二年目の野外活動部

 

1998/10/2

顧問 熊野谿

 

昨年度に発足した「野外活動愛好会」は、今年の春、めでたく(?)部への昇格が認められて、「野外活動部」となりました。

さて、「野外活動」という言葉は、実に広い範囲の活動を含んでいます。では、この部は何をするのか、というと基本スタンスとしては、「なんでもアリ」で行こうという事で始まりました。ですから、校内焼き芋大会、薫製づくり、テント設営コンテスト、昼鍋(闇にはならなかった…)など、多分、他のいわゆる「部活」」から見ると、「なんだこりゃ」という活動も(ばかり?)喜んでやってきました。私としては「雪遊び」とか、かまくら作り等も面白いだろうと思っています。

ただ、部のメンバーの中心は「釣り人」や「釣り人ジュニア」という釣り師が多くをしめています。ですから、日常の活動の中心は江ノ島界隈での釣りや、仕掛け作り、などが中心をしめるのが現状です。

 

もっとも顧問の私はと言えば、釣りは「おい、天秤はどっち側から下げるんだっけ」という有様で、釣りはトーシロにも届かない存在。それでも、ともあれ山屋で冬山と沢が大好きですから、部員諸君が「渓流に行きたい」「岩魚を追いかけたい」と言えば、喜んで沢へと彼らを連れていきます。釣りの方は部長の方が中心ですが、彼らと沢に行って、ちゃんと生きて帰るようにするのが私の仕事ということです。

 

部活動で最大の行事である「夏合宿」には、去年は「宝川・ナルミズ沢」、今年は「奥只見・恋之岐」へとでかけました。二回とも青春18切符で各駅を乗り継ぎ、バスを乗り継いでから歩き、テントをかつぎ、流木でたき火をする合宿です。去年は最高の天気で、楽しめましたが、今年は特に悪天で沢は増水しており、沢の上まで行かず国道横にテントを張るはめになりました。さらに、一日目は途中でへばり、予定地まで行き着けないので、地元のオッサンのトラックでキャンプ場に戻るというありさまでした。それでも、部員諸君は豪雨の中でのたき火を楽しみました。部長の仙人は岩魚を一日に一匹はつり上げ、まわりも味見にあずかることができました。できたら、晴天の美しい沢で岩魚と水に戯れる日が一日だけでもほしかったのですが。でも、悪天には悪天なりのつきあい方をすることが、長生きの秘訣であり、結局は長く楽しむ最大のコツなのだと思います。

 

自然相手の活動で何よりも大切なのは、自然そのものについて深く知る事です。そして、自分の体力・技術の程度を見間違わないことです。私は神奈川県勤労者山岳連盟の活動を通じて「登山は創造的・総合的な文化活動である」と教えられてきました。が、これは野外活動の全体にてあはまる事なのだと思います。

自然保護が言葉としては叫ばれる昨今ですが、自然に頭の先までどっぷりとつかり、楽しむ機会は少ないのではないでしょうか。「野外活動部」が、そんな事も多少は出来るかも知れない変わり種の「文化部」になってくれるといいなぁ、と私としては思うのです。