善鸞05

2022年05月

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05/01/日
連休中、仕事場に来ている。火曜日に来たのでまだ一週間も経っていないがこの場所に慣れている。雨の日が多いが、庭の草刈りはほぼ終わった。抜いた草がそのまま放置されている。連休後半は天気が続くと予報されているので、草が乾いたらゴミとして捨てないといけない。本ゲラがまだ届かないので『善鸞』を最初から読み返している。さて本日はドラフト3日目。7巡までのピックが終わった。例年だと有力QBの配属先が焦点になるところだが、今年はQB不作と言われてまったく話題にならなかった。その中で20番目のスティーラーズが1巡でQBを指名した。ピッツバーグ大のピケット。地元の人気選手だし、即戦力の期待がかかっている。ビルズの控えだったトルビスキーをトレードでゲットしている。マホームズやワトソンの同期ぐらいで先発に定着したこともあるのだが伸び悩んでいるうちに控えQBになってしまった。潜在能力はあるはずだが、ピケットを使いながら育てた方がいいかもしれない。2巡以後のQBもぼくは注目している。ピケットの次に指名されたのは74番でファルコンズがシンシナティ大のリダーをピック。安定したパスを投げ脚も速い。ここは長く先発をつとめたライアンを放出して、レイダーズで控えだったマリオタを入れた。数年前の新人でタイタンズでは長く先発をつとめていたが、怪我が多く控えに回っていた。ぼくはこの選手が好きで、新人には負けないと思っている。86番でタイタンズが即戦力の期待が高いマリク・ウィリスを選んだ。ここは注目。タイタンズは地区優勝でカンファ首位、ポストシーズンのトーナメントは1回戦が不戦勝になったものの、準決勝でベンガルズに負けてしまった。終盤のベテランQBタネヒルのミスで負けたといってもいい。ヘンリーという超弩級のランニングバックがいるので、ボールを手渡すだけが仕事みたいなところがある。早めに新人に切り替えて経験を積ませた方がいいかもしれない。94番でパンサーズがミシシッピ大のマット・コラルをピックしたのも注目。ジェッツからトレードで獲得したダーノルドが使い物にならない。ブラウンズで余っているメイフィールド獲得の噂もあった。そうなると4年前のドラフト1位と2位が同チームに並ぶことになると思っていたのだが、ラマ―・ジャクソン並に走るといわれるコーラルをゲットしたので新人に賭けることになる。そうなるとメイフィールドの行き場がなくなってしまう。テキサンズかシーホークスが採ってくれないか。昨年のドラフトではワイドレシーバーのチェイスが注目されたが、期待どおりの大活躍でベンガルズをSUPERBOWLにまで進出させた。今年は10番、11番、12番と連続でオハイオ大のレシーバー3人がピックされた。ここではジェッツが選んだギャレット・ウィルソンが注目される。ジェッツは他にも的確な新人(ランニングバックのブリース・ホールなど)を選択していて2年目QBのザック・ウィルソンの成長次第では今シーズンの台風の目になりそうだ。チーフスは地味にエッジとコーナーバックを補強した。レシーバーのヒルがいなくなったが、スティーラーズのスミスシェスターなどが入ったのでマホームズの出来次第だが何とか戦力を維持できるのではないかと期待している。あとは新人QBを入れたスティーラーズがどこまでやれるか。よたよたしていたロスリスバーガーでもプレーオフに進出できので、今シーズンもある程度はがんばれると思う。ペイトリオッツはいつもどおりまったく地味な選択だった。激戦区のAカンファ東でどこまでやれるか。ここはビルズが強いし、ヒルの入ったドルフィンズ、そして有力新人をずらっと並べたジェッツも楽しみなので、ペイトリオッツがビリになる可能性もある。さて、『天海』の白ゲラは読み終えたが本ゲラはまだ来ない。初校で紙が真っ赤になるくらい修正を入れたので、再校は直しは少ないと楽観しているのだがどうか。夕方、四日市の次男到着。

