卒論執筆のためのごくごく事務的な助言です (比文3,4年生用)

 

 

 

準備から提出まで

1)とにかく早めに準備すること。10月に中間発表会があるが、その直前にあわてて章立てを作るようでは遅すぎる。

(これでもぎりぎりの)目安としては

・夏休み前と後に、少なくとも一回ずつ主査副査に相談する。できていないので指導教官に顔合わせできない、という人がいるが、逆である。できていなければいないほど、早く会ったほうがよい。会わないと、中間発表や口頭試問でかえって厳しく言われてしまう。卒業しようとする人に、「この本を読むべきだった・・・」などと言うのはあまりにも空しいのだ。

・就職活動とのかねあいは大変だが、10月には半分くらい書いているのがよい。その後は、一章ごとに3人の指導教官に見せ、意見をもらう。

・提出は12月末だが、直前はコンピュータが壊れたり、プリントがうまくいなくなったり、風邪をひいたり、とアクシデントが起きやすい。どれも提出できない言い訳にはならないので、12月初旬の完成を計画しておくのが安全。

2)相談は原則として、主査副査の3人の先生にすること。とくに副査の先生には遅れがちだが、提出直前になってあわてて持っていくのはかえって失礼になる。

とくに主指導の先生の授業には、4年生の時はかならず出るようにしよう。発表などでチェックしてもらえる。授業にも出ないで、論文を直せ、というのはまずいでしょう。教師としても、授業に出てない人の指導は「読むだけ」程度になってしまう。

3)指導教官は「添削教官」ではない(ときどき「添削して下さい」と書いてくる人がいるが、これはまずい)。誤字脱字など、よく文章を推敲してから見てもらおう。推敲の過程であれこれ考え直すのが重要なので、これを楽しむくらいがよいのだ。指導教官には内容的な助言に集中してもらったほうが得でもある。もちろん形式的なこと(注の付け方など)は、最低限自分で調べた上で、相談にのってもらってよい。

4)題名の付け方。

 これはなかなか難しい。ときどき「ジェンダー論を越えるサーバースペースの民族学(?)」などと恰好付けた題名を付けそうになってしまう人がいる。やる気を出すにはいいが、よほど結論の見通しがしっかりできていないかぎりは、避けた方がよい。一般に動詞を入れないほうが無難といえよう。

無難なパターンとしては

・主要タイトルとして取り扱うべき材料を提示・・・例)「1930年代のマグリット絵画研究」「19世紀後半のフランス絵画における身体性の問題」など

・副題として、方法論や視点を提示・・・「アンチ・テクスト論的な視点から」「写真における時間意識に注目して」など

口頭試問について

分野によって違いますが、今のところ比較・現代文化では執筆者と主査、副査2人で1月中に行います。掲示などはしないので、提出後連絡が付くようにしておき、日程が決まるまで予定などをあまり入れないこと。この「試練」を経て、評価と合否が決まります。ただし「非公開」というのでもなく、友達や興味ある論文を書いた人の審査に立ち会うのは問題ありません。本当は公開審査でもよいのですが、主査副査学生の全員の予定を合わせるには人数が多すぎて・・・

 

 


最終更新日 : 2006年7月2日