明治神宮探鳥会レポート 〜2000年4月


4月定例探鳥会:2000年4月16日(日) 8:30〜12:00
天候:曇 気温:12℃ 湧水温:15.5℃
参加者34名+担当5名

 日曜日が近づくにつれ,天気予報がだんだん悪くなり,明け方には止むはずの雨が9時頃まで残りました。雨天と寒さで,人が来なくなるかと思ったら,それでも30数名の参加者。担当が5人だから,結果的には人数バランスとしては上々。今月は花の最盛期&渡り鳥の通過が期待できるので,雨の中でも気合いを入れてスタート。

 今年は2,3月の寒さのため,春の訪れがやや遅め。おかげで,例年なら盛りを少々過ぎてしまうスミレ類の観察が,しっかり楽しめました。集合場所近くにはウラシマソウ。この花,初めて見た人も多かったようで,盛んに質問も飛んでいたけど,どんな印象だったか,聞いてみればよかったかなぁ。
 タンポポやオオイヌノフグリは,寒さと雨のため,ほとんど閉じていましたが,それでも,木の花,草の花合わせて,50種を超える花を紹介しました。興味のある方は下のリストを見て図鑑を参照してください。
 花だけでなく,新緑もいろいろと楽しめました。クスノキの下には,紅葉した古い葉や,芽鱗などがたくさん落ちていました。落葉樹の新緑もいろいろ。金色や黄緑色,あるいは赤っぽく輝く新芽など,いろいろな色の芽吹きが観察できます。この時期の木の花は風媒花が多いので,あんまり匂いを感じません。虫を呼び寄せるための匂いは必要ないんですね。

 この時期に,ちょっと楽しみなのが,夏になると,もう少し北の地方や山などで繁殖する渡り鳥が,都会の平地を通過するのが観察できること。すぐ近くでセンダイムシクイの声を聞くことができました。キビタキもさえずっていました。森の中で彼らのさえずりを聞いていると,気分は山や高原の森の中?
 明治神宮でひと冬暮らしていた「冬鳥」は,もう,かなり少なくなっています。オシドリ,ツグミ,ウグイス,シメなど,もう,今月限りでしょう。晩秋まで,しばらくお別れです。
 例年どおり,シジュウカラのソングポストを調べてもらいました。これは任意参加ですが,地図にシジュウカラの「さえずり」が聞こえた場所を書き込んでもらうだけの「調査」。集計して,事前調査とあわせて,おおよそのテリトリー数を割り出します。7人が調査に参加,調査結果を出してくださった人が4人。ざっと集計したところ,おおよそ37ヶ所のテリトリーを確認。例年よりちょっと少なめですね。今年は工事中の場所が多かったり,線路沿いの車道周辺の伐採の影響もあるみたいです。調査協力者には,オリジナルの絵葉書をつけて,調査票を返却しました。

#今月も探鳥会参加経験2回以下の人が大半,初参加の人も半数近く。
#初参加の人,楽しんでいただけたかしら?


今月の1枚

ヒメスミレ。
春の「お約束ショット」ですね(^_^)。


観察した野鳥
カイツブリ1,オシドリ6(雌3雄3),カルガモ2,キジバト5,カワセミ2,コゲラ10,ツバメ1,ハクセキレイ1,ヒヨドリ20,ツグミ10,ウグイス1,センダイムシクイ1,キビタキ1,ヤマガラ15,シジュウカラ40,メジロ30,カワラヒワ1,シメ4,スズメ15,ムクドリ10,ハシブトガラス50
(以上21種)
番外ドバト10

※さえずりを確認→センダイムシクイ,キビタキ,ヤマガラ,シジュウカラ,メジロ

観察した花
草本類:スミレ,ツボスミレ,タチツボスミレ,コスミレ,ヒメスミレ,ニオイタチツボスミレ,セントウソウ,キランソウ,ウラシマソウ,オオイヌノフグリ,タチイヌノフグリ,ムラサキサギゴケ,トキワハゼ,チチコグサ,ウラジロチチコグサ,チチコグサモドキ,オオジシバリ,カントウタンポポ,セイヨウタンポポ,オニタビラコ,ヤブタビラコ,ハルジオン,カタバミ,アカカタバミ,オランダミミナグサ,ミミナグサ,キュウリグサ,ハナイバナ,ヤエムグラ,ハナムグラ,ヘラオオバコ,カラスノエンドウ,スズメノエンドウ,ヘビイチゴ,ミツバツチグリ,タネツケバナ,シュンラン,スズメノカタビラ,スズメノヤリ,カンスゲ,
木本類:アオキ,イヌシデ,アカシデ,サクラ,クサイチゴ,ニワトコ,ヒサカキ,ヤブツバキ,ヤマブキ,エノキ,イロハカエデ,ケヤキ,コナラ,ムクノキ,

その他観察したもの
ヒキガエルのオタマジャクシ

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