「見果てぬ夢」創作ノート3

2012年10月

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10/01/月
暑い夏も終わってようやく秋になった。8月のアタマから本格的に書き始めた『菅原道真の見果てぬ夢』は、3ヵ月目に入った。昨日から最終章に入っているので、今月中には完成すると希望的に考えている。一気にゴールに突き進みたいところだが、大学の後期が始まっているし、著作権関係の公用も1月に入ると目白押しになる。仕方がない。時間をやりくりして、何とか前進したい。
さて、月曜は大学出講日。朝の1限。本日はAO入試や武蔵野文学賞の応募原稿を読むのに大半の時間を費やし、夕方の学科会までに自分の仕事ができなかった。ということで、夜中に少し無理をして先に進むことにする。久しぶりに道真と妻の会話。この妻との会話がこの作品の狂言回しのようになっているので、軽く書くのだけれども重要な要素になっている。このあと、作品の最大の山場といえる基経との対話がある。

10/02/火
大学。1限だけ。2年生のゼミ。この学年はレベルが高い。いい書き手がいる。研究室に戻って、必要なメールを出し、学生の作品を読む。3時に大学を出て、文藝家協会で4時半からの会議。明日はゆっくり寝られるので、深夜まで仕事ができる。いよいよ基経との対話。そのあと基経はすぐに死ぬので、最後の山場といっていい。これからあとは、道真には敵がいなくなる。そのあたりで気が抜けないように、エンディングの悲劇に向けて、じわじわとスリルを演出したい。

10/03/水
教育NPOとの定期協議。年に3回くらい会う人々。役員は皆、ボランティアでやっている。すごいことだ。さて、自分の仕事。道真と基経の対決。ここが山場なのだが、道真の過渡期でもあるので、前半のようなスリルが出てこない。ここはじっくりと考えたい。

10/04/木
午前中、図書館関係者との定期協議。図書館会館は茅場町。それから大学へ。距離はあるが東西線一本で行けるのはありがたい。木曜日は3コマの日。定期協議で少ししゃべったので、本日は勢いがついて3コマともしゃべり続けた。そのあとも学生2名と飲み会をした。長い一日であった。

10/05/金
ネットで買ったパソコンが届いた。昔、教え子がネットでパソコンを買って踏み倒されたと嘆いていたので、通信販売は怖いと思っていたが、買いに行くひまがないのでネットで買った。いま使っているhpが最悪だったので、今回は日本メーカー限定で探した。どうせ中国で作っているのだろうが、日本メーカーの誠実さを信頼した。hpは取り扱い説明書もついていなかったが、届いた梱包を開けるとちゃんと説明書がついている。文字どおりラップトップで膝に乗せて使っていたが、足を傷めたので、テーブルに乗せて使うようになった。それで少し大きめのを買った。大学のパソコンが更新されて、ATOKなどを入れ、ワードの整備などをした。その記憶が新しいうちに自宅のも更新することにした。数日前に、休止状態から復旧できずに死んだふりをした。セーフモードで起動した復旧したが、その後も、休止状態からは復旧できずその度に誤作動するので、一日の終わりには終了するのだが、それまではずっとつけっぱなしにしている。その状態だと動くことは動くのだが、何となく挙動がおかしくなることもある。本当に死んでしまう前に、データの引っ越しをしたい。明日は休みなので、パソコンの初期設定に一日をあてる。この文章はまだ古いパソコンで打っている。本日はメンデ協会の運営委員会。軽く飲んで帰る。

10/06/土
本日は休日。だが昨日届いたパソコンを使えるように整備しなければならない。朝の9時すぎにスイッチを入れる。ウィンドウズの最初の起動だから何やかやと質問に答えなければならない。次に何をなすべきか。まだネットにつながずに、ATOKを入れる。これでないと入力できない。次はセキュリティーソフトの導入。それから古いパソコンから必要な情報を外付けハードディスクなどで入れる。このホームペイジの情報も移動。そこで作業がストップした。更新しようと思って、ファイルを開けると、ブラウザが立ち上がってネット上の画像が見える。ここからソースを表示するとメモ帳が開くはずなのだが、メモ帳ではないものが開いた。これはタグがカラーで表示されるのだが、どうやっても文字を入力できない。どうしたら入力できるのかがわからず、結局、メモ帳を先に開いてファイルを呼び出すことにした。これで何とか入力できる。それからワードを起動するとまた何やかやと質問。ようやく開いたドだが、使えるようにするのに時間がかかる。これでも先日、大学のパソコンでやったばっかりだから、スピードアップしているはずなのだが。ATOKは入れたものの、辞書の移動とキー配置の調整で時間がかかる最後はプリンターのドライバーをネットからダウンロード。午後5時までかかった。自分の仕事がまったくできなかった。

