ポイント情報(セブ)


目次

空港内にてハマクマノミ(マクタンにて)
ホテルまでのスルリングなひととき
ウエルカムドリンクでご案内
セブは殿様ダイビング
水底のごみ拾い
ホテルでのディナー
ギンガメアジのいないバリカサグなんて
行商のおばちゃん来襲
ダイナマイト漁が続いている
最後に








空港内にてTOPへ

セブの国際空港に到着するや否や、足早に現地通貨への換金に向かった。
ロビー内では、今か今かとカートを引いて待機している現地の人たちが、旅行客の荷物を運ぼうと躍起になっていた。どうやらポーターらしいが、あらかじめ旅行の本で知識を得ていた私たちは、ちょっと荷物を移動させただけでもチップを要求してくることがわかっていたため、難を逃れることができる筈であった。

カートの波から脱出し、空港内の両替所で現地通貨に変えてもらい、ホテルからのスタッフに呼び止められて足早に車に乗り込み一安心していたのだが、ユニフォームを着ていない男性が車外に置いてあった荷物を一通り積み終わるや否や、乗り込んだ私たちの方に向かってきて、片言の日本語でこう言うのである。

「荷物運んだ。荷物運んだ。」

壊れたレコードのように数回繰り返すと、哀願するようなまなざしを私たちに投げかけてきたのである。

「ああ、やられた...」

どうやらスタッフの1人だと勘違いしていたその男性が、ホテルの関係者でなかったとは。
車内にいるのは私たち夫婦と、ダイビング目的の女性2人組み、ちょっと間違ってきたのではないかと思われるほどドレスアップしてきた女性2人人と、計6人乗車していたのだが、みんな一様に察したのか

「チップ欲しいっていってるんじゃない...」

しばらくの沈黙のあとに、ダイビングに来た女性の一人がバッグからおもむろにドルを取り出し、

「2ドル位でいいよね」

といって男性の方へ向けると、にっこり笑いながらチップを受け取って去っていった。

このあと、しばらく気まずい雰囲気が流れる。
ゆりちゃんが堰を切ったかのように、小さな声で私に話し掛けてきた。

「やっぱり、みんなで分けないと駄目だよね」

確かに彼女が言っていることは正しい。私もその意見には賛成だ。
が、考えても見てくれたまえ。事の成り行きでチップを払うことになったにしろ、6人で2ドルをどうやって折半するのだ。
均等で割ったとしても1人33セント?現地通貨と日本円しかこちらは持っていないのである。

「うーん。とりあえず1人50円位なんだから、2人で100円払えば大丈夫だろう」

周りに聞こえるようにそう言うと、ゆりちゃんはサイフを取り出した。
と同時に、他の同乗者達も待ってましたとばかりにサイフを取り出し、1人50円ずつをチップを出してくれた女性に手渡した。
さすがに彼女もこの反応にはいささか驚いた様子で、遠慮気味に受け取っていたが、これを機に会話が弾んだのは言うまでもない。


ホテルまでのスリリングなひとときTOPへ

空港からホテルまではエアコンの効いた車(アメ車だった)でひとっ走り!かと思われたのだが、どうやら事情が違うらしい。
空港から片側2車線の道路を走っている間はよかったのだが、しばらくすると道路の右端を三輪バギーのような乗り物(現地の人たちの生活の足らしい)が並走しているため、所々で渋滞を引き起こすのである。(といっても日本の比ではないが)
ドライバーはこれ見よがしにクラクションで威嚇し、スピードを落とさずに彼らを追い越していくのだ。
それも、対向車線に迫りくる車があるにも関わらずだ。
私はフロントウインドウを覗ける位置にいたので、思わず声を上げてしまいそうになる自分を押さえつつ、次第に未舗装の道路へ突入し、行く先に何が待ち構えているのか不安と期待を抱きながら、ホテルへと続く道を車は走って行くのであった。


