善鸞08

2022年08月

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08/01/月
このノートも8ページ目になった。『善鸞』に取り組んでいるのだが、まだ2章の途中だ。その間に『少年空海アインシュタイン時空を超える』と『天海』の校正が入ったし、膨大な資料を読むことに時間を費やした。主人公のキャラクターもまだ不安定だ。『天海』の主人公の随風は、最初から突っ走っていて、一気に書き上げることができた。善鸞は親鸞という偉大な父のそばにあって、どうしても萎縮してしまうところがある。この人物がやがて親鸞を超えるような野心家に変貌していくはずで、この変化が作品の見所となる。そうであってほしいという、いまのところは願望でしかないのだが。さて、本日は浜松にいる人々が東京に戻ってくる。次男がいるので大半は運転してくれるはず。妻は疲れているし、長男の運転には危険を感じた。午後3時過ぎ、人々が到着した。こちらはロビー階のコンシェルジュのところに行って、ゲストルームの鍵をゲット。本日から3日間は集合住宅のゲストルームを利用する。台車と荷物用エレベータのキーを借りて地下の駐車場に。荷物を部屋に運び込んで、その台車に長男たちのトランクを積んでゲストルームに向かう。これで本日のぼくの役目は終わった。夕食は海老名サービスエリアで買った弁当など。長男たちはゲストルームに。次男の次男の長男は自宅に泊まる。少し窮屈だろうが。次男の次男は塾の合宿があるため参加できない。明日は子どもたちはディズニーランドに行く予定。

08/02/火
こちらが寝ている間に人々は朝食を食べてディズニーランドに向かったようだ。こちらは平穏な日常が続く。夕食も現地で食べてくるようなので妻も解放されている。今年一番の猛暑と言われている。こちらはスーパーに買い物に行っただけ。SARTRASから資料が届く。金曜日に打ち合わせがある。SARTRASが引っ越して初めて事務所に行くことになる。さて、深夜に近くなって子どもたちが帰ってきた。彼らはスマホを使い慣れているから、事前に情報をキャッチして、どこに並べばいいか事前に情報をキャッチして戦略を立てていたようだ。その戦略どおりに動けたようで、目的としていたアトラクションはすべて制覇したということだった。若い人は元気だし、頭がいい。長男と次男。昔は四人家族だった。仲の良い兄弟だった。彼らが二人とも小学生だったころ、期末の短縮授業で昼までになった時に、車で小学校の門の近くに待機していて、二人をピックアップして、どこへ行くとも告げずに車を走らせた。当時は八王子に住んでいたので、高速で東京の都心を横断したあたりで、二人は気づいたようだった。ディズニーランドに行くんだ。オープンして間もない時期だった。その時の子どもたちの喜びようが記憶に残っている。それから二人が大学生のころに、講談社から本を出すと招待状をくれた。講談社はアトラクションのスポンサーになっていて、招待客のための特別な施設があってそこに入れてもらえた。いまとなっては懐かしい想い出だ。長男がスペインに永住することになって、仲の良い兄弟もなかなか会えない日々が続いた。二人が顔を合わせるのは久方ぶりだと思う。一緒にディズニーランドに行けてよかったのではないだろうか。

08/03/水
長男たちは明日スペインに帰る。今日は荷物を詰める作業。円安の恩恵で日本に帰れば何でも安い。小学生の男子はダイソーの歌を口ずさむほどだ。大量の荷物があって、どうやって持って帰るのか心配だ。われわれが旅行したころは、一人20キロという制限があったが、息子たちの便は一人30キロだそうで、それだけの荷物はトランクに入らないのだが、預ける荷物の個数には制限がないので、ダンボール箱に入れてキャリーに載せるといったことを考えているようだ。空港で荷物を預け入れるまでが大変で、明日はわれわれも成田までついていくことになりそうだ。バルセロナには大学生の長女が車で迎えに来るらしいが、それもちょっと心配。次男の長男は知り合いと連絡をとってどこかに出かけた。彼は明日から勤務があるので、本日中に四日市に戻らないといけない。宇都宮からギョーザが届いた。ありがたい。まだ孫たちがいるうちに届いたので、本日の夕食できれいに捌けるだろう。夕食のあと、次男が四日市に帰っていった。これでまたしばらく会えなくなる。この兄弟は兄が芸術系でよくしゃべるキャラクターで、弟が無口な理科系ということで、対照的だ。よくしゃべるのは妻に似たのだし、無口なのはぼくに似たのだろう。顔は二人ともぼくに似ている。

08/04/木
いよいよ本日が出発。ゲストルームに3泊した長男たちが、われわれのところに荷物をもって移ってきた。半月ほどの滞在の前半は、われわれのところから徒歩10分ほどの貸部屋ですごし、浜松の仕事場で4泊して、最後の3泊はゲストルームということで、何とかスケジュールどおりに移動することができた。誰も発熱しなかったのは幸いだ。次男は昨日四日市に帰ったが、彼の長男はまだ滞在している。その蒲団を片づけてトランクを運び込み、長男は最後の荷物整理。大量の物資を買い込んだので、トランクに収納するために格闘している。次男の長男は宿題で「戦争」について調べるとのことで、東京大空襲博物館に出かけていった。夕方、成田まで送りに行くことになっている。さて、長男一家3人に次男の長男がいる。われわれを含めて6人乗ることは可能だが、サードシートが使えないと荷物が積めないので、長男たちには電車で東京駅に行ってもらって、われわれは次男の長男と荷物を載せて八重洲の地下駐車場へ。ネットで調べると満車ということだったが、行ってみるとちょうどいいところが空いていた。エレベーターで上がれることを確認してバス乗り場へ。長男一家と合流して地下へ下り、一人一つ荷物をもって地上に。バスはほぼ満席だったが定刻に成田到着。カタール空港で搭乗手続き。荷物がなくなったので夕食となったが、ほとんどの店が閉まっている。寂しい限りだ。列に並んで中華料理の店に入り、ゆっくり夕食。彼らが搭乗口の荷物検査を通過するのを見届けて、同じバスで東京駅に。3週間前にわれわれが彼らを出迎えた同じ場所でバスを下り、長い地下街を縦断して駐車場へ。長い1日であったし、長い3週間だった。スペインの孫と、スペイン人に同化した長男との3週間は、楽しかったが、いささか疲れたようでもある。われわれは無事に自宅に戻ったが、彼らはこれから長い旅路だ。24時間以上かかってスペインに到着する。バルセロナに着いてもそこからがまた長い旅になる。無事を祈りたい。