10/07/日
日曜だが大学へ。妻に車で大学まで送ってもらう。AO入試の面接。1時間に3人のペースで14人。ということは5時間かかる。疲れた。昨日、パソコンの調整をしたのだが、文章を書いている時に、度々、カーソルが先の方に飛んでしまう。その原因をずっと考えていたのだが、右手の親指の付け根がタッチパッドに触れてしまうのだろう。無線のマウスをつけているのでタッチパッドは必要ない。そこでタッチパッドのスクロール機能を切り、感度も最低にしたら、怪しいカーソルの動きはなくなった。これでほぼ問題はなくなった。ホームページのソースの表示でメモ帳が開かない問題はメモ帳を先に開けば表示できる。使い勝手がよくないのだが、これも慣れの問題だろう。

10/08/月
祝日だが大学へ。昨日は入試だったが、今日はふつうの授業。月曜日だから1限がある。明日は休み。世間は休日で道路がすいているので、昨日と同様、妻に車で送ってもらう。1限を終わって、あとは研究室で自分の仕事。と思っていたら、入門ゼミの担当の先生が、今日の座席表というのを届けてくれた。専任の先生がリレーで担当する授業。今日が担当だということを危うく忘れるところだった。まあ、昼休み前だったので心の準備ができた。2コマ連続の授業。来週も連続して担当するのだが、今日がメインの話で、来週は雑談をしてしめくくるつもり。5限目はいつも学科会。1限のレポートを読むひまがなかったので、学科会に出席しながら内職。学校の仕事だからいいだろう。昼休み前に研究室で自分の仕事が少しできたのでよかった。明日は休みなので夜中もたっぷり仕事。源光が出てきた。光源氏ではない。源光。そういう人がいたのだ。しかしここはわざと光源氏を意識しながら話を進める。こんな名前なのだからハンサムだろう。しかしこの作品ではカタキ役だ。道真に意地悪をする担当。良房、基経という、悪役がすでに亡くなっているので、3代目の悪役をこの人物が担当する。最後は泥沼にはまって死ぬ、気の毒な人物である。この人物が登場するので、エンディングに向けて、話がわかりやすくなると思う。研究室でインターネット・エキスプローラーをいじっているうちに、ホームページをメモ帳で開く方法を発見。ブラウザの設定の中に編集をメモ帳でやるという項目があり、これを指定した上で、ページの中の「ソース」ではなく、「メモ帳で編集」を選択すると、メモ帳で開ける。いまそれで開いたメモ帳に書き込んでいる。これでやっとすべての作業が、前のパソコンと同じ感じでできるようになった。

10/09/火
昨日が大学の出講日だったので、本日は代休。こうしないと月曜の授業が減るということだろう。わたしは火曜の1限がなくなって嬉しい。久しぶりにゆっくり眠れた。メールアドレスの移動をしていないので、こちらからメールを出すことができないのに気づいて、旧いパソコンを起動させようとしたら、死んだふりをした。いよいよ断末魔だったのだろう。十数回試みたらやっと動いた。アドレスをコピーして、新しいパソコンに移す。これで新規メールが打てるようになった。それ以外は快適に作業ができる。画面が横長なので、ネットの文字を大きくして見ることができるし、テンキーがついているので、このページのような日付の数字を入力するのが楽だ。
ところで、新しいパソコンの設定作業が一段落したところで、いままでこの作業を何回したのだろうと考えた。初めて買ったパソコンはウィンドウズ3.1だった。まだDOSの画面を呼び出せたりした。インターネットではなく、パソコン通信の時代だった。ウィンドウズ95が出た時は、ソフトだけ買ってインストールした。CPUを追加で増設した。そのころは仕事には専用ワープロを使っていた。プリンターのついていないノートワープロで、プリントする時はフロッピーに入れてパソコンに移動した。当時のパソコンにはFAX機能がついていて、FAXにして編集部に送ることもあった。W大学の専任扱いの客員教授になった時はノートパソコンの貸与があったので、自宅で使った。それで専用ワープロはお払い箱になった。この貸与されたパソコンがなぜか3.1で、ワードなのに変換はATOKだった。これは便利で、いまでもそのコンビで仕事をしている。専用ワープロはカナキーが、変換キー(パソコンのスペースキーにあたる)の右隣にあった。いまでもキーの配置をこの配置に変更して使っている。それから自宅のデスクトップが98になり、XPになった。この時に光ケーブルを入れた。ノートの方は客員教授が4年の任期で退職となった時に、MEというのを買った。ミレニアム・エディションとかいう短期的なものだ。『空海』の出だし100枚ほど書いた時に、空き巣に盗まれた。それで旧い98のデスクトップで仕事をしているうちに、またW大の専任になったので、XPを買った。その時はヴィスタになっていたが、わざわざXPを探して買った。それがいま死にかけているノートパソコン。M大の専任になって研究室をもらうと、そこにあったデスクトップもXPだったのでふつごうはなかったが、今年の夏に大学がセブンを入れてくれたので、自宅のノートも買い換えることにした。買ってよかった。旧いノートはいままさに死に絶えようとしている。