05/02/月
今日は裏手の斜面の草刈り。次男がいるので電動バリカンの操作を任せ、こちにはコードが絡まないように手助けをした。2人でやると作業が捗る。紫陽花を借りすぎたと妻に叱られた以外は万全の作業が出来た。本ゲラはまだ来ない。昨日までのドラフトのことを考える。スティーラーズが20番目でナンバー1のQBをピックできたことが、結局のところ最大の成果だったのではないか。長く先発を務めSUPERBOWLを2度にわたって制覇したロスリスバーガーが引退した直後だっただけに、新たなQBが必要だった。ロスリスバーガーが怪我で出られなかったシーズンで先発を務めたルドルフと、ビルズから移籍したトラビスキーという力量のある控えQBもいるので、競い合うことでさらにレベルアップするだろう。新人QBピケットは、スティーラーズと施設を共有するピッツバーグの出身で、甲子園のヒーローが阪神タイガースに入るようなものだ。地元の絶大な人気があるので初戦から先発させないわけにはいかないだろう。最初は不慣れでミスもあるだろうが、数試合経験を重ねれば何とかなる。ディフェンスの強いチームなので、そこそこにいい試合をするのではないか。同じAカンファ北地区にはSUPERBOWLに出場したベンガルズ、ラマ―・ジャクソンのいるレイブンズ、ワトソンが移籍したブラウンズと、競合がひしめいている。Aカンファはどの地区も充実している。今シーズンはAカンファに注目が集まるだろう。

05/03/火
5月の3連休は浜松祭。コロナ前の3年前くらいに凧揚げを見に行った記憶がある。街では子どもたちが進軍ラッパを吹きながら走り回る。バルブのない軍隊ラッパだが、浜松の人は全員が吹ける。今年は凧揚げ会場はラッパOKだが、街では禁止とのこと。われわれはどこへも行かない。次男は登山に行った。朝6時半に起きて車でどこかに出かけ、夕方帰ってきた。ぼくには登山を楽しむ習慣がないので理解しがたい。

05/04/水
次男の運転で伊良湖岬へ行く。メックンハウスという道の駅で野菜などを買う。連休なので人出は多かったが道路は流れていた。ただ岬の先端に行く道は渋滞していたのでそこはパスし、蕎麦屋で昼食。晴天で気持のよいドライブだった。ケータイに電話が入っていた。どうやら本ゲラのようだ。電話を折り返して夕方に届けてもらう。担当編集者からのお手紙では大きな直しはないようだ。まだ中身は見ていない。明日から作業を始める。

05/05/木
この仕事場を建ててくれた大工さん来訪。管理も任せていて、3月くらいに洗濯機の買い換えをお願いした。その時の清算などをする。夏の前の草刈りも頼んだ。大工さんが帰ったあと、次男も四日市に戻っていった。昨日届いた本ゲラ。まずは白ゲラに書き込んだ赤字を転記。それから冒頭から読み返す。編集者のエンピツ書きの部分を見て対応する。初校で大幅に書き直したので編集者からのチェックはごくわずか。初校の著者校も同封されていたが、白ゲラを読んだ感じでは大幅に挿入したところもうまく嵌まっているので問題はない。午後の早い時間にすべての作業を完了した。これでもう手が離れたことにしてもいいのだが、まだ時間はあるので、冒頭からもう一度、読み返すことにする。これが最後ということで念入りにチェックしていきたい。さて、妻と二人きりになった。週末までここにいられるので少しのんびりしたいと思っている。

05/06/金
鷲津の五味八珍で昼食。ワークマンで靴などを買う。ジャンボエンチョーで肥料を買う。ついでに100円ショップにも寄る。トイカプセルよりも少し小さいサイズの黒いゴムを半球状にしたものを買う。100円。ノートパソコンの発熱を抑える働きがあるらしい。もう10年以上使っているウィンドウズ7だがワープロとしては使える(NETや会議はiPadを使っている)。最近、やたらとファンが回るようになって警告が出るようになった。この100円の半球で対応できるならありがたい。『天海』を読み始める。今回は校正ということではなく、ごくふつうの読者として読みたい。たとえば冒頭部分は明智光秀の視点で書かれている。光秀が天海になったという俗説に従って光秀が主人公と思わせておいて、随風という幻術師が登場する。この冒頭部分は相撲で言えば「けたぐり」とか「いなし」といったもので、少し怪しい雰囲気で初めてから、すぐにまじめなビルドゥングスロマンになっていくのだが、光秀、武田信玄、快川和尚という有名人が次々と随風の前に現れる。浄土真宗の顕如、元関白の近衛前久、さらに徳川家康まで登場したところで、突然時間が過去に戻って、少年随風の生い立ちから話を説き起こしていく。そういう構成になっているので、読者になったつもりでそういう時間の逆転を意外に思うかおもしろいと思うか、読者の心の動きを推し量りながら読んでいきたい。

