尼将軍06

2021年1月

12月に戻る 2月に進む 月末
01/01/金
新年を迎える。今年は老夫婦2人だけの正月のはずだったのだが、昨日の大晦日になって次男が孫2人をつれて現れた。昨年の正月は東京で長男のスペイン組と過ごしたので、次男のところの孫と新年を迎えるのは2年ぶり。上の子の身長が伸びた。中学生になって宿題もいっぱいあるので正月でも勉強。昨年はスペイン組が来たこともあったが、彼が受験勉強の追い込みに入っていたので浜松に移動しなかった。岐阜県あたりには雪が降っているらしいが浜松はやや風が強いものの穏やかな新年。こちらもパソコンに向かって仕事をしている。昨年11月に負傷した右肩は生活にはまったく支障がないほどに回復した。それでもわずかな痛みは残っているし、腕を真上に挙げるのは苦しい。まあ、これも徐々に回復していくだろう。老人の体でも、こんなふうに回復していくのだから、人間の体はよくできている。

01/02/土
孫たちは宿題をやったあと、この別荘地にあるパターゴルフに出かけた。明日には名古屋に帰るはずだ。こちらは国語の宿題にアドバイスを与えていたが、下の孫が宿題の書き初めをしようとすると墨汁がほぼ空っぽだと気づいた。次男が買いに行くというので道案内に道場する。鷲津のホームセンターまで行く。何だかバタバタしながらも正月2日目が終わった。

01/03/日
午前中は孫の宿題に付き合う。午後、孫たちは帰っていった。寂しい気もするが、ほっとした気分が強い。妻が疲れていてキレかけているのがわかっていたので、とにかく無事に正月が終わってよかったと思う。孫のいる喧騒の中でも仕事は進み、3章の終わりに来ている。実朝の死には届かなかった。これからヒロインの3度目の上洛がある。ここが4章の冒頭で、そこから実朝暗殺の話が始まる。ここはたっぷりと描きたい。そこから一気にエンディングモードになって、あっさり作品が集結する。そんな感じでそろそろゴールが見えてきた。

01/04/月
三が日が終わったと思ったら、もう月曜日がやってきた。Footballの日だ。朝5時に起きてDAZNで状況を眺める。ついにシーズンの最終週を迎えた。Aカンファはプレーオフ出場の7チームの内3チームがすでに決まっているのだが、残りの4枠に対し、10勝5敗のチームが5つ並んでいる。直接対決がないので5チームとも最終戦に勝つケースが考えられる。これまでの対戦成績などですでに序列が出来ている。トップがタイタンズ、ビリがコルツ。この両チームとレイブンズの相手は負けが込んでいる弱小チーム。ブラウンズとドルフィンズの相手は地区優勝を決めているチーム。強い相手だがプレーオフ出場がすでに決まっているので勝利へのモチベーションがない。ブラウンズの相手のスティーラーズは控えQBを先発させた。それでも接戦だったがブラウンズの勝利。ドルフィンズの相手のビルズは戦力を温存せず本気で闘った。ドルフィンズだけが負けて脱落。10勝6敗でもプレーオフに出られない。一方、Nカンファの東地区ではワシントンが7勝9敗の負け越しで優勝。負け越しでもプレーオフに進出できる。不公平だがルールだから仕方がない。テレビ中継が2試合もあったので見ているだけで疲れ果ててしまった。午後はなじみのレストランで昼食。それから庭のミカンの木に網をかける作業。去年は鳥に食べられてしまったのでホームセンターで網を買ってきた。木が育ちすぎていて、網をかぶせるのがたいへんだった。脚立に乗って悪戦苦闘して、何とかかぶせることができたが、これでほんとに鳥の襲来を防ぐことができるのか。まあ、とにかくやってみた。いまのところ、大量の果実がぶらさがっている。半分でも無事であってほしいと願っている。

01/05/火
昨日ホームセンターにミカンの木にかぶせる網を買いにいった時に、ついでに土を2袋買ってきた。築40年の建物で、斜面に建っているので、豪雨の度に少しずつ土が流されていく。土が剥がれて配水管が露呈しているところがあったので、以前に土をかぶせておいたのだが、また少し流されているので補強をすることにした。買った土をざっとかぶせて、上からトントンと叩く。それだけの作業だ。今日は蒲団を干したかったのだが生憎の曇天。孫たちの蒲団は昨日干したのでよかった。われわれの蒲団は来月来た時に干せばいいだろう。7日に東京に帰る予定だったが、強風が吹くとの天気予報に、明日に変更した。寒さに耐えてきた老いた体力も限界に近づいている。天気がよいと暑すぎてカーテンを閉める御茶ノ水の高層住宅が懐かしい。ここでは寒すぎて散歩にも行けなかった。