10/10/水
本日も休み。歯医者に行く。3ヵ月に1度の歯科衛生師のチェックだが、4ヵ月ぶりになった。コーヒーを毎日何杯か飲むせいか、念入りにブラッシュアップ。でも、これで今年はもう歯医者に行かなくていい。大学は週勤3日なので、それだけなら楽な仕事なのだが、文藝家協会の仕事がつねにある。本日はたまたま何もないので歯医者が終われば自分の仕事に集中できる。源光という悪役が出てきたので話がゴールに向かって一直線に流れていく。わたしの作品に悪役は少ない。たぶん書いているわたしが善意の人(?)だからだろう。今回はただの悪役ではない。在原業平の業平の再来といわれる美男子で、のちの光源氏(実在の人物ではない)のモデルかもしれないといったイメージを宿しながら、かっこいい悪役を描いていく。これでゴールが見えてきた気がする。

10/11/木
木曜日は午後に3コマある日。3年、4年、大学院の順で授業がある。真ん中の4年の授業は雑談にして、喉を休める。朝の4時まで仕事。

10/12/金
文藝家協会評議員会。以前は年に2回、理事評議員会というのをやっていたのだが、公益法人になって、独立した評議員会となった。ただ顔合わせをして雑談をするといった会だ。夜中は仕事。新しいパソコンは快調に作動している。ただメールはごくわずかな担当者のアドレスを移動させただけなので、旧いパソコンを起動させてアドレスを調べないといけない。しかし旧パソコンは半ば死につつあるので、すぐには起動しない。とにかく何度目かによみがえって、必要なメールを呼び出し、新パソコンに転送する。長男のブログのアドレスも転送して、新パソコンで見られるようになった。長男はスマホで随時、写真とコメントをブログに出している。家族だけに発信してくれるブログで、スペインのようすが日ごとにわかるようになっている。

10/13/土
フランスとのサッカーの試合を見ずに寝た。起きてヤンキース戦を見ようとテレビをつけるともう終わっていた。テレビのデータ放送でヤンキースの勝利を確認。サッカーも勝っていた。とりあえずやっている試合を見ていると、カージナルスが9回2アウトから奇蹟の逆転勝利。それから日本の野球のプレーオフを見ながら仕事。まだ巨人は出てこないので、どうでもいい試合だが。『見果てぬ夢』はエンディングに向けてのラストスパート。ここからは詰め将棋のようなもの。いままで語ってきたこと、練り上げてきたプロットをどういう手順で並べてエンディングに向かうか。この手順を間違えるとうまく詰まない。エンディングが盛り上がらないということになるし、持ち駒を全部使い切るというのも詰め将棋の鉄則。せっかく用意してプロットや人物のキャラクターが途中で消えてしまわないように、生きている人物は本人を登場させ、死んだ人物は想い出として登場させる。舞台のフィナーレ、カーテンコールのようなもので、全員が登場しないと終わりにはならない。ここが緊張するところだ。

