ご近所拾い物観察記(コガネムシ編)
我が家の2人の子供たちが,近所で見つけたもの,拾ったものをテーマ別に紹介しましょう。
夏になったら,やっぱり虫の「拾い物」「見つけ物」が増えてきました。
コガネムシ類の画像が貯まってきたので,まとめて紹介します。
観察場所は我孫子市とその近辺。
典型的な大都市近郊の町ですが,水辺も雑木林もあり,都市部の子供達よりも,虫の観察には恵まれています。もっとも,「虫を見つける目」を養ってきた,親の勝利でもあるのですが(苦笑)。
子供たちは,家の近所で,いろんな虫を見つけたり,虫の死骸を拾ってきます。
それをホイホイ受け取って画像ストックを増やしたり,生きてるやつは何日か飼ってみたり。
ま,親も親だわ……。
死骸も多いですが,御近所でのコガネムシ類の収集結果をご覧ください。
カナブン。樹液に来る虫の代表選手ですね。
「かなぶうぶう」とか「かねぶうぶう」といった名前で,古い書物にも出てくるそうです。
昔から身近な虫だったのね。
シロテンハナムグリ。カナブンを見た場所とと同じ場所で。この日はハナムグリばっかり。
以上2種類は,昼間に樹液で見られます。
暑い日には良く飛んでいます。
マメコガネ。草食性のコガネムシ。
アメリカに侵入してJapanese beetleと呼ばれ,むこうでは大害虫扱い。
移入種って,天敵がいなくて大繁殖することが少なくないんですね。
「出すな,入れるな,よその虫」……ってことで。
もちろん日本では,それほど深刻な被害は出ませんが,ごく普通にいる虫です。
チャナガコガネ。出た!死体の「拾い物」。
夜,灯火の下で拾ったものです。
体長1cm弱の小さなコガネムシですが,やたらと見かけます。
やたらといるのに,あんまり有名じゃない。
これに気づくようになったら,もう,「身近な自然」を見る眼がある証拠?
ヒメビロウドコガネ。これもよくいますね〜。
これは夜,玄関の前で拾ったものですが,特別待遇で虫かごの中で撮影。
捕まえると関節をキーキー鳴らします。
大きさはアズキぐらい。
これとそっくりで,赤茶色のやつがアカビロウドコガネで,これもよく見かける虫です。
コフキコガネ。これも夜行性で,灯火の下で拾うことが多い虫です。
上の娘(なっちゃん)が3歳の頃,この虫を捕まえて,
「ピーナッツみたいな虫だよ!」と言っていた。
なるほど,言われてみると……。
そんなわけで,いまだに我が家では「ピーナッツの虫」と言う異名を持っているのです。
スジコガネ。これもよく「拾い物」となります。
夜,拾ってくることが多いから,夜行性なのかしら?
ツヤスジコガネ。
虹色に光る翅。これは綺麗ですね。
誰かに踏まれて,お腹の中から卵が飛び出て死んでいるのが悲しい…。
コクワガタ。やっぱり,「コガネムシ科」を紹介するなら,カブトムシやクワガタ類を期待する人が多いと思うので,「お約束ショット」とまいりましょう(メスだけど…)。
これも玄関前で拾ったもの。けっこう灯火に飛んでくるんです。クワガタ類は,このほか,ノコギリクワガタとかスジクワガタ,ヒラタクワガタなども飛んできたことがありました。マンションの5階まで飛んでくるんだから大したものです。
カブトムシ。死体ですが(^^ゞ…。近所の公園で拾いました。
この体格,「養殖もの」ではなさそうです。
雑木林などで夏場に見つかる,この手の死体は,お腹が無かったりします。
アオバズクやツミなどの,小型の猛禽類が食べるんです。
昆虫同士の樹液を巡る争いでは,ほとんど無敵の彼らも,ちゃんと敵がいたんですね。
…もっとも,この辺では彼らの最大の敵は,子供達か昆虫マニアか……。
彼らは腐葉土で幼虫が育つので,きちんと人が手入れしている雑木林のほうが,深い森よりもよく発生します。畑の隅っこに積まれた堆肥の中で,うじゃうじゃ大発生することもあります。……つまり,適当に人間の活動を利用して,彼らは生活しているんですね。だから,かれらは「手付かずの大自然」ではなく,「里山」のような環境に多いんです。
(2000年8月07日記/8月09日追加)