仏教を深める創作ノート04

2015年01月

12月に戻る 2月に進む 月末
01/01/木
新しい年になった。例年のとおり浜松にある仕事場で新年を迎える。初日の出は見ず。散歩に出ると雪が降ってきた。寒い。初詣にも行かず。子どもたちは室内でレゴで遊んでいる。こちらは用意したプリントを読む作業を試みる。入力作業もかなり進んでいる。この仕事場に来てからは入力作業ができるのでメモが伸びていない。大学が始まれば入試の待機など、メモを書く時間が山ほどあるので、メモは無理に伸ばす必要はない。今年の抱負といってもとくにない。いま書いている聖徳太子に全力を尽くし、親鸞の構想を練り、仏教に関する新書も一冊書く。それらの作業をおりを見て進めるということの他に、やるべきことはない。文藝家協会の著作権の仕事と、大学の学部長の仕事は、義務という押し寄せてくるので、必要に応じて義務を果たせばいい。とにかく無事に新年を迎えられた。あと何日かこの仕事場にいられるので作業を進めたいと思う。

01/02/金
仕事場での新年。四日市の孫たちと生活している。騒がしい。ふだん妻と二人きりの生活をしているので、異常事態といえるのだが、幸いこの仕事場は2階建てで、東京のふだんの住居よりも広いので、何とかもちこたえている。子どもたちが、この家を建ててくれた大工さんのところに、みかん狩りに行ってくれたので、その間、仕事に集中する。年末にプリントしておいた3章までを読み返す。出だしはいい。文体が安定していて、なおかつ展開がアクティブで、すぐに作品に入り込めるような導入部になっている。作品はこの段階で、成功しているといっていい。中盤、仏教の議論をする場面をコンパクトに書ければ、楽しい作品になる。いま入力作業はその仏教議論の部分を書いている。高麗僧慧慈と上宮王との、かなり激しい議論を、ストーリーの中にはめこんでいく。たぶんうまくいっていると思う。

01/03/土
新年三日目。子どもたちは志戸呂のスーパーに行った。この地方随一のショッピングセンターだ。こちらはひたすら仕事。3章までのプリントのチェックが終わったので赤字の部分を入力。これはぜひとも仕事場にいる間でやっておきたかったこと。順調に仕事が進んでいる。去年の暮れに『江古田文学』に出す短篇の草稿を書いた。あとは雑文1件だが、これは明日書くことにする。とにかく『聖徳太子』をどんどん先に進めたい。ただメモをしばらく書いていないので、いま何を書いているのかわからなくなっている。メモの最後のところまでを入力してしまえば、そこまでの展開がクリアに見えてくるので、メモはそこから先に進むことにしたい。西気賀のレストランで食事。孫がいると落ち着かない。夜中は早めに寝る。明日は早朝からfootballを見る。

01/04/日
朝6時半に起きてfootballを見る。QBが2人とも怪我でダウンして、3人目が先発するカージナルスと、7勝8敗1引き分けと負け越しで地区優勝したパンサーズ。パンサーズのQBニュートンも冴えなかったが、カージナルスの3人目QBはもっとひどい出来で、ハーフタイムまでは競り合っていたが、結局は力尽きた。明日の試合の結果でパンサーズの相手は変わる。第3シードのカウボーイズが勝つと、パンサーズの相手は第1シードのシーホークスで、たぶんシーホークスの圧勝だ。明日はたぶんカウボーイズが勝ってパッカーズと当たる。こちらは熱戦になるだろう。ぼくはこのカンファレンスは、49ナーズもジャイアンツもプレーオフに出られなかったので気持が冷えている。シーホークスの連覇はおもしろくないので、もう1つのカンファレンスに期待をかけたい。さて、いまスティーラーズとレイブンズの試合をやっている。仕事をしながら時々ネットで途中経過を確認している。スティーラーズが負けている。いま一番に応援しているのはスティーラーズなので、負けてしまうとがっかりする。がんばってほしい。
ここでネットをのぞいてみたら、点差がますます開いていた。絶望だ。仕方がない。このカンファレンスはマニングのいるブロンコスが残っているので切り替えたい。レイブンスは第6シードだから第1シードのペイトリオッツと当たる。ブロンコスの相手は明日のはベンガルズとコルツの勝者だろう。どちらにしてもブロンコスが有利だ。ペイトリオッツ戦はたぶん壮烈な試合になる。さて、次男一家は四日市に帰っていった。孫といると楽しいのだがとても疲れるので、少しほっとする。わずかな喪失感名がある。これが家族というものだろう。ふだんのぼくは自分の仕事のことしか考えていない。妻との友好関係を保つことには配慮しているが、それも安定的に仕事をするための状況設定だと考えている。スペインの長男と四日市の次男との関係は、いまは観念的になっている。彼らは親しい友人だが、ふだん頭の中にしか存在しない。ネットの時代なので画像や動画では親しんでいるのだが、めったに会うことはない。たまに会うと少し緊張する。そういう関係だ。とにかくまた妻と二人きりの生活に戻れてほっとしている。