10/14/日
昨日、アメリカに出張中だった妻の甥が野辺山に帰っていった。電波天文台に勤務している。大変な仕事だと思う。研究者というのは、先の見えない仕事だ。ノーベル賞を貰った先生も若い頃は大変だったと思う。小説家というのも大変な仕事だが、わたしの場合は、それなりに楽しくやってきた。いまも楽しくやっている。ラッキーだったと考えることもできるし、自分でそれなりに努力しているのだと自画自賛することもできる。いずれにしても、愚痴は言わない。現状の中で最善を尽くすということしか考えていない。朝からずっと仕事をしていたので、かなりはかどった。夕方、妻と三軒茶屋まで散歩。四日市の孫(の母)からマクドナルドのキッズセットのオマケのプラレールがほしいといってきたので、4セット買う。ほしのはハヤブサとドクターイエローだというのだが、指名はできない。ガチャポンの同じで何が出てくるかは、開けてみるまではわからない。だから4セット買ったのだが、開けてみると、デゴイチ、ハヤブサ、ドクターイエロー、スーパー白鳥、の順で出てきた。とにかく指名のものが入っていてよかった。で、4セット買ったので、それが夕食。オマケは選べないのだが、セットの中身は4種類から選べる。4セット買ったので中身は4種類にした。ハンバーガー、チーズバーガー、チキンナゲット、パンケーキ。これを妻とわけて食べた。ハンバーガーを家で食べるのはめったにないこと。このところ自宅では酒を飲んでいなかったのだが、今日は特別なのでビールを飲む。ハンバーガーでビールを飲むのは嬉しい。日本のマクドナルドではビールを販売していない。ちなみにスペインのマクドナルドではビールが飲める。

10/15/月
月曜日は朝1限。文学史の時間。2限と昼休みは自分の仕事。3限、4限は1年生の授業。それから教授会と学科会。長い1日だった。他の先生方はそれから入学試験の校正があるのだが、わたしは試験問題には関わっていないので1人だけ抜けい帰ってくる。少し心苦しいのだが、そこまでは関われない。今年から高校生の文学賞を募集して、そちらはわたしが見ているので、許してもらう。自分の仕事は着々とゴールに向かっている。詰め将棋のような詰めの手順も、3分の1くらいは進んだと思う。ここからが山場だ。山場の多い作品なのだが、最後の山場はあまり盛り上げずにさらりとゴールに飛び込みたい。

10/16/火
火曜日も朝1限。この1限が終わるとほっとする。あとは何もない。研究室で仕事。まずネットでマンデーナイト・フットボールの結果。前半を終わったところで24対0でペイトン・マニングのデンバー・ブロンコスが負けている。ペイトン、どうしたんだ。一仕事終えてまた確認したら、何と24対35と大逆転で、残り1分というところだった。サンディエゴの試合だったので、チャージャーズのファンはがっかりしただろう。前半は天国、後半は地獄。これでブロンコスは3勝3敗。このままマニングの調子が出れば連勝していくだろう。ただデンバーの冬は寒い(行ったことはないがフットボールファンなら誰もが知っている)。パス主体のマニングにとって、手がかじかむ冬は鬼門だ。それでもプレーオフに進出できれば、暖かいところのチームと対戦できるだろうから、面白くなる。打ち合わせの電話がかかってくることになっていたのだが、3時にやっとかかってきた。わたしが座長で進めていた外字異体字委員会。国からの援助がなくなったので一時中断とのこと。仕方がない。電子書籍そのものが、予想よりも進展が遅れている。日本人に電子書籍はなじまないのか。そうだよな。日本人は紙の本が好きなんだ。『見果てぬ夢』は断章が短くなってきた。ゴール寸前になってきて、すべてがエピローグのようなショットになっている。これでいい。この短いリズムのままでゴールインできれば、話もまとまる。もうすぐゴールだ。朝6時半に起きたので眠いのだが、がんばって夜中のジャイアンツ戦(野球ではない)を見る。圧勝した試合だから楽しめる。

10/17/水
夕方、文藝家協会で知的所有権委員会。今回から旧知の岳真也さんに副委員長を担当していただき、実質的にこの委員会を仕切っていただくことになった。何かを決めるというのではなく、雑談をしながら、著作権についての問題点があれば提起するといったもので、電子書籍についても、委員の方から実状についての具体的なお話があり、参考になった。終わって岳さんと軽く打ち合わせ(飲み会)。夕方からの会なので、朝から夕方までは自宅で仕事ができた。ゴールが迫ってきている。この作品は菅原道真という、妻の他に女性とのつきあいのない人物が主人公だが、同時代の女傑、高子と淑子の二人が、政事の局面で関わりをもつことになる。最後にこの二人が登場して、エンディング直前の山場を作る。ただし、ごくコンパクトに語りたい。

