スティーヴン・ホール「キアズマ美術館」の提起するもの
・ これまでとの関係
フーコーがいう「パノプティコン的」ではないような、空間とのかかわり、他者とのかかわりをどのように模索すべきか。
→ 注目点。
(1)パノプティコンにおいては視線がまじわらない。視線が絡み合うような空間はどのような空間なのだろうか
(2)パノプティコンにおいては身体の行為がすべて権力によって統御・記録・分類される→ 権力の網目から自由であるような身体運動をおこなえるような空間とはどのような空間だろうか。
スティーヴン・ホール
・ 現代アメリカの建築家
・ 建築における現象学的運動の代表者。感覚的経験や身体運動に注目した建築運動。
・ 光や色彩が「かたち」をつくっていること
・ 身体の「トポス」に注目
・ 視覚、聴覚、触覚を総動員した身体性
ポストモダンの断片化した建築を乗り越えること。
キアスム(交差配列)視線と視線の絡み合いの場。
内部と外部の反転
触覚的な要素を視覚に取り込むこと。
ポロシティ
ニュアンスのある光を測るものとしての身体。
身体を光が包囲すること。音楽に近い。
襞を折りたたんだり、繰り広げたりするような空間
物質のキメや匂い
見えないものをその場で感じさせてくれる空間
インスピレーションの源
メルロ=ポンティの現象学的哲学
世界に住み込んでいるものとしての身体を研究。
見るものと見えるものは、ずれながら交差している。右手と左手の反転の例。