01/05/月
今日は生中継はないのでゆっくり寝る。起きてネットを見ると2試合とも終わっていた。どちらもシード上位チームが勝っている。結局、昨日スティーラーズが負けた試合だけが番狂わせということだ。去年の末にぼくが預言したように、今回のトーナメントは上位シードが順調に勝っていくようだ。するとカンファレンスの決勝は、ペイトリオッツ対ブロンコス、シーホークス対パッカーズということになる。いずれもスーパーボウル優勝経験のあるQBがいるチームだ。番狂わせがあるとすると、カウボーイズがパッカーズに勝つ可能性がある。カウボーイズのQBロモは、ずいぶん以前から才能があると言われていながら、これまで開花してこなかったが、ようやく実力が発揮された感じがする。それからマニングは優勝経験があるものの、その経験は以前いたコルツでのもの。準決勝はそのコルツとマニングの対決になる。マニングがリーグ戦終盤に負傷して調子を落としているので、コルツに負ける可能性もある。さて、孫がいないくなって静かな仕事場。夕方、妻の運転で志都呂イオンへ。ここはこの地方最大のショッピングモール。歩くだけでいい散歩になる。まず帽子を買う。それから本屋へ。神保町の近くに住んでいるので、本屋はいつでも行けるのだが、たいてい混んでいるのでレジに並ぶのがめんどうで、よほど必要な本でないと買わないのだが、ここの本屋は空いているので、つい何冊も買ってしまう。車で行くので駐車場までもっていけばいいという気安さもある。食事をして帰る。妻と二人だと外食も静かで落ち着く。昨日まで孫2人の喧騒の中にいたことが夢幻だったようだ。去年の6月くらいは、7月にスペインの長男一家が来るという態勢になっていて、どうなることかと思ったのだが、急に長男が転勤になって引っ越しなどがあり、来られなくなった。残念だったが少しほっとした。今年は来るかもしれない。心の準備が必要だ。さて、仕事場での年末年始も終わって明日は東京に帰る。予定の仕事はすべて果たした。プリントした3章までをチェックして赤字を入れた部分の入力も終わった。入力作業はまだ5章の終わりまで行っていないのだが、東京に帰ってから、明日、明後日で5章が終わると思う。『江古田文学』に出す短篇は年末にほぼ完成させたし、雑文1件もできた。孫たちの喧騒の中でよく作業ができたと思う。毎年のことだから慣れている。明日は雨になるらしい。無事に東京まで帰り着きたい。

01/06/火
豪雨をついて東京に戻る。かなり大変な移動だった。運転した妻に負担をかけたが、これで明日は一日休める。明後日から大学が始まるのでこの一日の休みは貴重だ。

01/07/水
本日は休み。神保町を散歩。100円ショップでボールペンを買う。年末に買いに行ったら売り切れていた。今回は5セットあったので全部買った。540円。1セットに2本入っているのでこれで10本確保。メモを大量に書くのでボールペンの消費が早い。愛用のものが切れるとパニックになるので多目に在庫を確保している。休みだと思っていたらイーブックから読者投稿が届いた。電子書籍販売のサイト、イーブックジャパンに学生の作品を載せて貰っているので、誌上で読者投稿の指導をしている。学生の作品と同じように☆マークをつけコメントをつける。学生の宿題を読み慣れているので負担ではないが、やや疲れる。

