ご近所拾い物観察記(爬虫類編)
……やっぱり出てきた。爬虫類ネタ。
日本にも,いろんな種類のヘビやトカゲの仲間が住んでいるんです。
でも,奄美,琉球方面や伊豆諸島,小笠原などの亜熱帯に分布している種類が多く,我がフィールドの南関東地域では,それほど多くの爬虫類にお目にかかるチャンスはありません。特にヘビには夜行性の種類も少なくないので,出会いのチャンスがあるとしたら,死体のことも多い。我が家の家族にかかれば,死体は当然のごとく,「拾い物」となるのでした(苦笑)。
そんなわけで,生体,死体を問わず,少しずつではありますが,爬虫類の画像ストックが増えてきたので,公開を始めることにしました。新たな拾い物が増えれば,このコンテンツの画像も,だんだん増えてゆくかも。
では,まずは足のあるやつから。
ニホンカナヘビ。
撮影地は千葉県我孫子市。
この辺りでは,トカゲは稀で,子供達はこいつのことを「トカゲ」と呼んでいます。
トカゲは,艶のある皮膚を持ち,やや青黒く,体には縦縞があります。特に未成熟の個体は,尾のほうのメタリックブルーが強く,美しい光沢を持っています。カナヘビのほうが尾が長く,茶色の艶の無い表皮が特徴。
ニホンヤモリ。
撮影地は東京都渋谷区。都心にもけっこう居るんですよ。
「ニホン」と名乗っていますが,どうやら大陸から来た動物らしい,と言う話。
「純国産」のヤモリは,瀬戸内海沿岸に多く分布する「タワヤモリ」のほうらしい。
さすがに夜行性の動物。目が大きくてキュートですね。指に吸盤がついていて,ガラス窓に張り付いて,窓の明かりに寄って来る虫を狙っているのを,よく見かけます。
さあ,次はヘビの出番だ!
アオダイショウ。これは意外と身近なヘビです。この画像は茨城県つくば市で撮影しましたが,東京23区内にも,しっかり生息しています。毒はありませんが,大きいものは長さ2mぐらいになるので,見つけると,つい,「わわわぁぁ〜!!」と尻込みしてしまう。でも,昔から「守り神」として親しまれてきたヘビです。岩国の「白蛇」(天然記念物)も,アオダイショウのアルビノ(白化変異)です。
ヒバカリ。これは死体です。とぐろは「やらせ」(笑)。この個体の体長は40cmぐらい。
東京都渋谷区で撮影。
居るんですね〜,こんなのが。
これを撮影する前に,生きているヒバカリの幼蛇を見かけましたが,撮影しようと思ったら逃げられた。
顔のアップです。
毒はありませんが,マムシやハブと同じように,頭が三角に見えるので,毒蛇だと勘違いされやすいようです。名前の由来も,噛まれたら「その日ばかり」の命だから,だとか……。
決して気性の荒いヘビではありません。
シロマダラ。この個体の体長は40cmほど。これで成熟個体です。
撮影地は茨城県つくば市(私の仕事場の構内です)。
洗練された模様ですね。
この種類は個体数が少なく,夜行性なので,その生息範囲も生態も,まだ良く分かっていない部分があります。
そういった意味では,「幻」のヘビなのかも知れません。
これは死体だったので,たまたま見つかったものです(ラッキー☆)。
御尊顔(笑)。意外とおとなしそうな顔をしています。
夜行性ですから,夜行性の小動物などを中心に食べているようです。
画像はまだ未収集ですが,御近所の自然の中に生息するヘビとしては,このほか,シマヘビ,ジムグリ,マムシ,ヤマカガシなどの観察経験があります。……そうやって考えてみると,ヘビって,目立たないけど身近にいる脊椎動物なんでしょうね。
このほか,身近な爬虫類といえば,カメ。
淡水系のカメとしては,イシガメ,クサガメ,スッポン(以上,日本在来種),ミシシッピアカミミガメ(輸入種)などが,身近な水辺にいます。イシガメの幼生はゼニガメ,ミシシッピアカミミガメの幼生はミドリガメとして,ペットショップなどで売られています。公園の池などにミシシッピアカミミガメが多いのは,ミドリガメが大きく育ち,飼いきれなくなって,こっそり逃がしたものや,その子孫が繁栄しているためで,これが日本在来のカメの生息環境を脅かしています。この手のカメは30年ぐらい生きますから,天寿を全うするまで責任持って飼うのは,意外と大変なのです。
明治神宮の池にはワニガメがいます。これも何者かが放したもの。
都内には,飼いきれなくなったワニが放された公園もありますから,都会地の公園は何でもアリですね。
……困ったものです。
(2000年8月19日記)