08/05/金
昨日は長男たちを成田に見送りに行った。お台場に『ライオンキング』を見に行ったり、上野動物園、浜松への移動など、一日フルにつきあったのは数えるほどだが、夕食は毎日ともにしていたので、孫たちがしゃべるスペイン語に恐怖を覚える日々だった。やっと解放された。と思ったら、いきなりリアルな世界に引き戻された。本日は永田町のSARTRASでリアルな会議。以前は複製権センターに間借りしていたこの団体も、お金が入ってくることが確実になった昨年夏に引越をした。が、会議はすべてズームになっているので、新しい事務所に行くのは本日が初めて。いい場所にあって、職員の人々も楽しそうだ。会議はというよりも打ち合わせなので、短い時間で終わった。溜池山王駅の近くで、ぼくは千代田線で行ったので国会議事堂前で下りて地下の乗り換え通路をかなり歩いたけれども、便利な場所にあるのでありがたい。明日は歴時協会賞の選考会でリアルな会議が続くことになる。人と実際に会うのはけっこう楽しいものだ。

08/06/土
長男一家がスペインに帰ったと思ったら、次男一家が突然現れた。どうなっているのかわからないが、こちらは歴時協会賞のリアルな選考会があるので自宅を出る。場所は四谷の会議室。無事に選考は終わり、慰労会のリアルな飲み会。久し振りの飲み会なのでガンガン飲もうと思っていたのだが高齢者が多く早めに終わった。四谷で仕事があると電車に乗って一駅で自宅に帰れるのが嬉しい。帰ると次男一家が揃っていた。泊まるのは次男だけで孫たちはどこかの宿泊所に消えていった。やれやれ。

08/07/日
2日連続のリアルな会議が終わってほっとしている。長男一家は無事にスペインの自宅に着いたとのこと。次男も夜、四日市に帰り着いた。3週間に及んだ長い夏休みも終わった。ふだんは老夫婦だけの穏やかな日々を送っているので、孫たちの喧騒の中に身を置くのは、途惑いの方が多かったが、無事にすべてが滞りなく完了した。誰も発病しなかったことがまことに目出度い。ぼくは久々に床屋に行って髪をかなり短くした。ぼくはたまにしか床屋に行かないので、髪を切ると別人みたいになるのだが、リアルな会議も当分ないのでいいだろう。

08/08/月
かかりつけの医者に行って薬をもらう。明日からは浜松の仕事場でお盆休みを過ごす。明後日に会議が2件あるがネット会議なので問題はない。便利な時代になった。考えてみると、あと一ヶ月でFootballが始まる。今シーズンはいろいろと楽しみがある。Footballを理解できる人が少ないのでこのノートに書いてもしようがないとは思うものの、この創作ノートは自分の心覚えでもあるので、予想なども少しずつ書いていきたい。

08/09/火
仕事場に移動。孫たちの相手をする日々が3週間続いたので、ぼくも妻も疲労困憊している。運転する妻が心配だったが、何とか仕事場に辿り着いた。孫たちは4日ほど仕事場で過ごしたのだが、ぼくは1泊しただけで東京に引き返したし、ほとんど記憶が残っていない。その後、東京に来た名古屋の孫2号に、久し振りだね、と言って怪訝な顔された。仕事場で会っていたのだ。それくらい記憶が飛んでいる。ぼくが先に帰り、あとから次男の運転で彼らは東京の戻ってきた。戸締まりとか、ブレーカーを切るとか、プロパンガスの詮を締めるとか、そういう作業をしていないので、雨戸を開けるとか、床を掃除するとかの作業も必要なく、そのまま日常が始まる感じだ。妻と2人きりの生活の何と安穏なことか。ここではのんびりと日々を過ごしたい。と思っていたのだが、明日はSARTRASの会議がダブルである。

08/10/水
SARTRASの共通目的委員会。いよいよ補助金事業の査定が始まった。すでに先週事務局にリアルに赴いて委員長と打ち合わせを済ませている。ただ委員長が査定対象の1件の関係者なので、その案件の時だけぼくが議長を務めることになっている。順番が回ってきて、議長を交替。ややこして質問や提案が出なかったので簡単に終わった。よかった。その後、妻が野菜を買いたいというので浜松のファーマーズマーケットへ。昼過ぎになっていたので、売り切れの野菜がたくさんあった。帰りにスーパーに寄って肉なども買う。本日の夕食も出来合いのもので済ませる。帰ってからもう一つのネット会議。こちらは紛糾して大議論大会になった。いつもなら一言何か言いたいところだが、午前中の瞬間的な議長の仕事で疲れた感じがしたので終始無言だった。こういうのも結果としてはけっこう疲れるのだが。

08/11/木
メールソフトを起動しても新着メールなしの表示。今日は休日なのだね。そのままお盆に突入ということで、日本全国が休日モードに入ったようだが、こちらも昨日の2件の会議が終わって、しばらくは何もない日々が続く。『善鸞』。いよいよ父と子が本格的な諍論ということになるのだが、ここでは親鸞の優しさを出しておきたい。この作品のポイントは父と子ということなので、親鸞の父としての人間観が見えてくることになる。いよいよ作品が本格的なゾーンに入ってきた感じがする。

