■かながわグリーンネット■
   ストップ・ザ「むだな開発と環境破壊」
−神奈川の自然保護と財政再建をめざして−
 
報告1.第2東名・246有料バイパス
−高速道路のこれ以上の新設は環境を破壊し、街の発展を阻害する−
 北山 宏之 (伊勢原の自然と環境を守る会・神奈川オオタカ保護連絡会)

1) 第2東名・246有料バイパス(厚木・秦野道路)の計画と運動団体側
のこれまでの動き
 
 以下に、時系列的にまとめた。
 ’87年6月  4全総(第4次全国総合開発計画)として閣議決定
‘89年1月  国土開発幹線自動車建設審議会(国幹審)で基本計画の策定(横
浜市〜東海市 2       90Km)
‘90年      日米構造協議 430兆円の公共投資基本計画の発表
‘92年12/1 第2東名・246有料バイパス新聞発表
‘93年2月  秦野の自然と環境を守る会 結成
‘93年7月  伊勢原の自然と環境を守る会 結成
        8月  都市計画地元説明会   11月 公聴会………………………………
……………
‘94年      村山内閣の時に公共投資基本計画が430兆円から630兆円に膨れ上がる
‘94年2月  第2東名県内ネットワ−ク連絡組織の結成
        11月  全国自然保護集会(厚木森の里・青山学院大)
‘95年6月  神奈川グリ−ンネット創立
        7月  神奈川オオタカ保護連絡会結成
‘96年6月  都市計画決定
‘98年4月  施行命令(海老名〜伊勢原)6車線 → 暫定4又は2車線  事業費 約5000万円/1m

(2) 環境破壊の高速道路を作らせないために
 現在の重点はトラスト、オオタカ保全、世論を盛り上げる、ネットワ−ク(横とのつながり)などである。
(3) オオタカ問題
  神奈川オオタカ保護連絡会のホ−ムペ−ジを開設した。(アドレス下記)。‘99年1/17にオオタカ保護シンポジウムを開催した。伊勢原のオオタカについては、’98.4月に営巣木を発見し、6月 県、市の環境部門へ要望書を提出し、記者会見を行なった。ポイントを以下にまとめた。
 ○ オオタカの専門的な調査委員会の設置
    → 建設省とうちあわせて設置する。地元の保護団体のメンバ−も推薦
○ オオタカ保護のための施策
    → 市の意見も聞き、鳥獣保護区設定の可能性を検討する
○ 県立公園の計画についてオオタカの営巣地にふさわしいあり方の検討を
    → 県が土地を買い上 げれば緑を保全するための担保になる。
  さらに‘98.9月には秦野・伊勢原の両守る会として2回目の記者会見を行ない、以下のように新聞報道された。

・・・  ’98.9.25 朝日新聞より・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  オオタカ5営巣地確認  第2東名建設予定地  市民団体、保護訴え

 秦野市などの「第2東名自動車道」と「厚木秦野道路」の建設予定地近くで、環境庁のレッドデ−タブックで絶滅危急種に指定されているオオタカの営巣地が5ヵ所確認されたと、秦野市と伊勢原市の環境保護団体が24日発表した。2つの巣でヒナが巣立ち、2ヵ所は道路計画のル−トにかかっているといい、営巣地の
保護対策をとるよう求める署名活動も始められた。営巣地を確認したのは「秦野の自然と環境を守る会」(柏木又一代表委員)と「伊勢原の自然と環境を守る会」(北山宏之代表)で、第2東名の計画ル−ト近
くでは秦野市で3ヵ所、厚木秦野道路では秦野市と伊勢原市にそれぞれ1ヵ所ずつ見つけた。昨年も3ヵ所で確認されている。第2東名では、秦野市北部の2ヵ所がル−トから1キロ近く離れているが、同市西部の1ヵ所はトンネル予定地の真上にあたるという。厚木秦野道路では、伊勢原の1ヵ所がル−トから100メ−トル、渋沢地区の1ヵ所はル−ト上にあたるという。
 秦野市西部の巣では、5月に3羽のヒナがかえり、柏木さんらの団体が6月に3羽が巣立つまでビデオ撮影。20日からは、渋沢地区の繁殖地買い上げなどの対策をとるよう秦野市に求める署名活動を始めた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ということで、丹沢山麓に密度濃くオオタカの営巣地が存在するので、広くエリア全体を保全していくことが重要である。行政による土地の買い上げなどを求めていきたい。

(4) これからの街づくりにむけて ―川崎公害訴訟判決後の川崎のまちづくりを参考にして
  基本的な考え方は交通容量にあわせた自動車走行管理(車が増えたから道路を作る)から、環境容量にあわせた  自動車走行管理(交通需要を管理する)へと、大きく転換することが先進国の流れとなっている。
これをもとにして、まだ実現していないと思われる要望項目(たとえば市への要望)を川崎公害訴訟判決後の川崎のまちづくりのパンフレットを参考にして以下にまとめた。
 
市への要望項目 (案)

1.市のバス・清掃車などの公用車にディ−ゼル排気微粒子フィルタ−を早期に取り付けること。
2.市のバス・清掃車などの公用車に電気自動車、ハイブリッド車などの低公害車、無公害車を
    早期に導入すること。
3.低騒音舗装を早期に全面的に行うこと。(高速道路など優先的にか?)またその計画を示すこと。
4.大気汚染浄化システムの導入 (川崎の例では土壌や光触媒による脱硝)
5.住宅密集地を通る道路には大型シェルタ−を。(遮音壁、緩衝空地、植樹帯など)
6.主要幹線道路の大型車規制を行うこと。とりわけ、大型車、ディ−ゼル車が居住地域に入らないようにすること。
7.一定規模の事業所を対象に、その保有・使用する自動車からの排ガス総量を割り当てて規制し、地域全体の自動車排ガス総量の削減をはかること。なお規制物質としては、二酸化窒素とともに浮遊粒子状物質(SPM)も含めること。
   各事業所において、排出総量削減計画の作成・届け出および計画履行状況等の報告を義務づけること。
8. 幹線道路を中心に、歩行者(車椅子を含む)・自転車優先の視点をふまえて、歩道や横断歩道、自転車道を整備し、主要駅前に自転車ステ−ションを整備すること。
9.SPM (浮遊粒子状物質)の測定局を設置すること。SPM 2.5ミクロン以下の疫学調査を検討すること。
10.ロ−ドプライシングの導入
   イギリスの例:
  (1)自治体は混雑した都心部や観光地へ乗り入れるドライバ−から混雑料を徴収する。
  (2)高速道路や主要幹線道路を有料にする。(3)会社が従業員に提供する駐車場に対し課税する。
   (3)これら3つのル−トからの税収をそっくり公共交通機関や歩道、自転車道の整備や充実に当てる。
11.市は高速道路から固定資産税を徴収する。

(5) その他の情報、動向
  参考になりそうなホ−ムペ−ジを以下に紹介する。
「神奈川オオタカ保護連絡会」    http://www.asahi-net.or.jp/~vq4m-snb/
「秦野の自然と環境」
http://www02.u-page.so-net.ne.jp/ya2/take-ma/
「第2東名・名神まぼろし化計画」 http://www.spice.or.jp/~katapon/
「道路公害反対運動全国連絡会」
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/hk509300/
「環境行政改革フォ−ラム」       http://www.bekkoame.or.jp/~k-ikeda/
 
連絡先: 伊勢原の自然と環境を守る会 & 神奈川オオタカ保護連絡会
  http://www.asahi-net.or.jp/~vq4m-snb/    Eメ−ル :kitayama@crc.canon.co.jp