ウエルカムドリンクでご案内TOPへ

とうとう、ジープで走破するような道路にさしかかり、皆一様にスタッフへの不信感が募っていくのが感じられた。
どこに連れていかれるのか、パンフレットで見たホテルは20年前の写真だったのか、など私も不安は隠せなかったが、いたずらにことを荒立てても不安がるだけなので、自分に言い聞かせるようにゆりちゃんをなだめつつ、ようやく体が激しい縦揺れに慣れるころにホテルの入り口に差しかかった。

南の島らしく、ロビーまではヤシの葉で覆われた長い通路を通り、ウエルカムドリンク(ちょっとぬるいオレンジジュース)で迎えられた。
部屋に案内され、ポーターにチップを払い終わると、一気に緊張が途切れたのか、落ち着いて部屋を見回すことが出来た。
照明がやたらと暗い、思わず本を読むときは明るいところで読みなさいと言いたくなる程だ。
まずは、ベッドをチェック。
ツインなのでベッドは2つあるのだが、サイズがシングルサイズ...
セーフティBOXといえば、ロビーで貴重品を預かるというくらいなので、もちろん無し。
部屋の右にあるドアノブを回してみると、バスタブは望むべきでもないが、一応ちゃんと熱湯の出るシャワーは付いている。
トイレは立派なもので、日本製の某メーカー品であった。
他にも鏡付きドレッサーと、壁をぶち抜いて括りつけられたクーラー(エアコンではない)があり、一応ホテルとしての機能は揃えているようである。(ゆりちゃんは、今までこのようなホテルは利用したことが無く、かなりご機嫌斜めのようだ)

ま、とりあえず今回はダイビングONLYということだったので、あえて宿がどうこう言うまい。
と思っていたのだが、どうやら前日までの大雨にたたられて、トイレの水が流れないことに気がついてしまった。
早速フロントに電話を入れ、ガイドブックで調べた困ったときの英会話から引用した単語を並べると、なんとか通じたのか、暫くすると1メ−トル位の棒を持ったスタッフが訪ねてくると、トイレの排水口付近を調べ始め、作業を開始したが結局改善には至らず、明日には雨が上がるだろうからそれまでは我慢してくれとのこと。(恐らくこんな感じのことを言っているようだった)

ひえ〜、勘弁してくれえ。


セブは殿様ダイビングTOPへ

翌日、昨日の不安を打ち消すように快晴である。
さすが晴れ男に晴れ女。海外でも通用するらしい。
早速サービスの受付に行ってみることに。どうやら日本人スタッフはいないようだ。
フィリピン人のオプイ(Opoy)さんが担当のガイド(PADIのダイブマスター)として紹介された。
非常に物静かな人で、誠実そうな感じを受けた。

前日の夜にフロントにてマクタンか、オプションのカビラオかポイントの選択を迫られたが、バリカサグで大物が見れればいいやと思っていたので、マクタン4本/バリカサグ2本という計画を立てていた。
同じ車に同乗していた女性ダイバー2人は、昨夜中に他の島へ移動して行った。マクタンて本当につまんないのかな?(ツアー申し込み時にも、ある程度潜っている人にはお勧めできないと言われていた)

サービスから船への発着所へは歩いて5分位だが、沖に向けてやたらに長い桟橋(およそ300メートル程)が続いている。
リアカーにスタッフが荷物を積み、その後を追うようにして歩いて行くと、海と思っていたそれは、なんとどこまでも続く干潟なのである。
その干潟にはいって作業している人が数人いた。何か養殖しているのであろうか?
なんて色々考えている間にも、タンクに器材をセッテイングし、イクジット後にはタンクを外してファーストステージのキャップをエアで吹き飛ばす念の入れ様。