08/12/金
昨夜から豪雨。夜中には雷もなっていた。朝起きると雨は止んでいて、薄日が射すこもあるのだが、時々ザーッと雨が降る。台風が近づいているらしい。東京では高層の共同住宅に住んでいて、生活するリビングルームは窓が開かない仕組みになっているので、風雨を感じることが少ないのだが、この築40年を超えた古びた木造の仕事場にいると、雨の音が激しく聞こえるし、わずかな風でも揺れる感じがして、天気の変化に敏感になる。東海から関東、東北にかけては雨ということだが、甲子園の高校野球を見ていると雨の気配がない。日本は広いと感じる。昨日も今日も、おそらく明日も、外出せずにひたすらパソコンの前に座ることになるだろう。仕事場と呼んでいるように、ここに来ると仕事が進む。

08/13/土
台風は浜松沖を通過して御前崎をかすめて伊豆半島に上陸し、千葉方面に向かったようだ。今回の台風は速度が遅かった。台風の東側は湿った南風が吹き豪雨となった。昨日の夜明け前、ぼくが寝る深夜2時くらいが、仕事場では最大の豪雨だった。台風が近づくと仕事場は台風の東側ではなく、北側になり、さらに西側になったので、雨は収まった。風もほとんど吹かなかった。この仕事場は丘の上にあるのでふだんから風の強いところだが、本日の台風はふだんの風よりも弱い感じがした。ということで、台風の被害はまったくなかった。この3日間、一歩も外に出ず、大半をパソコンの前で過ごしたので、仕事はかなり進んだ。主人公が東国に向かう準備が進みつつある。東国に行ったあとどこに行くのか。まず鎌倉に行くだろうとは思う。その先はまったく考えていない。鎌倉に大仏があるかで迷っている。あの大仏がいつからあるかはっきりしないし、誰が建てたのかもわからない。あれが阿弥陀仏だということはわかっているが、親鸞は「南無阿弥陀仏」の六字の名号を「ご本尊」にするくらいだから、仏像とは無関係だ。一般的な阿弥陀信仰というものはあったはずで、藤原道長は九体の阿弥陀仏が並んだ法成寺を建立しているし、その息子は宇治の平等院を建てた。阿弥陀信仰は法然が浄土宗を興す前からあったことは事実で、鎌倉の大仏も幕府の関係者が建てたのだろうと思われる。落成当初は大仏殿もあったはずだ。それを主人公が見ることになるのか。これについての史実がまったわからない。困ったことだが、話を捏造するしかないだろう。

08/14/日
8月も半ばになった。9月の第2週からはいよいよFootballが始まる。あと一ヶ月もなくなった。このあたりで、改めて今シーズンを展望しておこう。今シーズンはAカンファがおもしろい。このところバッカニアーズ、ラムズとNカンファがスーパーボウルで2連勝しているのだが、それはAカンファのトーナメントが厳しすぎて疲れ果ててしまうからだろう。とくに今シーズンは、シーホークスのQBラッセル・ウィルソンがブロンコスに、ファルコンズのライアンがコルツに移籍した。いずれもスーパーボウル勝利のキャリアをもつ熟年プレーヤーだ。ともあれ、Aカンファからプレーオフ進出チームを予想していこう。まずは東地区、ここはビルズで決まり。昨シーズンはチーフスに残り13秒からのキックオフまでリードしていた。キックオフを転がしていたら、と悔いの残るところだ。実力はすでにマホームズのチーフスを上回っているのではないか。さらにディフェンスのスーパーMVPのボン・ミラーが加わった。地区優勝は間違いない。ブレイディーがいなくなったペイトリオッツは昨シーズンは新人QBのマック・ジョーンズでプレーオフには出場したが、初戦でビルズにポロ負けした。そこが限界か。むしろチーフスからタイリーク・ヒルが移籍したドルフィンズが注目される。ただ3年目QBのタゴヴァイロアに疑問符がつく。控えのブリッジウォーターが出るようだとプレーオフに到達できるのだが。北地区はスーパー出場のベンガルズが最有力。今年はQBバローを守るオフェンスラインも強化された。対抗はQBラマー・ジャクソンが怪我から復帰したレイブンズ。1巡で新人QBピケットを採ったスティーラーズは苦戦するだろう。南地区は昨シーズンはタイタンズが全体1位になったのだが、この地区はレベルが低すぎる。QBタネヒルにも限界を感じる。ベテランQBライアンを招いたコルツが地区優勝に近い。昨年のドラフト1位QBローレンスがどこまで力をつけて頑張るか。たぶんダメだろう。西地区は激戦。チーフスが優位ではあるが、ラッセル・ウィルソンが入ったブロンコスも有力、3年目ハーバートが率いるチャージャーズも魅力的だ。ということで、地区優勝はビルズ、ベンガルズ、コルツ、チーフス。ワイルドカードはブロンコス、チャージャーズ、レイブンズ。希望としては新人QBピケットのいるスティーラーズも頑張ってほしいし、知将ベリチックのペイトリオッツも不気味だ。しかし結局、ビルズ対チーフスの勝者がスーパーに進むのではないか。ただチーフスの伝家の宝刀ワイドレシーバーのヒルがいなくなったので、マホームズのパスを誰が受け取るのか。さらにチーフスはベテランのセーフティー2人を放出したので守備が心配。それでも何しろマホームズだから何とか勝ち上がっていくだろう。さて、今回仕事場に来てから、猛暑と台風で散歩ができなかったが、ようやく本日の夕方、軽く散歩。近くの集落まで行って湖岸に出る1時間弱のコース。日差しはないが湿度が高く、少しコースをショートカットした。夜、三ヶ日の町の花火大会。仕掛け花火みたいなものは見えないが、打ち上げ花火は見える。久し振りの花火を楽しんだ。