05/07/土
名古屋の孫2人が突然来ることになった。妻が電話でスケジュールを聞いた時に、長男は部活、次男は受験の塾で多忙だということで、来ないものと思っていたのだが、孫たちは土曜に行くと告げたつもりでいたようだ。で、あわてて食料を買い込んでから、鷲津の駅に迎えに行った。こちらが車を降りて駅の改札に出向いた時、ちょうど子どもたちが改札を出るところだった。仕事場に戻ると中3と小6の男子2人が大騒ぎだった。この仕事場はマンションなどと比べれば広々としているし、天井が高く柱や梁がむきだしになっていてアスレチックのような感じになっている。まだ無邪気な子どもたちだ。こちらはやや疲れ気味。父親とのタイミングがずれてしまったので、老人だけが孫に対応することになり、どっと疲れた。それでも再校の最終的な読み返し、3章まで終わった。

05/08/日
孫たちは放っておけば2人でよく遊んでいる。学年は3年違うのだが、長男が早生まれで実質的には2歳違いなので、年齢差はほとんどなく、楽しげにさまざまな遊びをする。2階建ての家が珍しいこともあるが、すぐに庭に出られるのも楽しいようだ。こちらはひたすら『天海』を読む。6章完了。ちょうど半分のところまで来た。ここまでまったく問題はない。楽しく読めている。

05/09/月
9時半に仕事場を出発。2時に御茶ノ水に到着。ぼくが住んでいる集合住宅の場合、パーキングスペースは地下2階にあって、そこから荷物を自分の部屋に運び込むためにはかなりの手間がかかる。まず地下のエントランスに車を着けて荷物を運び降ろす。運転する妻はそのまま立体駐車場のパレットに車を収納する。ぼくはエレベーターで20階に向かい、入口のコンシェルジュのところに行って荷物を運ぶ台車を借りる。この台車は通常のエレベータには乗せられないので荷物用エレベータの操作キーも借りる。台車を押して荷物用エレベータに乗り、地下の駐車場に戻る。荷物を台車に載せて、自宅のある階に運び上げ、自宅で荷物を降ろすと、台車を20階に返しに行く。それだけのことなのだが、この一台しかない荷物用エレベータはゴミの運搬や、荷物の宅配にも使われているで、上がったり下がったりしていて待たされることがある。本日は幸運にもまったくタイムラグがなく使用できた。浜松では野菜や果物を買い込むのでいつもかなりの荷物になる。本日も台車を2台借りた。大きいのと小さいのがあるので、大小を借りて小さい方は畳んで大きい方に乗せて運んでいく。この小さいサイズがあるということを当初は知らなかったので、大きいのを2つ借りていた時期があった。これを一人で押していくのはかなり難しい。荷物を積んだあとは妻も台車を押せるので、いつも台車2台に載るほどのものを買い込んでしまう。

05/10/火
近所に医者に行く。いつもの薬をもらう。血液検査も。先月から薬の種類を変えたのでその成果を見るためらしい。この一ヶ月、寝酒を半量にしている。カロリーも控えているたもりだったが、体重はさほど変わっていない。まあ、現状維持でいいと思っている。明日と明後日は外出の用件があるので本日は体調を調える。『天海』は7章を読む。小牧長久手の戦さに始まって、天海が江戸崎に向かい初めて江戸という地を通る。そこから新たな物語が始まっていく。いい感じで進行している。

05/11/水
武蔵野大学の三鷹サテライトで講座の収録。今回は漱石論を4コマ。本日は前半の2コマ。90分を連続2コマ語るのは重労働だ。学生相手だと冗談を言ったり学生にしゃべらせたりできるのだが、社会人相手の講座なのでひたすら語り続けることになる。3時間、立ったままでしゃべっているので足も疲れた。とにかく終わってほっとする。ただし来週も2コマの収録がある。

05/12/木
文藝家協会総会。2年間実施できなかった懇親会を実施。ただし招待者はなしで会員だけの会となったが落ち着いた会になってよかった。昨日、今日と、リアルな仕事があったが週末は何もない。まだ『天海』の再校が残っている。午前中に8章が終わった。まだ3分の2だ。この週末で完了させたい。

