環境教育学会


 昨年(1999年),日本環境教育学会に入会しました。
 もともと獣医,畜産系の学会に5つほど入っていますから,会費だけでも結構な支出になってしまうのですが,ほぼ純然たる「趣味」で学会に入会したのは,これが初めてです。環境教育学会の存在は,学会発足時から知っていたんですけどね。
 折りしも学会創立10周年。その記念大会にも参加してみました。
 その際の素直な感想としては,……

 まず,普段着っぽい人がやたらと多い。これは,私が平素出入りしている学会が,研究者の社交場的な雰囲気であるのと比べ,かなり違った印象を与えました。
 次に気がついたのが,いわゆる専門家の範疇に属すような,教育者であるとか教育学部の人とか,学芸員の人や,その方面の研究者などの発表よりも,「市民レベル」と言ってもいい,「非専門家」的な人の発表が多かったこと。市民活動としての環境教育の広がりを強く印象付けました。

 一方,ちょっと残念だったのは,発表の内容的には,それほどインパクトのあるものが多くなかったこと。発表方法も,きちんとしたストーリー展開のない人が多く,ただ考えていることを喋っているだけ,という雰囲気で,何をアピールしたいのか,何が新しいことなのか,とてもわかりづらい発表が多くて閉口しました。大学の先生ですら,「資料をスライドでさっと見せるだけでなく,発表要旨にきちんと資料をまとめてくれ。」などとトンチンカンなことを発表者に向かって言い出す人もいて(おいおい,「要旨」ってゆーのは,どういう意味か,わかってるの?),ちょっと首をかしげる場面もありました。小中学校の先生の発表も多かったのですが,やはり,何を伝えたいのか,よく分からない発表が多く,戸惑いました。単にプレゼン技術の問題もあるのですが,新知見や明確な論理展開がなければ,学術発表としては成り立たないと思うのですが……。もちろん,中にはキラッと光る発表もありましたよ。

 私は環境教育に関する新しい情報を仕入れるために,学会へ足を運んだわけなのですが,結局のところ,ハッキリ言ってしまえば,発表されていた内容には,かなり失望しました。一番失望した原因は,多分,人にものを教える「先生」と言う立場の人たちの発表に,あまりにも歯切れの悪い,聴いていて理解しにくい発表が多かったことでしょう。発表されている「環境教育」の実践内容も,似たり寄ったりのものが多く,アピールする力が乏しかったことも確かです。

 ……あんまり人の悪口を言っていても進歩がありませんね。
 批判ばかりしても非建設的です。
 この際,私も1題,エントリーして,腕試しと行きましょうか。
 せっかく学会費を払っているんだし。

 おっと,その前に,「本業」の学会のエントリも済ませておかねば……。


(2000年1月2日記)

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