08/15/月
続いてNカンファ。東地区はやはりプレスコットのカウボーイズが強いだろう。レッドスキンズ改めコマンダーズにウェンツが移った。もともとディフェンスの強いチームで、ハイニケというダメそうなQBでもたまに勝つことがあったので、ウェンツが昔のような調子を取り戻せば可能性はあるだろうが。イーグルスはモバイルQBのハーツに望みを託しているが、ぼくはパスに正確性のないQBは難しいと思っている。北地区はパッカーズで決まり。ロジャースに衰えはない。レシーバーがいなくなったのだが、ロジャースなら新人レシーバーでも捕れる球を投げる。南地区はブレイディーのバッカニアーズに揺るぎはないだろう。セインツはウィンストンで勝てるか。ブラウンズから追い出されたメイフィールドがパンサーズに移った。ここはランニングバックが強いので、無理なパスを投げなければ可能性はある。ライアンを放出したファルコンズは過渡期で戦力がダウンしている。個人的にはQBマリオタに期待をかけているのだが。西地区はスタッフォードの肘が回復するばラムズ、マレーが残留したカーディナルスとの争い。ここに2年目QBランスの49ナーズが割って入るか。ラッセル・ウィルソンを放出したシーホークスは絶望。ということで、地区優勝はカウボーイズ、パッカーズ、バッカニアーズ、ラムズで決まり。あと3チームはカーディナルス、49ナーズと西地区が強い。あと1チームはさっぱりわからない。ウィンストンの調子がよければセインツか。なお、昨日のノートにAカンファのワイルドカードはブロンコス、チャージャーズ、レイブンズと書いたが、ぼくの希望を入れれば、ブロンコス、ペイトリオッツ、スティーラーズということになる。とくに新人ピケットのスティーラーズを応援したい。さて本日は^鼻湖の湖岸を歩いた。仕事場からは浜名湖が見えるのだが、建物のある別荘地は反対側の^鼻湖に接している。このあたりは二つの湖に挟まれた地峡のような場所で、昔は真夏でも涼しい風が吹いていた。いまは反対に湿度の高い風が来るのでエアコンなしには過ごせない。^鼻湖では昔、飼っていた犬が水浴をした。湖岸で首輪の綱を解放すると、嬉しげに跳ねて、水の中に飛び込み、湖のかなり沖の方まで泳いでいった。良識のある犬で、途中でUターンして戻ってくる。毎日泳いでいると自信ができて、かなり遠くまで泳ぐようになった。もう戻って来ないのではと心配になるほどだった。その犬が亡くなってちょっど20年になる。スペインにいる孫1号の女の子が生後半年くらいで来日して、つかまり立ちができるようになっていた。そこに老犬がよたよたと近づいていくと、女の子が背中を撫でた。撫でたつもりだったのだが老犬はそこでべたっと倒れてしまった。その光景を眺めながら、ぼくは、孫が生まれ入れ違いに犬は去っていくのだなと思った。それが20年前のことだ。その女の子はいまは大学生で、医学部で勉強している。

08/16/火
都田テクノのカインズホームへ行く。近くの三ヶ日にもコメリというホームセンターがあるのだが、ここのカインズホームはふつうのスーパーや電機ショップもある総合ショッピングモールになっているので、仕事場に滞在している時はよく出かける。ぼくが買ったものはウイスキーの巨大ボトルと体重計。体重計は昔はあったのだがいつの間にかなくなっていた。壊れたのだろう。電池の要らない昔ながらのバネの計りを購入。体重を気にしているのでビールは極力控えている。寝酒にウイスキーを少し飲む。少し飲んでいるつもりだがどんどん減っていく。東京のいつも行くスーパーでもプラボトル入りのラージボトルを買うのだが、ここにはもっと大きな巨大ボトルがある。

08/17/水
朝起きると涼しい風が吹いていた。少し気候が変わってきたか。ただ11時くらいに30度を超えたのでエアコンを入れる。高齢者夫婦なので惜しみなくエアコンを作動させる。夕方散歩。今日は湖岸に西陽が当たっていて暑かった。スタートを30分遅らせた方がいいか。明日は会議があるが、この週末も仕事場で過ごすつもり。

08/18/木
SARTRAS理事会。やや紛糾したが、休憩を挟んで新しい資料を送付することで話がまとまった。こちらは発言せず。ネット会議とはいえ決まった時間にiPadでズームにつなぐ必要があるので、自分の仕事が中断される。会議が始まってしまえば、iPadの音声を聞きながら、パソコンで送られた資料を見るのだが、こちらはその前段階の会議にも出席しているので、何度も聞いた議論を繰り返すだけ。ということで、パソコンには自分の仕事のワードファイルを開いて仕事をする。この仕事場に来てから1週間以上になるがかなり仕事が進んだ。涼しい風が吹いてきた。夜になってからエアコンを止めて窓を開け、外気を取り込んだ。昔の夏はこんなふうだった。この仕事場も、屋根裏にあるぼくのかつての書斎(いまは物置になっている)にエアコンがあるだけで、リビングや寝室にはエアコンがなかったが、問題なく夏を過ごせた

08/19/金
志都呂イオンに行く。浜松最大のショッピングモール。新幹線で名古屋や大阪に行く時は、浜松に近づくと窓の外を中止する。志都呂イオンが見えると何となく嬉しい。妻が買い物をしている間、テラスに出て海の方を眺めると、新幹線が見える。新幹線が通り過ぎるのは短い時間だが、新幹線の中から見ると長い時間、志都呂イオンが見えている気がする。モールの中には本屋がある。広大な面積なのだが、小説の単行本はヒット作品が平積みになっているだけで、古い作品はまったくない。浜松の人は新刊書を読まないようだ。東京にいる時によく行く深川ギャザリアの本屋にはぼくの『尼将軍』が置いてあるのだが。大きな本屋さんに行って自分の本が1冊もないと寂しい思いをする。寂しいままで帰りたくないので児童文学のコーナーに行ってみた。『星の王子さま』が1冊あった。それで安心したのだが、あとで集英社文庫の棚に行くと『いちご同盟』と『春のソナタ』があった。