01/08/木
本年初めての大学。学生の宿題が届いている。2年生のクラスの作品がドッと出ている。2年生は3年ゼミに上がる時に、人数がセレクトされる。その当落をこの宿題で決める。しかもこちらのリスト提出の締切が本日なので、大量の作品を一気読みする。この間、授業は研究室でやることにして、質問のある人だけ研究室に来るようにと学生には言ってある。誰も来ないだろうと思っていたら、4限と5限、1人ずつ来た。6限は大学院で、これはふだんどおりの授業。結局、大学院のコマが終わってもまだ読み残しがある。ようやく読み終えてリストを担当の先生のところにもっていったら、まだ仕事をしていた。よくがんばる人でふだんから尊敬しているのだが、本日はこちらもがんばった。

01/09/金
文芸家協会に出向いて、まだ国会図書館の人と面談。補正予算がついて蔵書の画像化がさらに進む、といった話を聞く。それから常務理事会、理事会、新年会と行事が続く。新年会には招待したお客さまも大勢来る。ほとんどが著作権関連のお客さまなので、三田誠広が挨拶をしないといけない。会場をぐるぐる回ってすべての人々に挨拶する。総会のあとの懇親会に次いで、三田にとってハードな宴会であるが、慣れているので問題はない。終わったあと、文藝家協会のメンバー数人と二次会。今月は超多忙なスケジュールなのだが、第一の関門を通過した。

01/10/土
本日から3連休。月曜が祝日でも大学は休みにならないことが多いのだが、成人式はさすがに休みになる。ということで世間並みに3連休。昨日は疲れる行事があったので、この休みはありがたい。のんびりした気分で、とにかく終日、入力作業を続ける。さて、明日はいよいよfootballの準決勝。シードチームが登場する。今回はシードチームが圧倒的に強そうだ。番狂わせがあるとすれば、マニングに衰えが見られるシーホークスがコルツに負けるのではないか、という予想がネットに出ていたのだが、ぼくはマニングのファンなので、マニングの活躍を信じたい。ぼくの予想では、レイブンスがペイトリオッツに勝つ可能性が強い。スティーラーズに勝ったレイブンスだ。チャンスはある。レイブンスのフラッコはスーパーボウル優勝経験者。シードの4チームのQBと、フラッコの5人が優勝経験者。その意味ではこれは番狂わせではない。本当の番狂わせがあるとすれば、カウボーイズがパッカーズに勝つケースだろう。カウボーイズのロモは実力が評価されながら、プレーオフでは肝心のところで負けていた。今年はマレーといういいランニングバックがいるので、チーム力が上がっている。チャンスはある。明日は中継があるので6時半に起きる予定。

01/11/日
3連休の2日目。朝6時半に起きてfootballを見る。第6シードのレイブンズがいきなり2タッチダウンで14点を入れた時は、もしかしてと思ったのだが、ペイトリオッツにワイドレシーバーがQBからのバックパスを受けてから前方に超ロングスローのパスを投げるという裏技が出て同点になり、その後、レイブンズがゴールで3点を入れたのに対してペイトリオッツがきっちりタッチダウンで、その差でペイトリオッツが逃げ切った。それでもレイブンズは最後にヘイルメアリーパスを投げるという見せ場を作った。楽しいゲームだった。このゲームでペイトリオッツには弱点があることがわかった。コルツにもブロンコスにもチャンスはある。もう1試合はシーホークスの楽勝。負け越しで地区優勝したパンサーズには所詮、勝ち目はなかった。シーホークスの2連覇を阻むのは、パッカーズかペイトリオッツだろう。ブロンコスは昨年のスーパーボウルの大惨敗のイメージが強すぎて期待できない。それでもブロンコスにがんばってほしいとは思うのだが。
さて、本日の休日は妻と散歩に出かけた。以前、王子の飛鳥公園に行った時に、都電で庚申塚から巣鴨地蔵通りに行ったのだが、妻はその時が初めての都電乗車体験だったらしい。ぼくは早稲田の学生だったから、学生時代に何度か乗ったことがある。それでも全区間乗ったことがないので、早稲田から三ノ輪橋まで乗ってみることにした。一昨年まで三宿に住んでいたので、三軒茶屋から世田谷線に乗ることは多かった。早稲田から三ノ輪橋まで、ちょっど1時間かかった。下りたところに商店街があって、これがなかなかよかった。三ノ輪からは日比谷線で秋葉原に戻った。万世橋のガード下に山形の食材を使った店があって、前から行ってみたいと思っていたのでそこで夕食。朝6時半に起きたので長い一日だった。仕事も少し。向原、石川、槻曲と、蘇我馬子の邸宅がいろいろあるような気がしていたのだが、これらはほとんど一箇所といっていい近くだと判明したので、これまでのところを修正した。こういう間違いはよくあること。半年ほどかけてこの世界にひたっているうちに少しずつ土地勘ができていくものだ。

