学際科目 10月2日 戦後フランス思想

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みずからの足元をたえず切り崩していく思想の系譜

(A)1945〜1960 実存主義の時代:「実存は本質に先立つ」

サルトル、ボーヴォワール、メルロ=ポンティ

1)サルトル 『存在と無』『壁』『嘔吐』1905-80

「私は自由に運命付けられている=私は自由の刑を受けている」:選択、投企、アンガジュマン、偶然性、知識人の政治参加

現実を「無化」

脱自的:「意識はそれがあるところのものではなく、あらぬところのものである」

まなざし:自他の相剋

評価:捕虜体験の重要性、存在と無の二元論、共産党との関係のあいまいさ

ボーヴォワール『第二の性』(文化的次元における女性の疎外)

2)メルロ=ポンティ(1908-61)『知覚の現象学』『眼と精神』『見えるものと見えないもの』

・存在と無の間の次元を「両義性」として追求

身体性の問題。身体を通じて世界に「根付いている」主体を記述

知覚世界は身体によって受動的に構造化されている

意味の発生状態をとらえること。差異として現れてくる「語る言葉」(ソシュールの受容)

評価:存在の厚み、深さ、それにはまりこんでいる身体の不透明さ

それを通した「表現」

構造主義の受容とサルトルとの訣別

芸術論

(B)構造主義の時代(1960年代)「シニフィアンの優位」

狭義の構造主義

ロラン・バルト『モードの大系』(1967)、クロード・レヴィ=ストロース『野生の構造』、アルチュセール

ソシュールの言語学を引き継いだ記号論

主体の優位を否定

無意識の構造の沈殿

(C)構造主義以後の思想(1970年以降)

1)ミシェル・フーコー 『言葉と物』『狂気の歴史』『監獄の誕生』『性の歴史』

人間の死

2)ジル・ドゥルーズ

・リゾーム

3)ジャック・デリダ

・ロゴス中心主義の批判

・差延

・歓待