10/18/木
昨日は早めに寝たので、朝目が覚めた。本日は午後の授業なので、午前中、たっぷり仕事ができた。3コマの授業を終えて、自宅で夜中まで仕事。昨日、録画したフットボールなども見る。デンバー・ブロンコスの大逆転の試合。今年一番のゲームではないか。日本のジャイアンツ(野球)が2連敗したが、この時期のわたしはもう頭がフットボールになっている。今年の巨人は出だしで最下位を低迷していた。後半は圧勝したのだが、シーズンが終わって初期化されたようだ。シーズン始めと同じ状態になっている。そのうち調子が出るのか、調子が出ないうちに終わってしまうのか。どうだろうな。どうでもいい気がするけれど、まあ、ようすを見守りたい。

10/19/金
妻が仕事場に移動。こちらは明日、大学で仕事があるので自宅にとどまって仕事。ひたすら菅原道真のことを考える。ゴールに向かって用意したプロットを詰め将棋のように手順に従って並べていく。緊張する作業でしだいに疲労がたまっていくようだが、何とか今月末までにはゴールに飛び込みたいと思う。

10/20/土
週末だが大学。保護者懇談会。大学生の親に懇談会があるというのは、想定外だったのだが、この大学にはある。去年体験した。今年も同じ。体験済みなので戸惑いはない。役目を終えて、三鷹から東京駅に向かう。事前に切符を買ってあったので移動はスムーズ。昨日、妻が車で仕事場に移動した。本来はわたしも同行したいところだが、本日の懇親会があるので1日遅れで新幹線で移動する。結果的には新幹線の方が楽だし時間もかからない。新幹線を在来線に乗り換え、最寄り駅へ。妻が迎えに来ると思っていたのに、改札口には次男と孫1名。こんな話は聞いてないよ。妻と2人、のんびり週末を過ごすつもりだったのに。しかし孫がいると元気が出る。四日市の孫2名を1人ずつにバラして週末をすごす、というのが次男夫婦のプランのようだ。だから来たのは孫1名だけ。近くのイタリアレストランで食事をしてから仕事場へ。本日は疲れたので早めに寝る。

10/21/日
次男と孫はミカン狩りとパターゴルフに出かけたので、こちらは仕事ができた。夕方、2人を新幹線の駅まで送っていく。まあ、楽しい日曜日だった。『見果てぬ夢』はゴール直前。あとは細かいエピソードを羅列していくだけだ。

10/22/月
短い滞在だったが、本日、三宿に戻る。仕事場には旧いパソコンを車で運んでもらった。ちゃんと使えたのだが、やはり挙動がおかしい。買い換えてよかった。世の中はウィンドウズ8でわいているようだが、おかげで旧型の7は安かった。7割引という嘘みたいな値段だった。さて、月曜日はいつも研究室でフットボールの結果をネットでチェックするのだが、本日は車で移動中だったので、夕刻、チェックをする。ニューヨーク・ジャイアンツは勝っていた。ぎりぎりの逆転勝利だったようだ。日本のジャイアンツも何とかもちこたえて日本シリーズに進出した。べつに応援しているわけではないが、サンフランシスコ・ジャイアンツもがんばっている。

10/23/火
大学1限。いつもは夕方まで研究室で仕事をするのだが、嵐が来るというので早めに帰った。あとはひたすら仕事。火曜日は1日が長い。朝6時半に起きてから、明け方まで仕事をする。月曜も1限からだが、次の火曜も1限だから早く寝る。それに火曜は夜中にフットボールの放送がある。フットボールを見ながら仕事はできない(野球や相撲は可能だ)のだが、どうでもいい試合ならできる。重要な試合はビデオを録りながら見て、見損なったところは翌日にまた見る。ゴール寸前まで来ている『見果てぬ夢』は、第4章が終わった。この作品には終章がつくのだが、それは後日談みたいなものだ。もうドラマは必要ない。とくに道真が天神として祀られるまでのエピソードは短いファイルにして並べていくだけだ。

10/24/水
今日は休み。朝から仕事。夕方に散歩に出ただけ。ひたすら打ち込んでいくうちに、午後9時、ついに草稿完成。終わる時には終わるものだ。読み返してみないとわからないが、読み返すのが楽しみだ。もう1章や2章に何を書いたか忘れてしまっている。少し不安でもあるが、これまでの経験だと、出だしのあたりは重厚で、真ん中あたりで少しだれているものだ。ただ今回は序章に主人公が出て来ないという特殊な構成をとっているので、そこがどうか。菅原道真という人物に少し批判的な書き方をしたかもしれない。妻の宣来子のキャラクターが救いになっている。いい作品に仕上がったと思う。これまでいくつ長篇を書いたか、すぐにはわからないが、自分の作品の中でベストテンに入る作品にはなっているはずだ。明日、研究室で半分くらいプリントして読み始めたい。