05/13/金
一昨日、昨日と電車に乗って出かける仕事があった。本日は休みで週末から来週の火曜まで何もないので『天海』に集中できる。本日は2章を読んだ。10章まで。あと2章なので明日には完了ということになる。ここまで読んできたが大きな直しはなかった。小さい修正はいくつか見つかったので、最後に通しで読むことには大きな意義があった。これで中断していた『善鸞』に取り組める。

05/14/土
『天海』再校のチェック完了。編集者がチェックしたゲラにあらかじめ熟読した白ゲラを付き合わせて、それで作業は終わりと考えていたが、最後にもう一度しっかりと読み返した。この最後のチェックで気づいたこともあったので、この読み返しは有意義だった。こういうことがあると、さらにもう一度読み返したら、新たに気づくこともあるのではと思われるのだが、キリがない。ここは潔く、手を離して、次の作業にとりかかることにする。『善鸞』をまた最初から読んでみよう。如信の母親となる女性を魅力的に書きたい。

05/15/日
『天海』の再校ゲラを発送する。これで完全に手が離れた。あとは『善鸞』に取り組むだけだ。ようやく大きな仕事が終わったので、またFootballのことでも考えてみたい。シーズンが始まるのは9月からだが、スケジュールが発表された。誰がスケジュールを決めるのか。そこにどのような思惑が絡むのかは定かではないが、とにかくAカンファとNカンファに4つずつ地区があり、1地区に4チームあって地区優勝を争うというのが当面の目標だ。しかし地区優勝というのは、SUPERBOWLに到達する関門の一つにすぎない。地区優勝の4チームがSUPERBOWL出場を目指すプレーオフと呼ばれるトーナメントの出場資格をもち、初戦をホームで戦えることは確実に決まっている。だがカンファごとに3チームがワイルドカードと呼ばれ、地区優勝チームと対戦することができる。従って地区優勝は一つの目標ではあるが、最低でもワイルドカードにぎりぎりで残ればSUPERBOWLを目指すことができる。まずは先月末のドラフト会議の結果から考えていく。Footballというゲームは何といっても司令塔のQBが進めていく戦略ゲームだ。将棋でいえば棋士がQBだ。Footballは一種の人間将棋だから、コマの能力がそれぞれに違っていて、複雑なゲームになっていくのだが、コマに指示を出して動かしていくのはQBだ。もちろんQBはヘルメットの中に無線のスピーカーをつけていて、ヘッドコーチの指示が聞こえるようにはなっているのだが、スタジアムの騒音の中で短い指示を受けるだけだから、すべてはQBの頭脳と身体能力にかかっている。そのQBが正確なパスを投げられるように、オフェンスラインがQBを守り、敵のチームはディフェンスラインがQBに対して攻撃を仕掛ける。QBはランニングバックに手渡すか、3人のワドレシーバーと1人のタイトエンド、それで安全弁としてのランニングバックの誰かにパスを投げる。敵のラインバックとセイフティーがパスを防御する。要するにオフェンスは味方のQBのコマとなり、敵側のディフェンスは相手のQBを攻撃したり、ランやパスに対応する。従って、各チームに1人ずつ先発QBが配属されていて、それで八割方チームのアビリティーが決まる。昨年のドラフトでは、1巡の15番目までに5人の新人QBがピックされた。今年はQB不作の年と言われていたが、スティーラーズのロスリスバーガーの引退があり、ブレイディーやロジャースも高齢であることを考えれば、ある程度のピックがあるかと予想されていた。しかし実際には、1巡20番目にスティーラーズがピケットをピックしただけで、1巡のQBはただ1人、2巡の指名はゼロ、という結果になった。まずはスティーラーズ。ロスリスバーガーが引退した上に、ピケットは地元ピッツバーグ大の英雄だ。しかし指名順が20番目だから、ピケットが残っているとは夢にも思わなかったのではないか。19番目までには、ワトソンを放出したテキサンズ、ジョーンズが伸びていないジャイアンツ、ダーノルドが不振のパンサーズ、ラマー・ジャクソンを放出したシーホークスと、QBをピックしそうなチームが4つもあった。だがテキサンズはコーナーバック、ジャイアンツはエッジ、パンサーズとシーホークスはタックルを選んだ。スティーラーズとしては万々歳だ。スティーラーズはビルズの控えQBトラビスキーをトレードで獲得していて、新人ピケットが登場するのはシーズン半ばくらいだろうが、プレーオフには間に合うだろう。よたよたしていたロスリスバーガーでもぎりぎりでプレーオフに出場できたチームだから、今シーズンはもっと上に行ける。2巡以降もワイドレシーバー、ディフェンスタックル、フルバック、ラインバックなど必要な人材を確保し、最後の7巡では予備のQBまでピックした。他のQBは3巡以降の指名となった。ピケットと同等の能力ががあると期待されていたウィリスはタイタンズが86番目で指名。タネヒルでシード1位になったとはいえ、ベンガルズに負けた試合では3つのインターセプトがあり、しかも3つめのインターセプトは致命的だった。ウィルスをじっくり育てて来シーズンには先発に起用するのではいないか。コラルという新人は即戦力という評価だったが、パンサーズが94番目に指名。プレシーズンでダーノルドと競わせて、シーズン開始から先発起用もあるのではないか。高校時代から注目されていたハウエルは意外にも144番目という下位でコマンダーズ(旧レッドスキンズ)が指名。コルツからウェンツを獲得したが使い物にならないかもしれないので、この新人の出番はあるはず。リダーというQBもなかなかの実力で74番目にファルコンズが指名。ファルコンズは長くエースだったライアンを放出してレイダーズの控えだったマリオタを獲得している。マリオタはタイタンズ時代には先発経験があり、復活のチャンスを掴んだのだが、成績が挙がらないようであれはこの新人の出番となる。その他ではペイトリオッツが137番目にザッピー、49ナーズが262番目にパーディーを選んだが、これは控えの控えくらに押さえただけだろう。とはいえブレイディーはドラフト6巡くらいに押さえとして入団した選手だ。そういう奇蹟が起こらないとも限らない。ペイトリオッツに入ったザッピーの名は憶えておきたい。