01/12/月
月曜が祝日でも大学は休まないことが多いのだが、さすがに成人式は休みだ。本日はゆっくり寝て、起きてからネットでfootballの結果をチェック。うわっ、ブロンコスが負けていた。これで今シーズンのfootballは終わった。ぼくはジャイアンツ、スティーラーズ、ブロンコスの順で応援しているのだと思う。シーズン始めからジャイアンツは連敗が続いた。しかし後半はベッカムという新人ワイドレシーバーが活躍して勝てるようになった。伝統のあるチームなので来シーズンは盛り返すだろう。スティーラーズは新人ランニングバックのベルの大活躍があった。ベルが負傷したためにプレーオフでは敗れたが、来シーズンは楽しみだ。ブロンコスはマニング兄の衰えが感じられる。シーズン最後に脚を負傷して精彩がなかった。脚が治ればまた活躍するだろうか。ここはいいランニングバックをトレードでとってほしい。さて、準決勝が終わって、シード4チームのうちブロンコスだけが負けた。代わりにラックのコルツが決勝に出場する。ラックはコルツにいたマニングが首の怪我で出場できずチームがビリになった時にとったドラフト1位のQBだ。翌年、マニングは放出され、ラックが司令塔になった。すごいQBなのだろうが、ペイトリオッツのブレイリーには及ばないだろう。シーホークス対パッカーズは、どうでもいいけどシーホークスのウィルソンを応援したい。ブラックピープルのモバイルQBの中では傑出している。ブレイリーのペイトリオッツ対ロジャースのパッカーズでは、数年前にタイムスリップしたみたいで新鮮味がない。ブレイリーも超ベテランQBだ。ブレイリーが新人のころ、ペイトリオッツにはブレッドソーというものすごいQBがいてぼくはファンだった。超ロングスローのパスで大逆転をするのが楽しかった。いつも逆転勝ちなので、プレーオフでははらはらして、結局、逆転できない試合があっていつも途中敗退していた。そのブレッドソーが負傷して代わりに出場して新人のブレイリーが、あれよあれよという間にスーパーボウルに勝ってしまった。そのころはブレイリーを応援していた。監督のベリチックも好きだったが、あまりにも強すぎてだんだんつまらなくなった。ペイトリオッツは第6シードでスーパーボウルに出場したジャイアンツと対戦した時は、ジャイアンツを応援した。マニング弟はそれまでは見ていられないほど下手だったのに、スーパーボウルの時だけ神がかりみたいに活躍する。ジャイアンツはマニング弟で2度、スーパーボウルに勝った。今年のジャイアンツはどうしてしまったのだろう。ああ、今年もfootballは終わってしまった。つまらないからシーホークスを応援することにしよう。ぼくは時に節操がないと思うことがある。スティーラーズがカージナルスに勝ってスーパーボウル覇者になった時は、最後の段階ではカージナルスを応援していた。日本のプロ野球で楽天を応援したこともある。子どものころからジャイアンツのファンだったのに、日本シリーズの最終戦だけは楽天を応援してしまった。流れに乗りやすいところがある。ブレやすい。自分の仕事だけばブレずにがんばってきた。文学以外のことはどうでもいいと思っているのかもしれない。又吉直樹の『火花』を読んだ。『僕って何』よりもおもしろいと思った。昔の全共闘が、いまはお笑いにあたるのだろう。

