フーコーの権力論(4)

 

 前回の授業では、近代の「監視」のまなざしが、行動の抑制といったネガティヴなものではなく、むしろポジティヴに行為をうながし、個性や多様性を作り出すようなものであることを強調した。権力は「個別的でもあり、全体的でもある」のである。そのうえで、この「規律権力」が「生の権力」へと変容していくことをイントロした。

 

◆「生の権力」の分析へ

「死なせるか生きるままにしておくという古い権利に代わって、生きさせるか死の中へ廃棄するという権力が現れた、と言ってもよい」(第一巻、175

「一九世紀は性を抑圧してきた」という仮説の批判。

ヒステリー(シャルコー)、(女性の)身体

シャルコー(1825-93)。フランスの神経学者、精神分析医。1882年「サルペトリエール病院」教授。催眠法を利用した、ヒステリー研究で知られる。催眠術で症状を再現。フロイトの精神分析に影響を与える。

・「写真」の使用。

・ヒステリーの可視化

・「病院」という場所についての関心。病気というものをありのままに見させ、病気の真理を作り出す場→これはどのように成立したのか。

 

○フーコーの理論の応用

ジル・ドゥルーズ、20世紀後半のフランスの哲学者。主著『アンチ・オイディプス』『千のプラトー』『シネマ』など

例)ドゥルーズの「コントロール社会論」

・君主型権力規律型権力コントロール型権力

コントロール型権力とは

コミュニケーションをあやつる権力

病院、教育、職業環境の変化。

何一つ終えることができない。

サイバネティックスとコンピュータ

非コミュニケーションの空洞や断続器を作り上げること。

 

ではどうすればよいのか??

ヒント

(1)谷川俊太郎「なんでもないものの尊厳」(『定義』)

(2)ドゥルーズ/ガタリ「リゾーム」(1976

「リゾーム」樹形図上の構造とはことなった、横断的な関係の模索。

私と言わない地点に到達するのではなく、私というか言わないかがもはやまったく重要でないような地点に達すること。」

無意識を構築すること、多を作り出すこと

接続だけがあるような世界。

反系譜学、短い記憶、反記憶

多数の入口と出口

始まりも終点もない、接続だけがある。「・・と・・・と」