05/16/月
さて、ドラフトが終わり、チーム間のトレードやFAでの移籍も一段落したようだ。この時点での戦力分析みたいなことをやってみたい。本日はAカンファ東地区から。まずはビルズ。QBアレンがいよいよ本領を発揮するようになった。鉄砲肩ともいうべきロングスローに精度が加わってきた。背が高く体力があって、ディフェンスを跳ね飛ばしながら走るランニングにもみがきがかかっている。プレーオフのカンファ準決勝で終了13秒前にチーフスを大逆転という奇蹟のドラマを演出したのだが、その13秒で同点に追いつかれ、延長戦で負けてしまうという、奇蹟の大逆転で負けてしまった。その時のメンバーがそっくり残っている上に、スーパー制覇のラムズからパスラッシャーのボン・ミラーが移籍してきた。鬼に金棒。盤石の体制になっている。ドラフトは23番でコーナーバック、続いてランニングバック、ラインバック、ワイドレシーバー、さらに5巡でパンターを指名。満遍なく補強をした。今シーズンは地区優勝は間違いない。ライバルはペイトリオッツ。昨シーズンは1巡5人の新人QBの中で、ただ1人、最初から先発したマック・ジョーンズが、チームをプレーオフに導いた。今シーズンはさらなるレベルアップが期待される。ドラフトでは10人もの大量ピック。ただコーナーバック2人、オフェンスガードも2人と、何となく偏りがあって、これでいいのかという疑問が残る。大幅な戦力アップは期待できない。ドルフィンズはすごい。チーフスから最高クラスのワイドレシーバーのタイリーク・ヒルを獲得。他にも大量の移籍で戦力を大幅にアップした。このトレードでドラフトの権利を譲り渡したので新人には期待できない。あとは3年目QBのタゴバイロアがどこまで活躍できるか。ロングパスの精度に問題があるとされている。控えQBにレイダーズからブリッジウォーターを獲得した。ベテランだがロングパスを投げないQBだ。これではヒルが宝の持ち腐れになるのではないか。ジェッツがすごい。ドラフトでコーナーバック、ワイドレシーバー、エッジのいずれもトップクラスの新人をピック。ドラフト戦略が抜群だった。あとは2年目QBのザック・ウィルソンがどこまで成長しているか。全体の戦力アップがQBに自信をもたせるということがある。順位の予想は、ビルズのトップは揺るがない。タゴバイロアに疑問が残るので2位はジェッツに期待したい。3位はペイトリオッツ。勝ち越しは間違いないが、この東地区はレベルが高いのでプレーオフ進出は黄信号。ドルフィンズも勝ち越しながら最下位という結果になるのでは。