01/06/水
浜松の仕事場から出発する直前に、妻がテレビのリモコンがないと言い出した。神隠しみたいだが、とりあえず電源を抜いて出発。途中のサービスエリアでふと思いついてパソコンが入ったバッグを開けてみたらちゃんとリモコンが入っていた。パソコンをバッグに入れる時、コードだけをテーブルの上に置いた時に、リモコンの上に置いてしまったようだ。まあ、無事でよかった。9時半に仕事場を出発して2時に到着。荷物の整理に1時間くらいかかる。東京もけっこう寒いが、隙間風のない高層住宅は老人にとってはありがたい。

01/07/木
本年東京での初散歩。テレビで「牛天神」というところを紹介していたのを浜松にいる時に見た。文京区だというので地図で調べると散歩コースの近くだとわかったので少し遠回りだが行ってみることにした。小石川後楽園の近くだが、手前の遊園地のところで春日からの道に出て坂を登っていくと、中央大学の病院の先に左に折れる細い道がある。するとどうやら天神の裏手に出たようで、駐車場をつっきって本殿に参拝し、お札の販売所の横に出ると、そこが参道の入口だった。鳥居の先に長い下りの階段がある。ということは正式の参道で来ると上りの階段ということだ。神社というものはたいてい丘の上にあり、坂道や石段を登っていくところにありがたみがある。裏から入ったのでは御利益がないかもしれない。講談社青い鳥文庫の『星の王子さま』36刷届く。ありがたいこと。

01/08/金
本日の散歩は水道橋まで。神保町の100円ショップに回った。買ったもの、愛用のボールペン、黒と赤。自分の仕事の道具というば、パソコンとプリンター、ノート、それから黒と赤のボールペン。ここまでが必需品だが、ノートとボールペンは100円ショップで賄える。ついでに眼鏡型のルーペも予備として1つ購入。テレビで宣伝している1万円のルーペも1つもっているが、100円のものと性能は変わらない。ただ100円なので耐久性に問題があるかもしれないので予備を買った。『尼将軍』は4章に入ってもう10ページ以上進んだ。ゴールが見えてきたがまだ実朝は死んでいない。頼家と実朝の死がこの作品の山場だ。この山場のあとは、エピローグ的な筆致で承久の乱の経緯を書けばいいと思っている。詳細を書く必要はない。ただ承久の乱の引き金を引いたのは後鳥羽院なので、そのあたりの経緯は書いておく必要がある。ぼくは『親鸞』の中にも後鳥羽院を登場させている。親鸞を越後に流罪としたのは後鳥羽院だし、慈円の和歌をめぐるエピソードでも後鳥羽院と関わっている。魅力的な人物ではあるが、ヒロインは一度も後鳥羽院とは会っていないので直接に登場させるわけにはいかない。後日譚を描くようなシンプルな筆致で簡略に書けばいいだろう。

