préface

・空間、言語、死、そしてまなざし という問題設定

「病理的なものの根本的な空間化と言語化の水準に決然と(une fois pour toutes)身を置くこと」(VIII)→ そこにおいてこそ「事物の毒をもった中心に注がれる雄弁なまなざし」が生まれ、集められる。

Pomme Bayle の「全体的でわずかな変容」

あきらかな断絶。

しかし「私たちの確信の手前において、どのような根本的な経験がこの分裂を創設したのか」→ この経験において確信が生まれる。← ある空間が解放され、「事物の明確な切り取り」が可視化される。

「客観性」の成立という考えの批判

・医者と患者が交流していた「幻視的空間」が消え去ったわけではない。

→ それは移動させられ、患者の「特異性(singularité)」=「主観的症候 (symptôme)」に閉じこめられる。→ それが医者が「認識すべき対象」

・医者の「還元=縮減的な言説によって」客観化されると同時に、実証的なまなざしの対象として基礎付けられる。

→ 身体と視線が交差する空間において再配分。

・変化したもの:言語を支える「無音の布置(configuration)」「語るものと語られるものの間の状況の変化」

・言説の変化(「合理的言説の成立」)

「事物」と「言葉」がいまだ分かたれていない領域に問いかけること。

見えるものと見えないものの根源的な分配 = 発話されるものと語られないものの分離に関係→ 医学的言語とその対象の接合がひとつの形象として見えてくる。

「知覚の語られた構造」=言語がその凹みにおいて容量と尺度をくみとるような充実した空間。→「病理的なものの根本的な空間化と言語化の水準に決然と(une fois pour toutes) 身を置くこと」

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Pomme (P.)

- Traité des affections vaporeuses des deux sexes, 1769.

Bayle (A. L. J.)

- Nouvelle doctrine des maladies mentales, 1885.