今年のお題

「もし無人島(秘境)に一人で行くことになったら」

顧問 熊野谿 寛

 

 毎年の部誌に「今年のお題」を課してきた。しかし、20年もやっていると、同じ様な題が増えてネタ切れ気味となる。そこで、今年はテレビで「黄金伝説」が終わったからと言うわけではないが、「もし無人島(秘境)に一人で行くことになったらどんな事をしたいか」とした。さて、部員諸君のイマジネーションはどんな事を書くだろうか。

 

 無人島…という事だと、本当は日本から離れた絶海の孤島をイメージしたい。でも、実際には瀬戸内海の小さな島がやっとだろうか。本当は、外国の絶海の孤島が良いのだが。

 そんな場所に行くなら、何よりも水や食料などのライフラインの確保が大きな課題となるが、ぜひとも無線機一式を持って行きたい。実は私は、かれこれ40年はアマチュア無線を続けてきたのだ。遠い絶海の孤島から無線運用すれば、世界中からたくさんの局が群がるように呼んでくれるだろう。(こいつを ペディションと呼ぶ) 短波で世界を相手にするか、アマチュア衛星で交信するのも楽しいだろう。電源は太陽電池か太陽熱発電、川があれば小推力発電が面白いが、やはり発動機も必要になりそうだなぁ。でも、エネルギーの自給をめざして、いろいろやってみることができたら面白いだろう。

 

 秘境…という事だと、やはり雪男探しだろうか。それとも絶世の美女だというから雪女を探しに行こうか。もっとも、雪女では出会えたら生きて帰れないかな。雪を踏みしめ、氷の谷や雪壁を登って頂きに立つだけでも十分に楽しいのだから、ベースを雪洞でしっかりと作って、自在に探し回ることができたら、そして絶世の美女である雪女に出会えたらどんなに楽しいだろうか。

でも、現実の私にはそんな力はとてもなく、せいぜい雪と岩、氷の山を歩き回るくらいができる限界の様だ。ささやかな願いではあるが、今年こそまともな冬が来て、数年来の目標である甲斐駒ケ岳に黄蓮谷のアイスクライミングで登れる事を期待したい。