今年の全員へのお題 コロナ禍を越えたらやりたいアウトドア

 

顧問 熊野谿 寛

 

 さて、今年のお題は「ポスト・コロナにやりたい事は何か」という事にした。しかし、この「全員へのお題」との看板には偽りありだ。全員が出すとは全く思えない。何人出すかなぁ??ただ、原稿を出さず、ミーティングにも来ないと、何の連絡も来なくなって部から自然消滅することになるのが野活の姿ではあるのだが。

 

 コロナ禍二年となって、去年より山に足を向けた。と言っても、八ヶ岳山麓のボロ小屋から奥秩父の金峰山・甲武信岳とか、八ヶ岳の雪尾根に日帰りで出かける程度の「つつましい軽い散歩」が多かった。それでも、春には一回り上のスーパー親父とトレーニングを何度かしてから八ヶ岳・大同心大滝のアイスクライミングも登らせてもらった。しかし、夏は天気が悪すぎて、岩登りもせずに過ぎ、冬を目前にあわててアイゼントレをするありさま。先日、八ヶ岳の裏同心ルンゼにアイスクライミング始めに出かけたのだが、どうも動きが怪しい。

 

 そんな事からポスト・コロナの第一は、クライミングの再入門だ。そんなにアブナイ所、難しい所は登れないが、まだ登っていない阿弥陀岳北西稜とか、大同心北稜とかは魅力的だ。もっとも真冬の-20℃位と強風ではヤバイので、軟弱にも春の暖かい日がよいだろう。ただ、そのためには身体を作り直さないとあの世に行きかねない。

 

 それにしても、コロナ禍で日本中の山小屋は死にかけている。もともとドローンに押されて撤退が相次ぎヘリ輸送が風前の灯だった所に、お客が来なくなったのだから目も当てられない。日本中の登山道は、その多くを山小屋がメンテしているのだが、このままではそれも危うい。貧乏人はテント泊ばかりなのだが、小屋が消えてしまったら、大半の山は人が入れなくなってしまう。小屋の危機は山屋の危機でもある。私たちにできる事は何だろうか。日本の国立公園法制の根本にかかわる問題でもあるのだが、正面から考えていくべきだろう。

 

 一方、セカンドライフの半ばの拠点とした八ヶ岳のボロ小屋では、この春に穴掘りから始めて無線の鉄塔を自分の手で建てた。首都圏とも伝搬がよければ5Ghz帯でも交信できるので、これからいろいろな実験をしてみたい。そうだ、雪山からハイビジョンテレビを送る夢も、機材をなんとか作って果たさないとなぁ。

また、小屋の庭は狭いのだが、春から夏までは一面のフキ畑。フキの料理はいろいろ作った。鹿がうろつくので、食害にあわない野草があったら植えてみたいものだ。

そんなこんなで、やりたい事はたくさんあるのだが、時間がない。先だつものもあまりないが、早く悠々自適にこれらに打ち込みたいなぁ。人生は有限。残り時間はそんなに長くないからなぁ。

さて、若い部員諸君はどんな夢があるのかな。私が部活で付き合えるのはあと数年だけど、夢は無限に持ちたいものである。