01/13/火
大学。2年ゼミ。このゼミは来年は3年ゼミになるのだが人数が少し減る。外から入れることもあり、何人かが他のゼミに出ていく。何だかプロ野球の戦力外通告みたいで心が痛む。しっかりと提出された作品を読んでのセレクションなので、申し訳ないけれども、セレクトしないわけにはいかない。とにかく提出された作品を返す。もうセレクションの名簿は提出してある。本日は大学の三鷹駅前にあるサテライト教室で講義があるので、研究室に待機。日大の『江古田文学』に出す作品を仕上げる。直通バスに乗って三鷹駅前。ここまで来ると帰りたくなるところをこらえて、駅前のサテライトに行く。2時間の講義。疲れた。

01/14/水
本日はいくつかの用件が重なっているのでスケジュールをこなすだけの一日。まず11時から卒論展示会というものがある。もっている卒論を展示室に運んでいく。それから企画課との会議があって、それから展示に戻って、会場の番人を1時半までやってから、東西線でペンクラブへ。言論表現委員会。思いの外早く終わったので時間が余る。東西線で竹橋。街日新聞社の地下の喫茶店で1時間仕事をする。三鷹からの東西線に乗った時、上宮王と蘇我毛人が差し向かいで酒を飲む、という設定があるだけで、そこでの会話が何も思いうかばなかった。そういうこともある。時間が経過したということを示すだけのプロットなのだが、こういう無駄な場面こそ会話に密度を上げないといけない。電車が動き出したら次々と言葉が出てきた。乗り過ごしそうになるので大手町で打ち切って茅場町のペンクラブに行った。で、会議中も少しメモ。喫茶店でも1時間書き続ける。本日は意外にメモが進んだ。で、如水会館。貸与権センターの理事会と懇親会。こちらは「顧問」なのだが、いつも懇親会に呼ばれる。漫画家と推理小説をビデオショップで貸し出す事業を推進している団体で、出版点で著作権法の改正が必要だったのでぼくも少しお手伝いした。それで顧問ということになっている。有名な漫画家の先生と、大出版社の経営者と、飲みながら語ることができる場なので、スケジュールがあいていれりば参加している。本日は難しい問題もなく、和やかな飲み会になった。有益な話をたくさん聞いた。漫画家はたいへんだけれどもすごいなと思った。小説家はマイナーだなと思いつつ。小説家の方がエライ、と心の中で自分を励ました。如水会館から自宅まで歩いて帰れる。歩いて帰れるところで宴会があるのはとてもハッピーだ。昨年の年末から新年にかけて、河出の文芸賞パーティー(山の上ホテル)、野村胡堂賞(神田明神)、教育NPO協議会(NPOの近くの店)、文藝家協会のシンポジウム(東京堂)など、ご近所で飲み会が続いた。明日も大学がある。本日は早めに寝たいのだがfootballの再放送があるので見ないといけない。footballはリアルタイムで見るよりも再放送の方がおもしろい。犯人がわかっている推理小説を読むと創作の勉強になるのと同じように、結果のわかっている試合を見るとなぜそうなったかという原理がわかってくるのだ。

01/15/木
何か宿酔気味。昨日は懇親会のあと飲み足りない気がして自宅でも飲んでしまった。4限の授業で声がかすれていた。5限は誰も来ないはずだったが大学院生が2人来た。それから大学院の授業。体調がベストでなかったので疲れた。帰ってすぐに寝た。睡眠不足だったのかもしれない。夜中にfootballを見るのがよくないのか。支援するチームはすべて敗退したのでもうどうでもいいのだが。

01/16/金
本日はメンデルスゾーン協会の新年会。出かけようとした直前、大学から連絡があって、修士論文の提出で問題が生じたとのこと。メールのやりとりを30分続けて問題解決。で、新年会に少し遅刻したが問題なし。楽しい飲み会。明日は早朝に起きるので早めに寝る。

01/17/土
センター試験。早朝6時に起床。45分に自宅を寝る。千代田線で日比谷、有楽町線で豊洲、ゆりかもめで国際展示場前、ほぼ1時間で大学到着。学部長はただ待機しているだけでいいので、8時から午後6時まで、ひたすら自分の仕事。ここまでの100ページぶんをプリントしたのを最初からチェック。大きな直しはない。キャラクター、文体、展開、すべてうまく行っている。原稿用紙にして300枚。全体を600枚と考えるとこれで半分が出来たことになる。長い1日だった。しかししっかり仕事ができた。

01/18/日
日曜日は休み。ニコライ堂の鐘で起こされる。本日は中央公論の原稿を書く。全共闘とは何か。あまり書きたいテーマではないが、依頼があったので書く。まだ大量のメモが残っているので入力作業を進めないといけない。

