私 と山       
顧問 熊野谿 寛


 山との出会いは、遠く小学生時代に戻ります。遠足や集中登山だけでなく、八ケ岳の合宿生活では、朝、沢の水で顔を洗い、沢歩きもしました。中学・高校で は、奥多摩にクラブ(無線部の遠足?)などで出かけ、大岳山に大きな重い布テントを張りました。一度などは水場が渇れており、一度下山して、水20リット ルをかつぎ上げた事を覚えています。2人の姉も山好きで、大学に入った年には、雪深い雲取山に3人で出かけりしました。奥多摩は、今でも「ふるさとの山」 と思えてなりません。

 さて、そしてしばしのブランクをへて、学園に来てワンゲ ルの顧問となって早くも8年がたちました。特に、5年前に社会人山岳会の門をたたいて以来は、最大年間66日・最低42日の山行を重ね、「山好き」どころ か「山狂い」と言われてきました。以来、下手の横好きか、雪山・山スキー・沢登りに岩登りと、なんでも一通りは手をつけてきました。しかし、夏は沢登り、 冬は山スキーと雪山が今の所最も気に入っています。ラッセルで登り詰めた雪の山頂や吹雪のテントでの停滞、美しいスラブを流れる水の輝き、河原での焚火と ビバーク、奥秩父の原生林・・・。雷に吹っ飛ばされたり、滝壷に落ちたり、おっかないこともたくさんありましたが、「生涯現役」「生涯登山」が目標です。

 でも、最近は忙しいので、半日だけで丹沢の沢を登ってす ませる事がしばしばです。「それでも行くの。好きだねー」と言われます。しかし、私にとっての「山」は生活のどうしても欠かせない一部〜生きている目的の 大きな一つ〜なのです。