保護者各位

1997年6月11日

顧問 熊野谿 寛

野外活動愛好会の設立について

 

この度、高2の**君たちを中心に野外活動愛好会を設立する運びとなり、顧問を引き受ける事になりました。「野外活動」と一口に言っても、その範囲は広く、漠然としているかもしれません。しかし、自然にかかわり、自然と共に活動することを通じて、自然に親しむという点は、それぞれに違いがあっても同じかと思います。

初代部長となる**君ほか、メンバーの中心は釣りの愛好家たちですが、参加しているメンバーにはキャンプが好きな者、山に行きたい者なども含まれています。設立にあたっての話し合いでは、一人一人が自分の好きな分野について各自で極める事を大切にしつつ、お互いの愛好している分野を知り、一年間の活動の中で様々な自然とかかわる野外活動の楽しさを知ろう、という事を確認いたしました。内容については手探りが続くかと思いますが、生徒諸君と内容をさぐっていきたいと考えています。

私は、**学園に来てから10年ほどワンダーフォーゲル部の顧問をしておりました。当初は登山について何も知らないに等しかったかと思います。しかし、生徒諸君に山の楽しさを教えられて社会人山岳会に加わり、そのリーダー講習などを受ける中で、すっかり山屋となってしまいました。今でも元・ワンゲルのOBとは春の北八ケ岳でクロカン遊びにでかけたり、山屋を志すOBと冬の北アルプス・鹿島槍に出かけたりしております。残念ながら釣りについては、ほとんど何も知らないに等しいのですが、できる限りの事を生徒諸君から吸収して、一緒に活動から学んでいきたいと思っております。

今回、野外活動愛好会は、文化部として設立いたしました。これは野外での活動が、体を動かす活動であると共に、対象となる自然について科学的な知識を持ったり、様々な生活技術や考え方など、様々なカルチャーを求める活動であるという事から、このようにしたものです。これは、ワンゲル顧問時代にも常々考えていた事で、スポーツ科学、自然についての科学、自然をとりまく社会についての科学、人間と自然との関係についての哲学など、様々な分野を含んでこそ、野外活動は真に広がりを持ったものになると思います。

しかし、同時に野外活動愛好会という名称が示すように、キャンプやその他、野外での活動を部として行う事も当然、予定しております。こうした場合、安全の確保が顧問にとって最大の役割となり、ご家庭の心配事ともなるかと思います。そうした事から、部としての野外での活動については、安全に十分に配慮すると共に、事前に計画を配布し、参加についての保護者の方からの承諾をいただく事にしたいと考えております。釣りなどについて、部員が個人で出かける、友人とでかける場合もあるかとは思いますが、部として出かける場合には、必ず計画の配布及び承諾書の提出をへて行いますので、この点、ご確認いただければ、と思います。

埼玉県・飯能市の中学校にも、「野外活動部」という文化部がある旨を聞いておりますが、なにぶん、初めて設立される部活で手探りの活動が続くかと思います。保護者のみなさまにもこれらの点をご理解いただき、ご協力いただければ幸いです。なお、設立に当たり、とりあえず、部費500円徴収する事になっております。この点もご承知おきいただければ、と思います。また、何かご不明な点がありましたら、どうぞ熊野谿までお問い合わせ下さい。