やっぱり南の島、殿様ダイビングなのである。


水底のゴミ拾いTOPへ

初日のダイビング、ポイントはマクタンである。
潜るメンバーは私とゆりちゃん、オプイさん、どこからともなく現れた現地ガごみ拾い(マクタンにて)イドとその子供たち、日本人男性ダイバー2人という顔ぶれである。
はやる私たちを静止するように、ガイドらしき男性は私たちに説明を始めた。

「今日、マクタンに潜るダイバーはごみ拾いに参加して頂きます。」

うげっ。なんと言う不運、どうやらダイバー総出の美化運動に参加決定の話らしい。

右手にカメラ、左手に麻袋を持って、セブでのダイビングがスタートしました。
そうは言っても2人で南の島にまできて、手ぶらじゃ帰れません。
しっかり、水中写真も撮ったのですがゴミもある程度拾わなきゃならない。
皆さん結構拾っていました。でもゴミといっても殆ど人口物はなく、流木が大半でした。
私たちはさすがに量が少なく、ちょっと後ろめたさが残ってしまいましたが。

各方面から続々とダイバーを乗せた船がやってきます。
ビーチではお弁当と飲み物を支給されたダイバー達が、労働の後の食事はうめえなあと言わんばかりにくつろいでいました。
オプイさんに何時まで休憩するのか訪ねたところ、どうやら感謝状の贈呈セレモニーがあるとのこと。
しばらく、南国の太陽に照らされてお昼寝していると、セレモニーが始まったようです。
感謝状授与(ビーチにて)
名前を一人一人読み上げて、如何にもお偉方さんと分かる人から感謝状と握手を求められる様を見て、自分の順番が今か今かと、久々にドキドキしました。
お互いの表彰された瞬間を、写真に撮ろうと打ち合わせしていた私達は、帰国後現像されてきた写真に一喜一憂したものです。
ゆりちゃんのカメラにはワイドレンズが取り付けられていたため、とってもピンボケ写真でした。

頼むよお〜、ゆりちゃん。








ホテルでのディナーTOPへ

ランチを挟んで、マクタンでの2本を潜り終えると、16時頃には桟橋に戻ってこれます。
この時間になると、もともと遠浅の海がさらに引いており、桟橋下まで船が戻れない状態となるため、小さな船に移動して帰ります。
部屋に帰ってからログ付けしようと相談し、シャワーを浴びて外に出ると、行きの車に同乗していた女性2人(ダイバーでない人たち)が、男性の目も無いのに、やはり場違いの格好をしていました。
夜になると町のほうまで遊びに行っていたようであるが、それであれば市街地に近いホテルで事が足りると思うのだが、干潟の海では入る気も起きないであろうに。

レストランは一箇所しかなく、時間が決められているのでホテルに泊まっている人たちが拝められる(私は人を観察するのが結構好きである)と思い、足早に中に入っていった。
テーブルが30卓位あるだろうか、屋根付きの部分とオーシャンビュー(干潟だが、夜ともなれば雰囲気がでる)を望むテラス部分とに分かれているが、後者はさすがに人気があるらしく、カップル(夫婦にも見える)が多そうだ。
仕方なく中に入って海側の席に着くと、間もなくウエイターがやって来た。

「飲み物はいかがですか?」

周りを見渡すとビールを上手そうに見える中年ダイバー(日本人)が、得意げになって今日のダイビングを振り返って、若者たちに話し掛けている。
ゆりちゃんにリクエストを促すと、フレッシュジュースがいいとの事。(彼女はお酒が得意でない)
私は地ビールをリクエストした。

最初に出てきたのは魚介類が一杯入ったスープである。
見てくれは良くないが、味は淡白な中にも魚介類の主張があり、とってもおいしく頂けた。
これは意外にいけるかも?
なんていう甘い考えは、次の瞬間消え去った。
やはり、激安ツアー、2人合わせて20万そこそこ。(しかもマクタン4DIVE付き)
プレートに乗ってきたメインディシュは、なんとたこの揚げ物/ガーリックライス/サラダ。

