はじめに


 私の生まれ故郷である弘前と、現在の棲家がある仙台との間にある花輪線。2年ほど前から、帰省する度毎に青春18切符を使って利用しているが、車窓からの景観が素晴らしいので、花輪線を通るのは移動中の最も楽しみなイベントである。

 その花輪線からタブレット(注1)の交換が消え、腕木信号機も役割を終えて、CTC(注2)に置き換わるということを聞き、それまでにはまるで気にも留めなかった、その交換の情景を記録したいと思い立ったのだ。

 8月16・24・28日に花輪線に行って撮影してきたが、残念ながら腕木信号機を記録することはできなかった。とはいえ、タブレットの受け渡しはなんとかフィルムに収めることができたので、やれやれといった感じである。

 ここに公開する12枚の写真をご覧になり、一時でも花輪線の旅情を楽しんでいただければ幸いである。

 1999.10.21


(注1) タブレット
 鉄道の通票(つうひょう)
通票
 鉄道単線運転区間で、列車の安全確保上、一区間一列車運転をするために、発車駅の駅長が列車の運転乗務員に交付する証票。これにより閉塞信号を解除する。スタフ。タブレット。

(注2) CTC (centralized traffic control)
 列車集中制御装置。列車を安全・円滑に運転するため、中央の指令所にいおて信号機・ポイントなどを一括集中制御するもの。

閉塞装置
鉄道で、列車運転線路を或る区間(閉塞区間)に分割し、その区間を一列車だけに専有させ、その列車が該区間にある間は他の列車をその区間に進入させない装置。閉塞信号装置。

(いずれも広辞苑第四版より)