01/19/月
月曜日はfootballの日。カンファレンスの決勝。これでスーパーボウルの出場チームが決まる。1限の授業のある日なので6時45分に起床してテレビをつけるとハーフタイム。圧倒的有利と思われたシーホークスが16対0でパッカーズに負けている。相手のQBは太腿を傷めていてまったく走れないのにどういうことか。しかしトリックプレーで7点返した。しかしその後が続かない。フィールドゴールで3点返され、12点差で第4クォーターに入ったところで自宅を出る。大学に着く前にテレビを見ていた妻からメールが入る。なぜか同点で延長。そしてシーホークスの逆転勝ち。研究室に入ってネットで確認すると、終了2分前までは12点差のままだったのに、奇蹟の逆転が起こり、それから同点になって延長ということらしい。しかし12点差が2分で逆転できるのか。1限の授業のあとでさらに確認すると、7点とったあとにオンサイドキックを相手がはじいて、それをシーホークスがキャッチしたらしい。これは明らかに敵のミスだが、流れがシーホークスに向いていたのだろう。これでシーホークスの2連覇が現実味を帯びてきた。ブレイディーとベリチックのペイトリオッツがどう闘うのか。さて、本日は1限のあと、3年ゼミの学生の作品を読む。皆、レベルが高い。大学で出す作品集に卒論を載せたいのだが、在校生の作品もなかなかいいので選択が難しくなる。そろそろ入稿しないといけないのだが。

01/20/火
1限の授業のあと学内の能楽資料センターで会議。そのあと書道ゼミの学生の作品展を見に行く。読まねばならない修士論文が5冊あるのでそのうち2冊をもって自宅に帰る。センター試験の日にチェックした100ページのプリントのうち、35ページまで赤字を入力。これで5章中2章までが終わった。全体は10章なので、20%にあたるわけだが、ここまでの文体はパーフェクトで、展開も充実している。主人公のキャラクターも個性が出ている。読みながら気づいたのは、これは去年書いていた「続カラマーゾフの兄弟」と同じ構造だ。主人公はアリョーシャで、コーリャが視点になる、というのと、今回、上宮王が主人公で、鞍作鳥が視点になるというところがそっくり同じだし、アリョーシャと上宮王はほとんど同じキャラクターだといっていい。何だ、同じことを書いているのか、という気がしたが、今度は日本の話だから、構造が同じでも意味合いは違う。とにかく書き切っていけば違いが出てくるだろう。このあたりでそろそろ気になってきたのが、エンディングをどうするかだ。終わりは死ぬところと決まっているのだが、その直前にどのような山場を作るのか。実は何も考えていない。「続カラマーゾフの兄弟」の場合は、本篇のエンディングに出てきた子どもたち12人がそっくり大人になって登場して、アリョーシャが演説するという、これは続篇を書く場合のお約束ごとのようなシーンを想定していたので、このゴールに向かっていけばよかった。今回はまだゴール地点が見えない。日本書紀に出てくる片岡の飢人の話ではテーマがずれてしまう。この片岡の飢人のエピソードは明らかにキリストが墓穴から姿を消すという物語と同じ構造をもっている。ネストリウス派の景教が日本まで伝わったという説もあるが、これはレヴィ=ストロースのいう《構造》だと見ることもできる。これはユリシーズが百合若伝説になり、ユリがウリになって、そのウリがモモになって、桃太郎になるという伝播説に対して、水運の盛んな内海には海賊を退治する英雄譚が同時多発的に発生する、というもので、しかし日本書紀のエピソードはまったく意味不明だ。これをカットするか、意味づけしてこのエピソードを挿入するかが、判断の分かれ目だ。この一ヵ月くらいに決断しないといけない。さて本日は修論も読んだので、夜中はビデオに録っあったシーホークス対パッカーズを見ようと思う。