10/25/木
早く起きたのでパソコンに向かう。『見果てぬ夢』は完成したので、何をするか。とりあえず『宇宙論』かな。これはまだ企画が成立していない。序章と1章を書いて編集者に渡し、それから企画会議にかけるというもの。レジメみたいなものでは内容を説明できないので、実際に文章を書いてサンプルとする。手間はかかるが、原稿を全部書いてから修正を求められても困るので、ある程度、こちらの意図を伝えておきたい。そのためには文章そのものを読んでもらうしかない。実は7月の終わりに1章の半分くらいのところまで書いていたのだが、『見果てぬ夢』の企画が通ったので、8月の頭から書き始めた。ということで、『宇宙論』はそこでストップしてしまった。再度、気持を集中して、とにかく1章の終わりまで行きたい。さて、午後は大学。『見果てぬ夢』をプリントしたいと思ったのだが、200ページ以上ある。4限から6限まで授業があるので、プリントするひまがない。6限の前に30分の休憩時間があるのでプリントを試みたのだが、高速プリンターなのでしばらく動かすと熱をもってストップする。何度か試みるうちに、ウチワであおげばいいと気づいた。原始的だが、これで何とかプリントを完了した。

10/26/金
本日の公用は文藝家協会での打ち合わせ。著作権の権利者団体が集まって一つのプロジェクトを作ろうとしている。利益のためではなく、世のため人のための事業を起こす。こういう利益を度外視した試みのために人が集うというのは、何とも爽やかなことだ。こういうことがわたしは好きで、だからこう種の仕事に関わり続けている。菅原道真が好きだというのも、同じようなことではないかと思う。自宅に帰って、さて、本日の夜中は何をするか。菅原道真のプリントを少し読み、『宇宙論』も少し書いてみる。この週末は気分的に少しのんびりしたいかなとも思っている。

10/27/土
マッサージに行く。一ヵ月ぶり。まだ左足に違和感がある。先日テレビの『ためしてガッテン』で歯をくいしばると膝が痛む、というようなことを言っていた。確かに7月、スペインから孫が来ていた時期、歯をくいしばりながら仕事をしていた気がする。治療法は、歯をくいしばらないということで、アホみたいな顔をしていればいいのだ。

10/28/日
系図を描く。登場人物の表だけでは関係がわからないので、系図が必要だと思ったが、これを描くのは至難。夜はコーラスの仲間と飲み会。

10/29/月
大学。1限のあとは夕方の学科会までアキ時間。しかし何やかやと雑用があって自分の仕事ができなかった。11月に学内の講堂でやる講演会のポスターが届いた。わたしの顔がカラーで出ている。これがどこかに貼られるかと思うとちょっと恥ずかしい。

10/30/火
大学。1限のみ。雑用をこなしているうちに時間が来たので大学を出る。午後3時から国会図書館で協議会。夜は自分の仕事。プリントしたものを読み返している。パソコンの画像ではわからなかったチェックポイントが次々に見つかる。登場人物の台詞の語調も要注意。武士ではないのであまり堅苦しいのも困るが、マンガではないので現代的すぎても困る。いまは話し言葉は江戸後期の参勤交代による全国の武士たちの交流によって生じた平準化、クレオル化だとわたしは考えている。だから平安時代の人物がですます調で話すのはおかしいのだが、文語で話すのも変なので、フィクションだとわりきっていただいて、わりと現代的な言葉で話している部分がある。丁寧語、謙譲語、敬語などもそれなりに必要で、くだけすぎてはいけないのだが、わかりにくいのも困る。難しいところだが、流れを見ながら調整する。まだ第1章も終わっていない。

10/31/水
日本点字図書館評議員会および理事会。あいまに1時間のタイムラグ。ここでひたすらプリントを読む。理事会は議長を拝命。議長をしていると内職ができない。疲れたなあ。巨人はサヨナラ負けするし。とにかく夜中も仕事をする。10月も終わった。草稿は完成しているので予定どおり。プリントのチェックは2章の半ば。この週末で一気に進めたい。


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