きっと明日のダイビングは楽しいに違いない。


ギンガメアジのいないバリカサグなんてTOPへ

オプションダイブとあって、今日のガイドは非常勤の人らしい。ワイドでも収まらないウミウチワ(バリカサグにて)
オプイさんとは違って、陽気でおしゃべりな人だ。悪意は感じないのだが。
片道2時間半かけて、ひたすらボートはバリカサグを目指す。
セブの海はとっても穏やかで、快適ではあるのだがやはりバリカサグへの道のりは遠い。
オプション代の高さにもうなずけた。

日も高くなった頃にようやく到着。器材を背負ってジャイアントストライドエントリー。
あらかじめ得ていた知識では、潮流があり、ギンガメアジの群れなどが見れるとのこと。
が、その日のそれは違ったらしい。
群れどころか、回遊魚が1匹もいないのである。
見られたものといえば、カスミチョウチョウウオの群れ/大きなウミウチワ/クマノミ、挙句の果ては、18メートルより深く潜行しようとすると、ガイドに静止されていたゆりちゃん(一応MSDである。)は

「おかげでカスミチョウチョウウオの群れが撮れなかった。」

ご機嫌斜めである。
私も一言。小魚ばかり(バリカサグにて)

「これじゃマクタンと変わらないじゃん」















行商のおばちゃん来襲TOPへ

不満たらたらの一本目も終わり、お腹の減り具合を確認しながら、注文しておいたランチBOX(チキンカツサンドとっても美味しかったです)にありつこうとすると、船をとりこ込むように小さな船が数隻つながれていることに気がついた。
船上マーケット、いや行商のおばちゃん連中だ。
海外へ持ち出し禁止の貝殻や、出店で出るようなおもちゃのネックレスなど各種取り揃え、買え買えと催促の波状攻撃を浴びせるのである。

とりあえず、食うもの食ったら話すとお茶を濁し、食べ終わったら食べ終わったらで、手持ちがないため買えないと言っても、ホテルへ帰ればあるだろうと一歩も引かない。
半ばあきらめ、お土産でもとちょっと見始めると、結構いらん物まで買ってしまった。
ガイドに言わせれば、アメリカ人は「ノー マニー! ノー ハニー!」と一点張りで絶対買わず、只ならもらうとの事。

この件については、私も反省している。
日本の金銭感覚とフィリピンとの比較を考えた場合、どう考えても払いすぎたように思う。
もし、本当に欲しいものがあるのであれば、自分が考えている値段の10分の1位で買って見ることをお勧めする。
それ以上するのであれば、あきらめたほうが後悔しないし、フィリピンの将来もきっと明るいものになるだろう。


ダイナマイト漁が続いているTOPへ

最終日のマクタンは、満足できる写真が撮れたように思う。
初日と違って麻袋は持っていないし、ポイントもマクロな魚が一杯なのだ。ハマクマノミ(マクタンにて)
イソギンチャクは覗けばクマノミはいるし、透明度も良かったので明るい海の青が出たと思う。

が、時々「ドーン」という地鳴りのような音が水中を駆け巡る。
ダイナマイト漁の音だ、潜っている間数発分音がした。
予め旅行ガイドで目を通していなかったら、只のびっくりじゃ済まなかっただろう。
頼むから、ダイナマイトなんて使わないでほしい。
回遊魚は回ってこなくなるし、ダイバーには不快な音、環境にもダメージがある筈だ。

今も続いているのかなあ。







最後にTOPへ

セブの海は日本から近く、また金銭的にも割安感があるリゾートだと思います。
単純にダイビングだけを楽しみに行くのであれば、今回使ったリゾートは使いやすいと思うのです。
しかし、ホテルの質を気になさる方は絶対お勧めできません。
私達といえば、次回セブを利用するのであればシャングリアかなあなどと、軟派な考えになっております。
ここに書いてあることは、私達2人が見たもの聞いたものとして書きとめたつもりですが、適当でない表現などがございましたらご容赦の程を。


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