01/21/水
学部長会議。本日の仕事はこれだけ。修士論文を二つ読む。これでノルマの五つを読み終えた。プリントにチェックを入れた赤字の入力、4章まで終わった。あと1章だ。これで半分だけだが、文章がほぼ固まった。昨日見たfootballのビデオ、最後のところだけもう一度見る。終了3分前までは12点差だったシーホークスがQBウィルソンのランで5点差に迫るところまでは、まあ、ありうる展開だ。次のキックオフでオンサイドキック。ここが最大のポイントだ。本来、ブロックに行くべき選手が目の前にボールが来たので思わずボールを捕ろうとして、おでこにあててしまった。跳ね上がったボールがシーホークスの選手がつかんでそのままダウン。ちょうど真ん中くらいのところでシーホークスの攻撃になった。サッカーは1点ずつしか入らないが、merican footballfは一挙に7点か8点入る。12点差は安全圏なのだが、時々オンサイドキックで奇蹟が起こる。何度見ても面白い。人生にも時としてこういうことがある。自分の人生にもそういうことが何度かあった。というか、長篇小説の一つ一つが自分にとっては奇蹟のようなものだ。書く前は何もなかったものが、ある瞬間、形をもって出現する。いま『聖徳太子』は半分だけ形をもっている。ここまでが奇蹟で、ここから先は見えているゴールまで持続的に走り抜くだけだ。

01/22/木
大学。早めに研究室に入って、学生たちの「創作集」の入稿を始める。まだ他の先生からの情報が届いていないので、原稿が揃っていないし、セレクトもできていないのだが、とりあえず確実に入稿できるものから入稿していく。ただし、学生のデータをそのまま送るわけにはいけない。ワードはデフォルト状態だと、改行すると自動的に一字下げの設定になっている。そのままプリントするだけなら問題ないのだが、これをそのままデータとして送ると、一字下げの設定は解除される。そこをチェックしてブランクを打ち込まないといけない。結局、わたしが作ったフォーマットに全文コピーで流し込むことになる。手間がかかるが仕方がないし、このフォーマットだと作品の長さが正確にわかるので、ページ数の計算ができる。4限の授業。☆5個の学生にデータを送るように指示する。これから作品を提出する学生もいるのですべて掲載できるかわからないが、イーブックジャパンのサイトには何回かに分けて掲載したい。5限の卒論ゼミは誰も来ないと思ったら3人来た。雑談してから卒論を返す。6限の大学院のゼミを終えると疲れがドッと出た。帰りの電車でメモを書く。本日は電車の往復だけでメモを進め、5章の赤字を入力。これで作品の半分がチェック済みになった。メモもかなりたまっているので、75%のところまで来ていると思う。3月末の完成を目指しているので順調といえる。ほとんど電車の中でしかメモを書けないのにここまで来ているというのはどういうことか。電車の中の集中力がすごいということか。「続カラマーゾフの兄弟」を書いていた時はドストエフスキーの霊が憑依していたが、いまは聖徳太子の霊が憑いている感じだ。

01/23/金
本日は大学は休みだが文藝家協会で午前中の会議。あとはひたすら自分の仕事。

01/24/土
本日は完全な休み。散歩にも出ずに自分の仕事。

01/25/日
日曜だが大学。入試の待機。1限の授業だと9時に行けばいいのだが、本日は8時半集合。ところが住んでいる集合住宅が電気設備の点検だとかで、午前7時からエレベータが止まるとのこと。昨夜も真夜中にテレビが映らなくなった。今日は早起きするので昨夜は早めに寝たので問題はないが、ふだんだったらテレビを見ながら仕事をするので大問題だ。ということで、本日は早めに自宅を出た。大学に着いたらまだ7時半だ。集合場所は講師控え室。部屋の鍵が開いているかと心配したが、入試課の人々はすでに集合していた。それから1時間、たっぷりメモが書けた。集合時間に訓示を受けたあと、入試本部に待機。試験問題に誤植がないか学部長全員で点検することになっているので、国語、社会、化学などの問題を見る。化学は得意だし、日本史も小説で扱った平安時代までならわかる。江戸や近代はよくわからない。政治経済の問題は、自分が生まれあとの時代が出てきても、改めて問題にされると答えに迷うことが多い。時代を生きて体験した認識と、入試問題との間には大きなズレがある。あとは待機の先生方と雑談をしながら、自分の仕事もしっかりする。資料をもってきているので調べ物もした。大量のメモが書けた。受験生が増えたようで、ビストン輸送のバスが追いつかず、最後に解散したわれわれが門の近くまで行った時点でも長い列ができていた。仕方がないので武藏境まで歩いた。昨日、散歩に出なかったので、いい運動になった。今日も長い1日だった。明日も1限があるが、今日の早起きよりはましだし、最後の授業だ。来年度からは、自分は高血圧だとか申し出て、1限の授業は回避させてもらったので、たぶんそういう時間割になっているはず。