05/17/火
『善鸞』。まだオープニングの場面。ここで如信が生まれているという設定で親鸞と善鸞の会話が必要ではないか。話の順序が変わることになるが、親鸞が帰洛した年に如信が生まれているということにしないと話が合わなくなる。自分で書いた『親鸞』とは違う展開になるのだが、まあ続篇を書くわけではないのでこれでいいだろう。明日は三鷹サテライトの2回目の収録だが、とくに準備をすることはない。ぶっつけ本番で語ることにする。

05/18/水
三鷹サテライト。90分2回分。3時間しゃべり続けることになる。さすがに疲れたが達成感はある。早稲田で教えていた時も、1文と2文の授業を連続してやっていたので、2コマしゃべり続けていた。若かった。武蔵野大学では70歳まで講義を受け持っていた。4コマ連続することもあった。まあ、慣れていたのだろう。この三鷹サテライトの仕事も負担になってきた。

05/19/木
SARTRAS理事会。発言することはなかった。『善鸞』少し進んだ。

05/20/金
本日は公用がないので週末の気分。郵便の不在票が入っていたので郵便局へ。神田本局は集合住宅の目の前にある。『善鸞』。出だしの部分をかなり書き替えている。仏教の原理についての議論がいきなり始まる展開だったのを、わが子が生まれて困惑している話に変更。この方が読者には親しみが持てるだろう。この作品のテーマは「父と子」だから、いきなりテーマが示されることになる。使っているパソコンが不調なのだが、何とかまだ動いている。もう少しがんばってみる。

05/21/土
妻と散歩。夏にスペインの長男が孫2人をつれて帰ってくるので、滞在するホテルをNETで探して、所在地を徒歩で確認。昔は大邸宅に住んでいたので客が大勢来ても問題なかったが、いまは夫婦2人だけの住まいなので、来客があると滞在場所が探さないといけない。3年前の年末に家族6人で来た時には、湯島天神の近くの貸部屋を確保したのだが、コロナで外国からの客が来なくなったのでそこは閉鎖されたようだ。今回は3人だけなので、ホテルの1部屋でもいいが、ビジネスホテルではなく長期滞在型の場所が必要。徒歩圏内でないといけない。まあ、いくつか候補が見つかった。『善鸞』は導入部が完了した。10ページ30枚。1章とするには短い。これを序章として、次からはもう少し長い章としてもいいが、100枚くらいで5章500枚、というくらいが適当ではないか。まだ何をどう書くか見えていない。親鸞と善鸞が再会した場面だけを書いた。時間の流れが濃密すぎる。1行アキをどんどん挿入して、テンポよく語っていきたい。いま主人公は30歳くらい。親鸞が60歳くらい。親鸞は90歳で亡くなる。善鸞もかなり高齢まで生きていて、親鸞の曾孫(娘の覚信尼の孫)と会っているので、かなりの高齢まで生きた。長い物語になる。どんどん時間を飛ばさないと大長篇になってしまう。

05/22/日
日曜。何ごともなし。オープニングの章が完了した。次は覚信尼の登場となるが、まだイメージがわかない。まあ、じっくり考えたい。

05/23/月
『善鸞』。十三歳の覚信尼が登場した。魅力的な人物として描きたい。一昨日、神保町の古賀書店でジャズの楽譜集を買った。誰かのエッセーを読んでいて、「クライ・ミー・ア・リバー」という曲名に行き当たった。曲名は知っているが、どんな歌だったがすぐには思い出せない。ただジャズ名曲集の中には入っていたはずだと思って楽譜を捜したのだが全5巻のうち2巻だけがなかった。それでたまたま開いていた古賀書店で探したのだが、ぼくが持っていた楽譜集はなかった。もう発売していないのか。40年前、三宿に引っ越してすぐに渋谷まで歩いて道玄坂の上のヤマハで買ったものだ。仕方がないので別の曲集を捜した。とにかく「クライ・ミー・ア・リバー」が載っている曲集があったので購入した。楽譜を見ると記憶がある。難しいキーだったので2度上で歌ったらすぐに歌えた。ぼくの趣味の一番は小説を書くことで、次はFootballについて考えること。その次が歌を歌うことだ。で、この曲は歌えるようになったのだが、意味がまったくわからない。この曲の意味について考えたことがなかった。「煙が目にしみる」とか「オンリー・ユー」とか「レット・イット・ビー」とか「オン・マイ・オウン」なんかは見ただけで意味がわかる。「クライ・ミー・ア・リバー」は意味不明だ。「滝のように涙を流す」という日本語の表現があるが、まあ、そんなものだろう。とても悲しいのだ。でもこれは相手に対して言っている歌詞のようだ。昔はあたしが涙を流した。今度はあんたが泣く番よ……、というような歌だろうと思う。人生に時間が流れている。だから、抑え気味に歌うべきだが、キーが高いので絶叫しがちになる。3度ほど下げて歌えばいいのか。本日はオーファン委員会だが、とくに問題がないようなので、3ヵ月に1度に変更することにして皆さんの同意を得た。この会は写真家協会の瀬尾太一さんが作ったのだが、ぼくが委員長ということになっている。昨年の夏、瀬尾さんが亡くなられた。事務局は写真家協会にお願いしているけれども、会の進行をしないといけなくなった。まあ、3ヶ月に1度でいいだろう。

