウ,ナミアゲハ,アオスジアゲハ,サトキマダタヒカゲ,ヤマトシジミ,アカシジミ,ルリシジミ,ヒシバッタ,ヤブキリ(幼虫),クサキリ(幼虫),ウスバカゲロウ(幼虫)

【その他】
アズマヒキガエル,ヤモリ,イシガメ,クサガメ,スッポン,ミシシッピアカミミガメ,アカムカデ,ザトウムシ,セダカマイマイ,ミスジマイマイ,キセルガイの仲間

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