明治神宮探鳥会レポート 〜2000年1月


1月定例探鳥会:2000年1月16日(日) 8:30〜12:00
天候:曇 気温:9℃ 湧水温:13.2℃
参加者66名(本殿通過時点)+担当3名

 毎年,気持ちが新たになる新年。初詣の人出日本一の明治神宮では,その思いが,いっそう強くなります。探鳥会でも,観察コース中に本殿を通るので,みんなで,今年の探鳥会の幸運と安全を祈りました。スタッフは後日,初穂を納め,昇殿参拝いたします。
 天気予報が怪しかったので,参加者数は少な目でしたが,それでも60人を越えました(うち,子供は5人)。初詣を兼ねて参加した人もいたようです。一方,担当は3人しか来なかったので,てんやわんや。しかも,スポッティングスコープが1台しかない!……まあ,スコープを使う場面はほとんど無いから,何とかなってしまうのですが……。 明治神宮は今年,鎮座80年。明治神宮探鳥会は4月で53周年。この森が遠い未来まで,健やかな形で残されますように……。

 新年の気分にぴったりなのは,オシドリでしょうか。例年,1月には少し真面目に,越冬鳥を数えていますが,今年は雌16羽,雄32羽。なんと,雄が2倍も多い。例年,雄が多いなぁ,と思って,過去の記録を見ると,1998年は雌24雄33,1999年は雌23雄30でした。雄が多い傾向はあるかも知れません。マガモは4組,しっかりペアが出来ていました。南池でコガモの雄が1羽。ここ20年ほど,明治神宮でのコガモの観察例は非常に少ないのですが,この個体はこのまま越冬するでしょうか?

 北池,南池の両方で,カワセミを観察。ちょっと遠くて,双眼鏡では色を確認するのがやっと。久しぶりにアオゲラの姿を確認。シメが落葉した木の枝にとまって,しっかり姿を見せてくれました。芝生にはツグミとハクセキレイ,菖蒲田にキセキレイ。いろいろと観察できたので,今月は,人によって,印象に残った鳥がバラバラでした。オシドリは相変わらずの人気でしたが,シメやアオゲラ,コゲラ,ヤマガラ,シジュウカラなどの人気も高く,じっくり観察できた鳥が好印象を与えているようです。

 もちろん,野鳥以外の観察も忘れていません。今月は野草のロゼットを見たり,冬芽を見たり。ニワトコの冬芽は,つぼみの入っている芽(花芽)は丸く大きいので,3月に咲く,花房の数が数えられます。ミズキの冬芽は赤く,遠くから見てもよくわかります。
 菖蒲田の日だまりに,タネツケバナの花が。ちょっとだけ,春の雰囲気ですね。

#解散後,アオオサムシが歩いているのを見つけましたが,どうして今頃?


今月の1枚

キジバト。冬になると10羽ぐらいの集団になって,
地上で餌を探しています。
双眼鏡とデジカメを組み合わせて撮ったので,
画像は汚いですが……。


観察した野鳥
オシドリ48(雌16雄32),マガモ8(雌4雄4),カルガモ3,コガモ1(雄1),キジバト16,カワセミ2(雄1不明1),アオゲラ3,コゲラ8,キセキレイ1,ハクセキレイ2,ヒヨドリ30,ルリビタキ1,シロハラ2,ツグミ4,ウグイス1,ヤマガラ15,シジュウカラ30,メジロ20,アオジ2,カワラヒワ2,シメ4,スズメ20,ムクドリ25,ハシブトガラス50(以上24種)

観察した植物
[冬芽]ニワトコ,ミズキ,コナラ,イロハカエデ,コムラサキシキブ,アオキ,カラスザンショウ,
[野草のロゼット]セイヨウタンポポ,カントウタンポポ,チチコグサ,ウラジロチチコグサ,ハルジオン,ヒメジョオン,
[その他の植物]タネツケバナ(花),サザンカ(花),ヤツデ(実),コナラ(発芽)

その他観察したもの
 ウチワタケ,カワラタケ,

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