08/20/土
昨夜もエアコンなしで寝られた。本日も朝のうちは風を通していた。昼近くなって湿気が強くなってきたのでエアコンを入れたが、2台あるうちの1台を作動させるだけで充分に快適だ。第2章が終わった。長かった。ここは橋渡しの章で、帰洛した親鸞と再会した善鸞が、どのようにして父との二十年の年月を過ごしたかが書かれている。二十年の年月を順を追って書くと膨大なものになってしまうので、スポットの積み重ねのような書きぶりになっているので、時間の経過がわかりにくい。しかしこんな感じで書くしかなかった。ここまでは準備のための布石のようなもので、ここから一気に時間が流れていく。箱根、鎌倉、常陸と旅の経路を辿っていけば、東国の全容が見えてくる。鎌倉では日蓮に会い、常陸の三村山では忍性と会う。この作品は一種の議論小説になる。カラマーゾフの兄弟の続篇を書いた時に似ている。ゾシマ長老に絶望したアリョーシャがいかにして偉大な教祖になっていくか、というのがぼくの続篇のテーマだったが、今回は似たような経緯を辿るだろう。これからだが、楽しみだ。ここまで来て、ようやく作品を書くのが楽しくなってきた。

08/21/日
浜松の北にあるファーマーズマーケットに行く。今回、到着した翌日にも行ったのだが、その日は午前中に会議があったので、マーケットに到着したのは昼頃になっていた。すると駐車場の車の数も少なくがらんとした感じて、ナスとか、カボチャとか、商品が残っていないものもあった。葉物などは少し残っていたが、たぶん選ばれなかったものなのだろうという感じがした。で、本日は早めに出発。今回はすごい混雑だったが、商品はしっかり残っていた。タマネギなど、東京では高価なものもここでは安い。ということで、重い夏野菜を大量に買い込んだ。そのまま車の中に入れておく。来週の火曜に東京に戻る予定。とくに用はないのだが、ずっとここにいると東京に戻りたくないという感じになってくる。仕事場にはルーターがあって会議にも出られるしメールも見られるのだが、郵便物は届かない。まあ、郵便物がたまらないように、2週間を限度としている。来月の月の後半に来られたらと思っている。昨日、第2章が終わった。気分が軽い。第3章も少し書いた。何も考えていないのだが、箱根を越えて鎌倉へ行く。動きがあっておもしろい。京での出立直前のようすは回想で書くことになるので、少し主人公を歩かせてから回想を折り込むことにする。本日は猛暑というほどではないが湿気が充満していてエアコンを入れずにはいられない。曇りなどで陽差しはないのだが。浜名湖の眺めも明日まで。

08/22/月
明日、東京に戻るので、仕事場での最後の日。鷲津に行く。中華料理屋で昼食。100円ショップを回り、夕食の弁当を買って帰る。この2週間、パソコンの前に座っている時間が長かった。腰が痛くなるほどにずっと座っていた。第2章が終わり、いよいよ主人公が東国に向かう。日蓮は少しあとで登場させたい。まずは忍性だろう。ここから思想ドラマが始まることになる。ところで、渋谷区の神泉駅前で殺傷事件が起こった。中学生の少女が起こした無差別殺人(未遂)ということで話題になっているが、ぼくは大学1年生から3年生まで神泉に住んでいたので、あのあたりには土地勘がある。神泉は谷間の街だ。渋谷から出発した井の頭線はすぐにトンネルに入り、トンネルを出たところに神泉の駅があるのだが、車輌の前の方はすでに次のトンネルに入っている。そして次の駒場東大前まではまたトンネルが続く。ぼくが住んでいた賃貸アパートは駅から徒歩で1分とかからない場所で、駅前といってもいいのだが、坂の上にあった。いまは神泉駅の改札がトンネルの上にも出来ているので、駅まで30秒のところだが、電車はトンネルの中にいるので、騒音はまったく聞こえなかった。坂の上は豪邸街だが、駅に近いところだけは連れ込み旅館があって、すでに妻と同棲していたわれわれが坂道を二人で歩いていると、通りがかりのおじさんが妻に「気をつけなさいよ」と声をかけたりした。さて、事件があった道路なのだが、トンネルとトンネルの間には車の通れる道路があり踏切がある。そこは道玄坂の上から昔は芸者の置屋や料亭があった円山町から、東急本店の方に抜ける道になっている。繁華街というほどではないが車はけっこう通っているし飲食店などもあるところだ。神泉の駅から踏切の前に出たところに、この自動車の通る道路と並行した細い裏道の入口がある。すぐ先に百軒店に通じる急な階段があって、この階段はけっこう人が通るのだが、裏道の方はほとんど人が通らない。事件はそこで起こった。しかし東急本店の方から神泉駅に向かうと、この裏道は方がわずかに近道だし、車が通らないので歩きにくい。被害者の二人はそのことを知っていてこの裏道を通ったのだろう。そこは夜は暗く人通りもないので、妻は一人の時は通らなかったはずだが、ぼくと二人の時はいつもその裏道を通っていた。だからその裏道には懐かしさがある。そこで事件が起こったことにショックを覚えた。

08/23/火
朝8時に起床。部屋の片づけなどをして9時30分の三ヶ日インターから旧東名を名古屋方面に入る。すぐ先にジャンクションがあって新東名に移動。道路はすいていて途中3回休んでも2時前には御茶ノ水に到着した。まずパソコンをセットして、郵便物のチェック。これに時間を費やして結局、本日は仕事は出来ず。自著の『日蓮』を読んで日蓮の動きをチェックする。どこで日蓮と会わせるか。どこかで会っておきたい。日蓮の弟子が鎌倉にいるという設定で、まずは噂から聞くことにしてもよい。とりあえず昨日は鎌倉大仏を見るところを書いた。鎌倉大仏がいつできたかが史実として特定できず微妙なのだが、ほぼ完成というくらいにしておく。大仏殿はまだ出来ていないが、すぐあとに津波で流されるはず。