01/26/月
大学。月曜1限最終授業。これで授業はすべて終わった。来年度は1限の授業を回避したので、1限の授業の最終回でもある。まあ、入試の待機など、早朝出勤は少なくないのだが、とにかく授業で早朝に起きるのは本日が最後。血圧の高い老人なので、これで少し楽になる。学生たちの創作集の入稿。詩5篇が揃った。小説も含めて7篇が入稿済みとなった。修士論文の口頭試問2件。木曜日に3件ある。学科会。シラバス入稿の資料を貰う。成績もつけないといけない。雑務が山積しているが、とりあえず明日は休みだ。

01/27/火
休みなので妻と映画を見に行く。神保町岩波ホール。歩いて行けるのがありがたい。「幸せのありか」というポーランド映画。どうなることかと思うような暗く辛い映画だったが、最後に感涙のシーンがある。あとはひたすら入力作業。映画を見たので、もっと映像的なシーンが必要だと痛感した。踊りのシーンを入れたいと思った。

01/28/水
著団協新年会。文化庁の方々を招いての意見交換会で、必要なことは話した。あとは業界の人々と挨拶を交わすだけの会だが、まあ、和やかな会だ。本日の仕事はそれだけ。『聖徳太子』は慧慈と温泉に行くシーンを5章の終わりに挿入。いい感じになった。あとは猿楽のシーンをどこかに入れたい。明日は大学がある。この2日の休みはかなりありがたかった。

01/29/木
大学。創作集の入稿。半分くらいは終わったか。日本の語りを聴く会という催しがあり学部長として最初に挨拶をする。謡の会だったので聴きたかったのだが、大学院の試問がこの時間にしか入らなかった。3人の試問を終える。そのあと企画課の人と打ち合わせをしていたらぎりぎりの時間になった。3年ゼミの飲み会。男子2人、女子4人。ちょうどいいくらいの人数で、なかなか楽しかった。本日はいろいろなことがあって、長い1日だった。

01/30/金
大学。雪が降っている。三鷹駅前は雪解け水で歩きにくい状態。何とか大学に到達。創作集の入稿作業。それから入試判定会議。終わったらただちに帰宅。11時半に自宅を出て2時半には戻っていた。自宅でほっとしている暇はない。ひたすら入力作業。第6章が終わった。全10章なので、60%完了。夕刻、次男来る。ふだんは四日市にいるのだが、リクルートの仕事で後輩と上智大学を訪ねたとのこと。あいにくの雪で、懐かしいアーチェリー場には行けなかったようだ。夕食を食べて四日市に帰っていった。次男は去年の夏までは鶴岡に単身赴任していたので、深夜バスで帰ることが多く、何度か秋葉原のバス停まで送っていったことがある。四日市に戻れてよかった。大学の創作集、現代詩、連句、俳句が揃った。短歌はあと1人のデータが届くと完了する。小説はぼくのゼミでまだデータの届かない学生がいる。あと連絡のない先生もいるのだが、今月中に連絡がないと推薦作はないということにしてあるので、まあ、あと少し待ってみるが、これでほぼリストができるだろう。去年より少し分厚くなるかもしれないが、何とか卒業式には製本が間に合うだろう。

01/31/土
朝から入力作業を続ける。まだメモが3冊ぶんたまっている。もう7章に入っているので、そろそろまとめに入らないといけないが、ここから先も厳しい場面が続くことになる。主人公をどのように追いつめていくか。まだ模索が続いている。夕方、蒲田へ。羽田プロジェクト。本日は高校の先輩の下重暁子さんが参加。最初からずっと参加していただいている山本義隆さんなど、このプロジェクトは大手前高校のメンバーが半分を占めている。さて、1月も終わった。『聖徳太子』はほぼ予定通りに進行しているはずだが、まだ先は見えていない。2月はがんばりたい。



次のノート(2月)へ進む 12月へ戻る

ホームページに戻る