横浜市神明台処分場見学会

 環境連続講座「ゴミと環境保全」の締めくくりとして、横浜市の一般廃棄物最終処分場である神明台処分場の見学が4月20日に行われ講座参加者から9名が参加した。最寄駅は相模鉄道の緑園都市駅で、かつて山林と農地だったところが最近の宅地
開発で新しい町(緑園1丁目―7丁目など)が出現し、処分場全体が旧住宅街を含めて住宅街に囲まれている。
 見学会では、市の見学者用に作られた処分場と排水処理施設の紹介ビデオ2本を見た後、埋立現場と水処理施設を見学した。埋立現場ではブルドーザが焼却灰の上に土をかけ、ならしていた。灰の上に沢山のカラスがあつまっていたのが印象的だった。
排水処理施設は1996年4月の第7次計画の開始に併せて作られたものである。この施設は埋立地に敷いた遮水シートに浸出する汚水をあつめて浄化し、放流するというものである。一日1500トンの能力があり、大雨にも耐えられるということである。
 全体にゴミ処分場ということから思い起こされる汚さはない。これは、第7次埋立計画を強行する上での全量焼却によるところであろう。横浜市は相当力をいれている印象である。今私たち見学者が目にする第7次の事業は確かに可能な限りの手をつく
しているように思われる。しかしながら、第1次から第6次までのほとんど焼却せずに埋め立てた約380万トンのゴミはどうなっているのであろうか、これらからの浸出水は全て排水処理されるのだろうか。第7次以降の具体的計画については横浜市の当
局に早急に解決してもらわねばならない問題である。一方でゴミの分別収集、再利用、リサイクル、などは全市民的課題でもある。               
(草野正昭)

●神明台処分場の概況

 現地は旭区、瀬谷区に隣接する横浜市泉区池の谷及び新橋町の一部で、総面積約51ヘクタールで、うち市有地は42ヘクタールである。1973年の第一次の埋立から始まり、現在第7次の埋立が行われている。焼却工場で焼却された家庭ゴミの焼却灰を年間7.3万トンから7.8万トン埋め立てている。第7次の埋立は1996年からはじまり、計画は当初2001年から13年間にわたり約274万トンの焼却灰を埋め立てることになっていた。
 その後南本牧の処分場が2003年まで埋立可能なことから、2003年以降、横浜市の全量が神明台に埋め立てられる。計画通りに実行されると、埋立期間は33年間でこれは全国最長、埋立量は約660万トンで、東京日の出の処分場の約2倍
となり標高80mの台地が出現する。

●神明台処分場の問題点

 神明台処分場の問題は、1995年の第6次で終了する計画であったところが、2007年まで延長する第7次計画の強行にある。この横浜市の計画変更で、
  (イ)神明台は当初計画で2001年以降は横浜市で唯一の埋立地となり、市の全量が集中するという地域的不均衡、不公平が生じる。
  (ロ)ダイオキシンの飛散や排水・地下水などの汚染の恐れ。
  (ハ)住宅街に極めて近接。などの問題が周辺住民に大きな不安をあたえている。

  現在緑園を中心に約2300名が高秀市長を相手に、?2001年以降の第7次事業の中止と代替地の選定、?焼却灰の飛散対策、水質汚染防止などの安全対策、?処分地周辺の環境保全林設置場等を求める調停を県公害審査会に申請中である。