08/24/水
仕事場ではいつも9時に起きていたが、御茶ノ水では10時に起きる。なぜかはわからない。浜松三ヶ日の爽やかな朝の風を期待してということだろう。10時に起きたのではもう風が熱風になっている。御茶ノ水の高層住宅ではそもそも風というものがないのでゆっくり寝ている。同じ敷地内にあるスーパーで牛乳などを買う。あとはパソコンに向かう。高校野球がなくなって寂しい。9月の第2週からFootballが始まる。日本時間だと9月9日の午前中だ。共通目的委員会がある日だが、リモートなのでテレビを見ていてもわからないだろう。まあ、ビデオに収録してじっくり見ることになるだろうが。

08/25/木
今週は公用はない。ひたすらパソコンに向かう。自著の『日蓮』を読んで動きを確認した。本格的に辻説法に出るのはもっとあとで、台風や地震などの天変地異が相次いだあとのことだ。いまは『立正安国論』を執筆中ということになる。だがその前に日蓮と対決させたい。どういう手順にするか。少し考えてみたい。

08/26/金
久し振りに小石川後楽園へ行こうと歩き始めたが、遊園地が見えたところで雨が降り出したので、地下鉄に避難。神保町乗り換えで小川町へ。地上に出てみるとまだ小雨だった。集合住宅に到達したところでやや雨が強くなったが、豪雨というほどではない。自宅に戻って窓の外を見ると、日比谷のビルが見えなくなっていた。赤坂、六本木のあたりはひどい豪雨だったようだ。

08/27/土
三越本店まで散歩。弁当を買って帰る。善鸞は下総守護の館を訪ねて日蓮の弟子になったという武士と対話。まだ日蓮は出てこない。ここで噂を聞くだけにとどめる。燃阿の良忠の噂を聞くことにしよう。忍性の噂はすでに京にいるころに聞いている。こういう噂がじわじわと重なっていって、善鸞の前に壁となって立ちはだかっていく。その先は何も考えていない。北条時頼も出したいのだが、自著『日蓮』で禅僧となった時頼を出しているので二番煎じか。本日も猛暑だが湿度が少し下がっていて、日陰を歩けば何とか耐えることができる。スペインの夏を思い出した。陽差しが強くものすごく暑いのだが日陰に入るとひんやりする。長男が住んでいるサラゴサの周囲には砂漠が広がっている。砂漠といっても砂はない。不毛の大地がどこまでも広がっている。山に緑がない。日本では相当な高山に行かないと緑が尽きることはないが、スペインは都市の周囲がいきなり不毛の大地になっている。都市と外部とがはっきり分かれている。たぶん水道管が来ているかどうかで線引きされていて、外部に人は住めない。植物も育たない。乾季になると雑草も生えない。そうした砂漠から吹いてくる風はとことん感想していて、汗がどんどん蒸発していく。もう長い年月、スペインに行っていない気がする。三女が赤ん坊のころに行ったきりだ。それがいまでは中学三年生になっている。Football開幕まで2週間となった。すでにプレシーズンの練習試合が始まっている。スティーラーズの新人QBピケットの評判がよい。開幕先発となるか。ブラウンズからパンサーズに移籍したメイフィールドは開幕先発が決まった。今シーズンは2年目のトレイ・ランスを先発にすることが決まっている49ナーズのベテランQBガロポロの去就が注目されている。練習にも参加していないし、作戦などを書いたノートも貰っていないようだ。開幕まで2週間となったこの時点での、QBのトレードは難しいだろう。3年前のスーパーボウルに出場したQBだ。どこか引き取り手はないのか。トレードしたワトソンが出場停止となったブラウンズ、そのワトソンを放出したテキサンズ、ラッセル・ウィルソンを放出したシーホークス、それにジョーンズに進歩が見られないジャイアンツあたりはどうか。だが肩の怪我からどれほど回復しているか、実戦に出られない状態ではトレードも難しいだろう。それでも控えQBが手薄なチームはいくつかある。トレードではなく放出ということになれば、声をかけるチームもあるのではないか。

