日本包茎研究所訪問者の投稿


T.T.さんの投稿-01


手術始末記

自分の身体のコンプレックスは、20世紀中に取り除いておきたい…… 別に恋人がいるわけでもなく切羽詰っているわけでもないのですが、 この冬の休暇の使い方として、包茎手術をすることは、1年も前から決めていました。 この時は、まだそれほどの知識もなく、 ただ、雑誌でよく目にする「○○美容外科」「△△クリニック」というところに行けば、 ちゃんとやってもらえるのかな、とぼんやりと考えていたに過ぎません。 そして、勇気を出して大手の美容外科で診察を受けたのが、去年の夏でした。 手術は冬に、と決めていた私にとって「すぐ手術できます」「今から手術できますよ」と言ってくる医師やスタッフは、 少し怖かったです。こちらの意志にかかわらず、今すぐ手術台にのせられるのではないかと……。 しかし、それほどしつこく迫られるわけでもなかったので、説明を受けて、その日は院を辞しました。 費用は、包茎手術が12万円、亀頭強化法が12万円の合計24万円を提示されました(月1万円の24回払い)。

 そして冬。私は予定通り、その美容外科に手術の日時を予約し、必要な書類をととのえ、手術の日を待つのみとなりました。 ところが手術のちょうど1週間前、 全くの偶然にも「美容外科での手術にはいろいろなトラブルがある」という知識を得てしまいました。 果たして本当なのだろうか、単なるウワサに過ぎないのでは?自分の手術をしてくれる美容外科は大丈夫だろうか……。 しかし、インターネットで調べていくうちに、いろいろな方の体験談を見せていただいて愕然としました。 このサイトも、参考にさせていただきました。 そして、これは単なるデマではないと確信しました。 これまで、週刊誌の広告を鵜呑みにしていた私には、かなりショックでした。 考えてみれば広告などというものは、客を呼ぶために書かれたものであり、 必ずしも正しいことが書かれているとは限らないというのは常識です (美容外科に限らず、痩せる広告を考えても分かります)。 だから、広告をそのまま信じていた私は、一種の思考停止の状態にあったと言えると思います。 私は、直ちに大手美容外科での手術の予約をキャンセルし、 一度、総合病院の泌尿器科での診察を受けてみることにしました(4日前だった)。

 泌尿器科での診察は、医師によって行われました(美容外科では医師ではなく、スタッフが診てくれました)。 医師によると、泌尿器科で扱うのは基本的に完全(真性)包茎だけで、 それ以外のケースは美容外科の分野になり、 その場合は保険も効かないということでした。 しかし、完全包茎でなくても泌尿器科で手術をすることは可能で、 保険が効かないといっても2万円弱で手術できる、とのことでした。 これを聞いて、私は泌尿器科で手術してもらうことを即決しました。 美容外科で手術した方の中には、100万円を超える金額を支払っている方も少なくないと聞いています。 しかも、それで完全に無傷で満足のゆく結果がえられた方は少ないようです。 もしそうであるならば、外見だけのためにあまりにも高い金額を支払うのはどうか…? と考えたのです。月々の負担は軽いといっても、利息含め100万円(の場合もある)というのは、 これからの私の人生にとって軽視できない額です (しかも、金額の設定方法が不明瞭なケースも多々あるらしい……)。

 手術を決意したことを医師に伝え、具体的な話に入っていきました。 手術は、明日の午後2時30分から行うこと、 ただし検査のため午後1時30分には病院に入ってもらうこと、 今日は、血液検査と尿検査をしてから帰ってもらうこと、などです。 意外だったのは、成人しているにもかかわらず親や配偶者等の同意書が必要なことでした。 これは、手術中に万一事故が発生した場合に、身内の誰かが知っていないと対応が遅れるため、 と説明されました。同意書の内容は、病名・手術や麻酔の方法・危険性などの周知と、 同意確認の欄だけで、「どのような結果になっても異議は申しません」などの 病院側の責任放棄につながるような内容はありませんでした。 もう1つ、美容外科では手術時間30分を提示されたのに対して、 泌尿器科では倍の60分を提示されました。