05/24/火
妻とディズニーシーへ行く。ここは3回目くらいか。最初に行った時、中央の火山からジェットコースターみたいなものが飛び出してきたので、あれに乗るのだけは止めようと妻と話し合った。にわか雨に降られて雨宿りのために火山の下の方にいくと、行列ができていた。雨の心配のない場所なので時間つぶしのためにその列に並んでみた。センター・オブ・ジ・アース。要するに地底探検ということで列も階段を下りていく感じで地底に潜っていく。最後にエレベーターに乗せられてさらに深い地の底に下りるという設定なのだがこのエレベーターが罠で、実は地下に行くと見せて火山の最上部につれて行かれたのだった。われわれが乗り込むことになったのは実はさっきみた火山から飛び出してくるジェットコースターだったのだ。その失敗があるので用心していたのだが、実は今年の春先にもディズニーランドに行った。コロナのピークだったので人数制限されていて、人気のアトラクションも待たずに入れる。というか、閑散としていて、アトラクションの入口ではお姉さんが手を振って呼び込みをやっている。その呼び込みに誘われて、ただの電車だと思って入っていったら、それは昔は長蛇の列ができていたサンダーマウンテンというジェットコースターだった。妻はこのことに懲りていて、本日は何をするにしても、入口の係員に、これはどれくらい回転するかと質問していた。メリーゴーラウンドも怖がっていたのだが、まあ、無事だった。シンドバットの冒険みたいな子どもの乗り物だけを選んで、3時くらいには園の外に出た。それでも、1万6000歩も歩いていた。いい散歩になった。

05/25/水
妻の運転で深川ギャザリア。妻が買い物をしている間、ガシャポンのコーナーで何が出てくるのかを丹念に見ていた。海老フライに手足がついていて海老反りをしているものとか、青くて透明な人間とか、それが何なのか、どこがおもしろいのか、意味不明のものが多かった。一種のギャグなのか、それにしてもナンセンスだ。こんなものをおもしろがる若者が増えているのだろうか。どうも日本人は激しく劣化しているようだ。床屋に行く。涼しくなった。

05/26/木
久し振りにFootballの話。Aカンファ北地区の順位予想。SUPERBOWLに出たベンガルズの陣容は揺るがない。QBバロー、ワイドレシーバーチェイス、ランニッグバックのミクソン。ドラフトでもセーフティー、コーナーバック、ディフェンスタックルと、守備の強化を図った。ただプレーオフではバローがサックされることが多かった。それでも勝ち上がったので問題はないのだが、QBを守るオフェンスラインが少し弱い。それでもバローは走りながらロングパスを投げることができる。地区優勝は間違いないだろう。ロスリスバーガーが引退したスティーラーズは地元ピッツバーグ大のピケットを1巡20番目に指定。よたよたのロスリスバーガーでもぎりぎりでプレーオフに出場したために、20番というまんなかよりあとのドラフト順位になったのだが、ナンバーワンQBが残っていた。1巡のQB指名はこのピケットのみ。2巡ではQB指名なしだった。よほどの不作の年だが、各チームにそれなりにQBが揃っていて、どうしてもQBが必要だったのはスティーラーズだけということなのだろう。数年前のドラフト1巡だったトルビスキーをビルズから獲得しているのでシーズン始めの先発になるだろうが、成績が上がらないようなら新人の出番となる。ただ昨シーズンの1巡5人の新人QBの中で、活躍したのはペイトリオッツのマック・ジョーンズだけだった。ただピケットは同じタイプの堅実なプレーヤーなので、早い段階で出場して経験を積めば活躍しそうだ。ただこの地区はレベルが高い。大丈夫か。昨シーズンはQBラマ―・ジャクソンの怪我で失速したレイブンズは、ラマ―・ジャクソン次第ということになる。調子の波が大きすぎるQBなので失速の可能性もある。スティーラーズ2位、レイブンズ3位と予想しておく。ビリはブラウンズ。すったもんだの末にテキサンズのワトソンを引き抜いた。来年のドラフト上位の指名権を失った上に、レシーバーが2人いなくなった。ランニングバックの2枚看板は健在で、ワトソンも走りそうだが、レシーバーはカウボーイズから移籍したアマリ・クーパーだけ。ビッグネームだが気難しいところがあって、ワトソンとの相性はどうか。このチームはディフェンスは強い。ワトソンがチームになじめるのかがポイントだが、負け越しでビリだろう。スティーラーズやレイブンズがプレーオフに出られるかというと、Aカンファは西地区のレベルが高い。マホームズ、ハーバートに加えて、ラッセル・ウィルソンが参入した。東地区もレベルが高い。この北地区は、地区優勝しないと先に進めないだろう。