08/28/日
今日は気温が25度という予報だったが、われわれの住宅は風通しがよくないので29度になっている。湿度が高くやや凌ぎにくいのだが、久し振りにエアコンをつけずに過ごしている。日蓮の弟子の乗明という若者と話をしている。これで日蓮だけでなく燃阿の良忠の噂も聞ける。このように同時代の人物の噂をちりばめておいて、実際に会うのは面授の門弟の性信から始めたい。そういったことは事前には何も考えていなかった。『天海』の時も同様で、書きながらそのつどプロットを考えていった。書き手が先の方まで設定していると、主人公の感性と書き手の感性に齟齬が生じる。これからどうなるのだろうという期待と不安を書き手と主人公が共有していた方がリアリティーが出てくる。本日は日曜日。今週は公用がなかったのだが、来週は会議が3日連続で、そのうち1つがリアルな会議。マッサージもあるので、毎日スケジュールが入っている。その次の週もけっこう忙しい。そのあいまをぬって、期待と不安を抱えた主人公がどんなふうに動いていくかを見守りたい。さて、Footballの開幕が迫ってきた。そろそろ頭の中がだんだんFootballで占められるなっていく。ここでは優勝候補をいくつか挙げておく。@チーフス。予想というよりもファンとしての希望で、QBマホームズの活躍を祈りたい。パスの受け手だったタイリーク・ヒルがドルフィンズに移籍してしまった。新たに入ったレシーバーがスミス・シェスターとスカントリング。いずれもスティーラーズとパッカーズの2番手レシーバーだ。ヒルのような傑出した受け手ではないのだが、ヒルがいると敵はヒルを徹底的にマークする。マホームズもヒルに投げないといけないというプレッシャーを感じていたはずで、これが最近のマホームズの不調につながっていた気がする。レシーバーがハードマンを含めて全員2番手という感じなら、どこに投げるかわからなくなる。これにタイトエンドのケルシーと、ランニングバック陣が受け手に加わるので、敵は守備が難しくなる。そういうところに期待してい、優勝候補に挙げたいのだが、この陣容はぶっつけ本番なので慣れるのに少し時間がかかるだろう。チーフスの序盤の対戦相手を見ると、カーディナルス(マレーがやる気になっている)、チャージャーズ(ハーバートが全開)、コルツ(ライアンが入ったがこちらもまだ慣れていないはず)、バッカニアーズ(ブレイディーの調子が出てくる頃合い)、レイダーズ(ここをマホームズは苦手にしている)、ビルズ(昨シーズンのプレーオフで残り13秒で同点になった強い相手)、49ナーズ(ランスが活躍しそうだ)というスケジュール。この7戦を5勝2敗で通過できればカンファ1位が見えてくる。Aビルズ。去年の陣容がほぼ残った上に、QBアレンがさらに伸びる。ディフェンスにボン・ミラーが入って完璧。チーフスはプレーオフをホームで闘いたい。序盤に負けが込んでビルズの方がシードが上になると、ビルズがスーパーボウルに進出する可能性がやや強くなる。Aカンファはラッセル・ウィルルソンが入ったブロンコス、ライアンが入ったコルツも、もともと守備のいいチームなので、オフェンスのチームワークが噛み合ってくるとどこまで強くなるか計り知れないところがある。あと期待をこめてスティーラーズの新人QBピケットはどうか。序盤をベテランのトルビルスキーに任せるようだと負けが込みそうだが、新人が自信をつけると一気に連勝しそうなポテンシャルを感じる。Nカンファは期待できない。ブレイディーが有終の美を飾るという期待をこめてバッカニアーズを推したいところだが、タイトエンドのグロンコウスキーが引退したので神通力が半減するのでは。2年目QBのランスに賭ける49ナーズと、マレーが最後まで怪我をせずにがんばれるかでカーディナルス、同じ西地区のラムズも連続制覇を狙っているだろうから、西地区は激戦になる。ウィンストンに成長があればセインツにも期待したい。あと個人的にマリオタが好きなのでファルコンズと言いたいところだが、ここはライアンがいても負け越していたのでチームのパワーが下がっている。ウェンツが移籍したコマンダースはダメだろう。ダークホースとしてはAカンファはドルフィンズ。何しろタイリーク・ヒルがいる。ただQBのタゴバイロアは3年前のドラの2QBだが、ロングパスの精度が改善されなければ大きな期待はもてない。控えのウォーターブリッジを出してほしい(ファンなので)。スーパーボウルで惜敗したベンガルズは、今年は何となくダメな気がする。オフェンスラインの改善が見られなかったので、バローは去年よりも激しくアタックされるだろう。去年のドラ1、トレーバー・ローレンがどこまで頑張れるか。勝ち越しを目指してほしい。あとペイトリオッツはプレーオフには出られるだろうがビルズの壁を越えるのは難しそうだ。さて本日は久し振りに茗荷谷に行った。丸ノ内線の4つ先の駅で、ここから自宅に戻ると山あり谷ありの変化に富んだコースを辿ることになる。途中、小石川植物園の入口の前を通り、樋口一葉も通った清水橋という陸橋を渡る。以前は東大赤門から三四郎池に向かったのだが、疫病流行のせいか警備員が立っていて誰何されそうなので本郷三丁目の交差点からジグザグに裏通りを通り、医科歯科大の前に出てくる。自宅から出てクルッと回るだけの散歩と違って、ずいぶん遠くから自宅を目指すことになり、最初はわくわく感があり、途中は疲労感がつのり、自宅に近づくとやれやれと思う。昨日と違って湿度が高く温度が低いという状態で、陽差しがないので涼しかった。

08/29/月
昨日の深夜、『善鸞』という作品の最も重要なキーワードが「信」だということに改めて気づいた。「教行信証」の最後は「証」だが、これは親鸞の心覚えのために書かれたもので、「証」は理屈に通じる。しかしこの教えの根本のところは「信」であって、それは「無義の義」によって、理屈を排除した絶対的な信でなければならない。このことを、1章、および2章で重ねて読者に向けて発信しておかないと、3章から先に進めないことがわかってきた。いまごろになってようやくわかったのかと、自分でも笑ってしまうが、小説というのはそういうもので、書いているうちに、自分が何を書こうとしていたのかがわかってくるということになる。いまようやくわかったので、これまでのところを修正しないといけない。最初から読み返すことにした。出だしのところから、少しずつ修正が入る。この修正はかなり高レベルのもので、いままで手探りで書いていたものに一本、筋を通すことになる。より完成形に近づいたといえる。『天海』を書いている時にもそういう瞬間があった気がする。もう忘れてしまったのだが。ワープロで書いているので修正したところは見えなくなっていく。それでいい。さて、本日は小石川後楽園回りのコース。帰ってから歩数計を調べると、昨日の茗荷谷からのコースの方が少しだけ長いけれども、ほぼ同じということがわかった。体力が衰えているのか、昨日も今日も疲れを覚えた。毎日、コンスタントにこれくらい歩いていかないといけない。