 手術当日、再度の尿検査・胸部レントゲン検査と心電図の検査を受けました。 レントゲンと心電図は、心臓が麻酔や手術の負担に耐えられるか、 念のために調べるためなのだそうです。 つづいて、麻酔の適正検査を受けました。 腕に3種類の注射をして、腫れ具合を調べるのです。 結果はいずれも良好でした。診察室で、手術を予定通り行うことを告げられました。 看護婦からハサミが手渡され、トイレで陰毛を切ってくるように言われました。 右手の甲には点滴が施され、エレベーターで手術室に向かいました。

 いよいよ手術の始まりです。衣服は病院の寝巻きに着替え、 頭はシャンプーハットのようなものがかぶせられました。 点滴の右手の指先に心電図のセンサーが、左手の二の腕には血圧計が取り付けられました。 血圧計は、終始2分おきに膨らんでは血圧を記録していました。 これで準備完了、まずは麻酔です。 私は、できるだけ痛みの少ない方法をお願いしたので、 仙骨麻酔と局所麻酔を併用する方法を採ってもらいました。 下半身裸になり、手術台の上で横になって、できるだけ身体を丸めて、仙骨の部分に麻酔の注射を打ちます。 一瞬、そこが痺れるような感覚があり、続いて妙に温かいものが広がっていきました。 少し時間をおいた後、医師が濡れた脱脂綿を持ってきて性器にあて、冷たくないかと聞いてきます。 冷たいと感じるようであれば麻酔が効いていないのです。仙骨麻酔の次は局所麻酔です。 その名のとおり性器の付け根あたりに麻酔の注射をしました。 医師が看護婦に「メス」というのが聞こえました。 触られている、というのははっきり分かります。 その後は、医師がどこをどうしたのか、見えなかったので分かりません。 最初は、あまり痛みはなかったのですが、人生で初めての手術だけに身体はガチガチに緊張し、 手術に支障が出るようになりました。 医師が「少し眠ろうか」と言い、私がうなずくと、点滴の管に冷たい感覚のする液体が注入され、 私は何の前触れもなく眠ってしまいました。 どれくらい経ったか、しばらくして目を覚ましました。 まだ手術は続いています。それから手術が終わるまで3〜4回、我慢するのが難しいくらいの痛みを感じました。 私が、そのことを医師に告げる度に、医師は「局麻(局所麻酔)」と看護婦に命じ、 チクッとする感覚の後、痛みが治まる、ということを繰り返しました。 終わってみれば予定よりも長く、90分間の手術でした。 「君が行った美容外科の3倍かかった」と言って医師が笑い、そこで私もやっと緊張が解けました。

 手術室を後にし、診察室で医師から話がありました。 明日から3日間は必ず病院に来て傷口を見せること、 今日は安静にしていること(風呂ももちろんダメ)、 おかしいと思ったら夜中でも病院に来ること。 また「多少の傷は残るが仕方がない」「亀頭は刺激を受けるようになるが4〜5日程度ですぐ慣れる」 「包皮はツートンのようになるが3〜4年でかなり目立たなくなる」 「勃起時は皮が突っ張るような感じがするが、時間が経てば皮が伸びるので問題ない」ことなどが説明されました。 その後、2種類の薬(塗り薬と飲み薬)をもらってから病院を辞しました。 午後5時になっていました。帰る途中、だんだん傷口が痛みだしました。 あらかじめ説明を受けていましたが、手術後、麻酔が切れてくると、 痛覚を取り戻して痛みだすのだそうです。 その日はまともに歩くことができませんでした。 手術のことを知らない家族からは変な目で見られ、 言い訳は「またずれ」ということにしておきました。 手術後2〜3日は、普通に歩くことはかなり難しいと思います。

