衛星 AO-16 を受信
● (EISEI.25) 衛星 AO-16 を受信 (1994年 1月30日)
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昨年('93)末にJN2LHU/岡本氏によって開発されたブロードキャスト プロ
グラム Tiny-PB「TPB.EXE」を使用して、先日、衛星AO-16の受信実験
をしてみました。
一般に、IBM-PC上で送受信するデジタル衛星の中のAO-16、LO-19、
IO-26の3つの衛星については、この「TPB.EXE」を使用することによって、
PC98系の機種でも送受信できるというものです。
今回受信したAO-16は、本編(19)で紹介した、1990年に打ち上げられた4個
の MicroSat の内の一つの PACSAT とも呼ばれる衛星で、ともに似た軌道を周回
しています。この PACSAT衛星には straight PSK transmitter(437.026MHz) と、
raised cosine transmitter(437.051MHz) の2台の送信機が積まれています。
下記の記録は、1/24(Mon.)の JST.12:43〜12:50(N-NW-SW) にかけて、AO-16
の raised cosine transmitter 437.051MHz(1200bps PSK) を、ドップラー偏移の
影響を受けながら、437.055.1MHz〜437.045.3MHz にかけて PC98(98NOTE-nv)
を用いて受信したものです。
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[0 PACSAT-1>AMSAT cr=00,ctl=03,,pid=f0]
01 January 1994
Monthly WOD collection by week
1) Array currents 2)Temperatures 3)Power/Battery 4)Various
AO16 Command Team
[0 PACSAT-11>PBLIST cr=00,ctl=03,,pid=f0]
PB: Empty
Auto: Request Directory Fill
[0 JE9PEL>PACSAT-11 cr=00,ctl=03,,pid=bd]
[0 PACSAT-12>BBSTAT cr=00,ctl=03,,pid=f0]
Open ABCD:
[0 PACSAT-11>BSTAT cr=00,ctl=03,,pid=f0]
B: 924560061
[0 PACSAT-1>TIME-1 cr=00,ctl=03,,pid=f0]
PHT: uptime is 471/22:50:20. Time is Mon Jan 24 03:49:14 1994
[0 PACSAT-1>TLM cr=00,ctl=03,,pid=f0]
[0 PACSAT-1>LSTAT cr=00,ctl=03,,pid=f0]
I P:0x1CFF o:0 l:902 f:1024, d:1 st:5
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なお、この「TPB.EXE」は NIFTY-Serve FHAM に「TPB1P01.LZH」として登録され
ています。ドキュメントに記載されているとおり、MBBIOS(INT14)に関するファ
イル「COMP98.COM」をまず常駐させておき、またシリアルの初期化をするための
「MBMODE98.COM」を組み込み、さらに「TPB.CFG」にブロードキャストサーバー
のコールサイン等の設定や、KISSモード等の各パラメータの設定をして編集して
おきます。
所定の衛星自動追尾設定を済ませ、TNCにFO-20のデジタル受信のときと同
じコマンドを送ったあと、この「TPB.EXE」を起動すると、上記のように受信する
ことができます。このソフトは今回初めて使用しましたが、当然ながら、一般の
「DXTERM.EXE」などの通信ソフト上では、フレームなどの一部を除いては、
ほとんど正常受信できなかったものが、上記のようにPC98でも受信すること
のできる大変すばらしいソフトです。
なお、上記記録にはテレメトリのフレームがヘッダーのみ表示されていますが、
実際のデータは KISSLOG (*.KSS) というファイルに記録されています。また、
「TPB.CFG」の中の自動モード(AUTOMODE 1) の設定で、衛星からの PBLIST の
ビーコンに反応して自動的に送信動作をしていることがわかります。これらの
ことについては後日、機会を改めて解説をしたいと思います。
今回のレポートに関し、このプログラムの作者JN2LHU/岡本氏、および
関係の情報を多くいただいたJJ1WTK/坂本氏に感謝いたします。
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