08/30/火
新宿のマッサージに行く。どういうわけかマッサージの日に雨になることが多い。今日は天気予報では曇りだが雨は降らないということだったが、マッサージを終えて建物の外に出ると雨が降っていた。『善鸞』は最初から読み返している。冒頭の父と再会して善鸞という法名を与えられるまで、常陸と呼ばれる妻と出会い息子の如信が生まれるまで、という2つのシーンを読み終えて、長篇の導入部として充分に魅力的でリーダブルだと感じた。ここまではうまくいっている。長篇小説で困るのは話が進んでいくと登場人物が増えていくことで、増えたキャラクターが読者の想像力の中で持続して映像として把握されているかということが心配になる。その点、『天海』は楽だった。登場人物のすべてが有名人だったから。フィクションとして作った人物は一人もいない。全員が有名人という楽な作業だった。今回は、善鸞の妻は完全なフィクションだが、すぐに死ぬので問題はない。あとはすべて歴史的に実在する人物ではあるのだが、親鸞と日蓮の他は、主人公の善鸞も含めて、誰も知らない人々なので、イメージをしっかりと作って読者に印象づけるという作業が必要だ。蓮位は実直な側近、顕智は聡明だがやや暗い人物、というふうに造形している。あとは娘の王御前と下人の嫌女。いまこの二人が登場するところを読み返している。マッサージを受けている時に、孝謙天皇をもう一度描きたいという気がしてきた。以前から女帝シリーズをもう一度、六人全員が登場する大河小説として再構成できないかとは考えていたのだが、これはデッドストックが増えるだけかもしれない。

08/31/水
ぼくが専用ワープロを使い始めたのは35歳の時のことで、人生の半ば以上はワープロとともにある。東芝のトスワード1という機種で、60万円くらいしたのではないか。液晶2行しか表示できず記憶媒体はペラペラの5インチのフロッピーだった。しかもフロッピーの中には辞書が入っていて、漢字変換の度にフロッピーがキリキリと音を立てて回転した。漢字辞書のあいたスペースに文書を記憶させるため、容量がごくわずかだった。ワープロの機械の内部にはほとんどメモリーがなかった。使える漢字は第一種と、登録した第二種50字だけだった。それでも『デイドリームビリーバー』という上下二巻の長篇小説を書いた。通信機能がないためプリントしたものを編集者に渡しただけだった。それ以前、まだプロの作家になる前のフリーライターをしていたころに、ヒラカナが打てるタイプライターを購入して、ヒラカナで打ち込みをする練習をした。いまでもヒラカナで小説を書いている。ただiPadはローマ字入力、iPhoneはテンキーで打ち込んでいるのだが、小説はヒラカナキーボードでないと打てない。一時期、ポメラというオモチャのような打ち込み機械を使っていたこともある。専用ワープロで仕事ができるようになったので、パソコンも購入したが、そのころのパソコンはまだ一種のゲーム機で、通信機能もなかった。記憶はテープレコーダーという、いまの若い人には想像もつかないものだった。それでもベーシックという言語で、円周率の計算とか、素数を求めるプログラムを自分で作成して、『素数風鈴』という作品を『早稲田文学』に掲載した。ハードディスクのついたパソコンを使い始めたのは世田谷三宿に引っ越してからでウィンドウズ3・1のころだ。まだ通信は電話線だったから、ソフトのダウンロードに長い時間が必要だった。メールのやりとりができる相手が数人しかいなかった。ウィンドウズ95になったころに、編集者のパソコンが使えるようになったので、メールに貼り付けて原稿を送るようになったが、そのころのパソコンにはファクスの機能があって、パソコンを使わない編集者にもファクスで送れるようになった。ウィンドウズ98くらいの時に光ファイバーが普及したので、現在と同じ環境になった。ウィンドウズ3・1のころはまだノート型の専用ワープロを使っていて、テキスト文書に変換してワイヤーでパソコンに送り、ワード文書にしてからプリントしたり、ファクスやメールで送っていた。早稲田の専任になった時にノートパソコンを支給されたので、ワードに打ち込むようになったが、その前に一太郎を使っていた時期があり、キーの配置を東芝の専用機に近づける変更を施していたので、いまでも一太郎のATOKで変換している。スペースキーの右横の変換キーでカタカナに変換できるようにしてある。で、いま使っているパソコンは10年前のもので、サポートが終わったウィンドウズ7をそのまま使っている。ワードもネット閲覧ソフトもメールソフトも10年前のままだ。なぜこんなことを書いているかというと、プロバイダーからメールソフトの設定を変更するようにという通知があった。で、指示どおりに変更したらつながらなくなったので元に戻したのだが、そのままでは9月半ばで使えなくなるとのことで、要するに古いメールソフトでは対応できないとのことだった。ということで、フリーのメールソフトをダウンロードする作業を昨夜の深夜にやっていて、とても疲れた。どうにか使えるようにはなったが、使い勝手が全然違うし、何だかようすがすっかり変わってしまった。これからどうなるのだろうと不安だ。大学の先生をしていたころ、研究室のパソコンはウィンドウズ10になっていたので、それでネットにつないだりメールを打ったりはしていたのだが、その設定は大学の職員がやってくれていた。ということでまだしばらくの間、この中途半端な状態を続けることになる。本日は午後からSARTRASのWG。これは傍聴するだけなので、聴きながら自分の仕事はできるのだが、資料をメールで送ってくる。これを新しいメールソフトでできるのかと心配していたのだが、何とかできた。まあ、これで最低限の作業は支障なくできそうだ。ということで8月も最後の日になった。『善鸞』は順調に前進している。気分良く9月に入れそうだが、9月はけっこう忙しい。会議もあるし、大学の三鷹サテライトの講座もある。体調に気を付けて何とか『善鸞』の草稿完成を年内に実現したい。さて、ここまで書いてきて、このファイルをネットにアップするのだが、アップロードのソフトも20年以上前のもので、まだWindowsの下にMS-DOSなどが入っていた時代に使っていたもの。だからこのソフトはDOSで書かれているはずで、そんなものがいま使えるのかといつも心配しているのだが、ちゃんとアップされている。アップされているかどうかは自分のパソコンで確認できないので、iPadで自分のホームページを見ることになる。まあ、大丈夫だろう。






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