 手術後1日目の診察は、傷口のチェックの後、塗り薬をもらって帰りました。

2日目の診察で、医師が「亀頭の色がよくない」とつぶやきました。 包皮狭窄の状態かもしれないので、3日目の状態によっては包皮を切開するかもしれないことを告げられました。 その日の夜、包帯に異常が起こりました。 包帯は、亀頭が出た状態に巻かれるのですが、 いつの間にか包帯がずれて亀頭を覆い隠した状態で固定してしまったのです。 そのままでは排尿する時に、包帯に小便が染みて傷口に影響してしまいます。 今から考えれば、自分で強引に外して新しい包帯を巻き直せばよいのですが、 その時はそこまで自分でやる気は起きませんでした。 いろいろ考えた末、病院に電話すると、医師は「すぐ来なさい」と言ってくれました。 心理的に不安な時だったので、いつでも診てもらえるというのは本当に有り難かったです。 包帯は、すぐに直してもらいましたが、昼に診察された時より亀頭の色が悪くなっていたので、 その場で溜まった水を抜いてもらいました。 注射針を使ったので痛みもありましたが、傷口の痛みが和らぎ、いくぶん歩きやすくなりました。 3日目の診察の時、亀頭の色が良くなったと言われました。 もう、シャワーくらいなら浴びても大丈夫、また、もう包帯は必要ないとのことでした。 包帯がとれたとはいっても、まだ少し痛みは残っています。 私はトランクスをはいていましたが、ブリーフにしてみると陰茎が固定されるのか、 痛みがほとんどなくなりました。 4日目は診察はなし。ほとんど、普通に歩けるようになりました。 この頃から、真っ赤に腫れていた包皮の色がだんだん褪せてきました。 5〜6日目、真っ赤だった包皮がまた色褪せると同時に、 腫れがだんだん引いてきて形が整ってきました。 医師の言ったとおり、亀頭がパンツや陰毛にふれても、ほとんど刺激を受けなくなりました。 美容外科では、慣れるのに半年や1年はかかるから亀頭強化法(12万円)をやりなさい、 と言われていたのですが、私の場合に限って言えば、必ずしもその必要はなかったようです。

 えー、手術から1ヶ月以上が経過しました。現在の状況は……

 傷口:普通の時でも多少目立つ。勃起時はかなり目立ちます。

 ツートン:普通の時はほとんど分からない、というかツートンではない。 勃起時はハッキリ色が違います。

 亀頭への刺激:手術時に切った陰毛も、結構伸びているはずですが、全く問題なし。

 性感:多少、増したようです。

 経過良好、特に問題なし。

 現在の時点での感想ですが、私は、自分の選択は正しかったと思います。 勇気を出して  手術をしてよかった。そして、今の病院でよかったと思っています。その理由は……

  1. 手術の結果・術後の経過に、特に問題がないこと(医師の説明どおりである)。
  2. 手術後のケアが受けられたこと(これはありがたかった)。
  3. 費用が安く済んだこと(手術・検査・薬などを全部合わせても1万円かからなかった)。
 などなどです。将来的には、この意見は変わっていくかもしれませんが、 少なくとも現時点では満足しています。心なしか女性にも積極的になれつつあります。

 これから包茎手術をかんがえていらっしゃる方は、 普通の病院も考慮に入れてみてはいかがでしょうか? 決して捨てたものではないと思います。 むしろ、総合病院のようなところでは、24時間体制でケアが受けられるので、 これは大手美容外科チェーンにはない魅力の1つなのではないでしょうか? もちろん、私は決して、大手美容外科チェーンでの手術を否定するものではありません (私は手術を受けたことがないのですから)。 ただ、敬遠されがちな普通の病院での手術っていうのは、こんなカンジだった、 ということをありのままにお伝えするために、長々と書いてしまいました。


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