05/27/金
新宿のマッサージ。『善鸞』は調子が出てきた。京にいる間は一気に書けそうな気がしてきた。東国に赴いてからは何も考えていないのだが。

05/28/土
昨日マッサージからの帰りに、ぼくが住んでいる集合住宅の前にある広場を通ったところ、地面にシートが敷かれ、そこに3人制のバスケットのコートが描いてあった。折りたたみ式のゴールも用意されていた。本日は朝からゲームをやっているようだ。ぼくの住居の窓からは見えないのだが、歓声が聞こえてくる。実況中継みたいなアナウンスがマイクで拡声されていて、うるさくて仕方がない。ぼくはバスケットには興味がないが、中学時代に体育の授業でやったことがあり、勤めていた広告会社にはチームがあって、何度か試合に出た。数回出場して得点は4点で、忘年会の時にブービー賞を貰った。どこがおもしろいのかよくわからないが、去年のオリンピックでは女子が銀メダルだったので中継は少しだけ見た。Footballのような複雑な戦略があるわけではない。選手の技倆でほぼ決まるのだろう。3人制もオリンピックの種目だったので見た記憶はあるが、おもしろいとは思わなかった。

05/29/日
今日も3人バスケを少し見てから散歩。いつもの散歩コースとは反対の方向に出たので神田駅の方に歩いていく。神田駅の手前でガードをくぐってガード沿いに歩くと、ガードの西側の神田駅前の風景とはがらっと変わった店が並んでいた。サラリーマン相手の店は日曜だと休んでいるのだが、このあたりは地元の人を相手にしているようで、日曜でも店が開いていて昼間から酒を飲んでいる人々がいる。いいところだ。線路沿いに歩いていたら須田町のあたりに戻ってしまった。短い散歩コースだったが、このあたりを歩くのもおもしろいと思った。

05/30/月
著作権情報センターの理事会。著団協から頼まれていた問題提起が一件あったのだ発言。役目を果たした。夕方、妻の甥がつきあっている彼女を連れて来訪。甥は東大の大学院を出た博士でチリの天文台に勤務している。彼女とはチリで出会ったそうで、山猫とその餌となる野ねずみの一種の研究をしているとのこと。研究者というのは浮き世離れしたところがあっておもしろい。

05/31/火
本日は夕方に日本点字図書館の理事会。ここはかたくなにリアルな会議を続けている。理事長も館長も視覚障害者なのでZOOMでは相手の気配が伝わらないのだろう。さて、今月も無事に終わった。『天海』の最終ゲラのチェックを終えて、いまは印刷製本に向かって進んでいることと思う。一つの仕事が終わって、すでに次の『善鸞』に向かっている。年内には完成させたい。今月は三鷹サテライトで「夏目漱石」についての講座4コマぶんを収録した。明日は「森鴎外」の講座を収録するのだがこちらは他の先生と共同なので1コマだけ。1コマは楽だ。コロナのワクチンの4回目のクーポンが届いた。来月末の予約を入れた。ただ前回の病院とスケジュールが合わず、またファイザーに戻るのと、少し遠い病院になった。いつもの散歩コースなので問題はない。来月もひたすら『善鸞』ということになる。我孫子での講演や日大での講座が予定されているが、あとはZOOMの会議があるばかりだ。梅雨の季節だが毎日きっちりと散歩に出かけたい。



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