01/09/土
何となく胸騒ぎがする。明日からFootballのプレーオフが始まるからだろう。トーナメントの初戦。四地区の優勝チームと、ワイルドカードと呼ばれる2位以下の内で成績のよい3チームが対戦する。地区優勝の最高勝率のチームだけが第1シードとして初戦が不戦勝となる。ぼくは去年SUPERBOWLに優勝したチーフスを応援している。チーフスは第1シードとなったので、明日、明後日のトーナメント初戦には出場しないのだが、Footballは勝ち負けではなく、その場その場の局面がおもしろいし、特定のチームを応援するというよりも、その局面でのベストのプレーを見ることができれば大いなる喜びがある。地区優勝チームと、2位以下のチームの対戦となるので、順当に行けばシードされた地区優勝チームが勝つだろうが、Footballは局面によって、試合状況のモメンタムによって、さらにプレーオフ用に入念に準備された作戦によって、下位チームがアップセットすることが少なくない。相撲の横綱でもめったに全勝できないのと同じで、実際にAカンファ第1シードのチーフスは14勝2敗、Nカンファ第1シードのパッカーズは13勝3敗だ。第1シード同士のSUPERBOWLになることはめったにないといっていいだろう。今回はNカンファで異変が起こった。東地区優勝のワシントン(レッドスキンズという愛称が差別的なので今シーズンは愛称なしで闘っている)が7勝9敗でプレーオフに出場した。それでも第4シードなのでホームゲームとなりワシントン(暴動が起こらないか心配)で対戦するのだが、相手のバッカニアーズは11勝5敗なので、バッカニアーズの方が強い。ここだけはビジターが有利と見ていいだろう。あとはホームのチームが勝ちそうだ。今年は無観客かわずかな観客なので、声援の声が選手に届かず、ホームが有利とはいえないのだけれども、ワシントン以外はホームチームの方が強そうでアップセットは起こらないだろうとは思うのだが、それでも何かが起こるという気がする。アップセットを起こしそうなのは引退を覚悟しているベテランQBリバースのコルツ、調子を落としているスティーラーズと対戦するブラウンズ、去年はホームでタイタンズに負けた雪辱を今年はビジターで狙っているレイブンズと3チームもあので、ワシントンに勝ちそうなバッカニアーズを入れると4つのアップセットが起こる可能性がある。ホームチームが圧勝しそうなのはラムズと対戦するシーホークスと、ベアーズと対戦するセインツだけだ。ラムズはQBのゴフが怪我をしている。ベアーズは最終戦に負けたのにカーディナルスが負けたので出場できることになった弱小チーム。8勝8敗の成績なのでワシントンとあまりかわらない。Aカンファではドルフィンズが10勝6敗なのに出場できなかった。今年はAカンファの方が全体的に強かった。従ってSUPERBOWLもAカンファのチーフスが有利なはずだが、レイブンズ、コルツ、ビルズといったところがチーフスを倒す可能性もある。Nカンファではセインツを応援しているのだが、ペイトリオッツから移籍したブレイディーが調子を上げているバッカニアーズ、それとロジャースが絶好調の第1シードのパッカーズにも可能性がある。そんなことを考え始めるとドキドキして仕事どころではない。

01/10/日
レギュラーシーズンのFootballは月曜日(現地では日曜)に試合があるのだがフレーオフになると日曜にも試合がある。1月に入ると大学の試合がなくなるので現地土曜日も試合ができるからだ。で、本日からプレーオフが始まった。地区優勝のシードチームにワイルドカードと呼ばれる2位以下のチームが挑むトーナメント初戦。しかし負け越しで地区優勝したワシントンは始めから負けが予想されていた。相手はスーパースターのブレイディーが移籍したバッカニアーズ。予想通りバッカニアーズの圧勝。QBゴフの怪我が心配されたラムズはディフェンスの圧倒的な活躍でシードのシーホークスに圧勝。コルツもシードのビルズに勝つチャンスはあったが惜敗。シードチームが勝つことの難しさが痛感された。それにしても朝の4時から3試合見るのは疲れる。明日も試合がある。『尼将軍』はヒロインが息子の実朝に殺意を抱く場面。もう少しで殺意に到達する。

01/11/月
本日も朝4時に起きてFootballを3試合連続で見る。Footballの試合は正味は1時間だが、試合が止まっている時間がいろいろあるので実際には3時間半くらいかかる。これを3時間見るのは疲れる。それでもいつもの月曜日は同時進行している数試合が同時並行で中継しているので実にめまぐるしいことになるのだが、プレーオフは同時に進行しないように時間差が設定されているので試合に集中できる。地区優勝の4チームは勝率によって@〜Cのシード順が設定され2位以下の3チームがD〜Fのシードとなる。@シードのチームは初戦が不戦勝となり、A対F、B対E、C対Dの対戦となる。地区ごとに強いチームが集まっている地区と、負け越しでも優勝できる地区があるので、C対Dの対戦はたいていDのチームの方が実力が上だ。今回もAカンファ、NカンファともにDのチームがあった。それだけでなく、B対Eの対戦もEのチームが勝った。そこで両カンファとも、カンファの準決勝は@対E、A対Dの対戦となった。ぼくはAカンファ@のチーフスを応援しているのだが、Dのレイブンズが強敵だと睨んでいる。できればDとは当たりたくないのだが、初戦不戦勝の@のチームは準決勝の相手が最もランクの低いチームとなる。AとBが勝ってしまうと@対D、A対Bという準決勝になるところだったが、本日の最後の試合でEのブラウンズがBのスティーラーズに番狂わせの勝利をあげたので、ブラウンズとの対戦となった。よかった。Nカンファではセインツを応援しているのだが、BのセインツはDのバッカニアーズと対戦することになった。ブリーズ対ブレイディーという、42歳対43歳というベテランQBの対決となった。自分の仕事はようやく実朝暗殺の直前のところまで来た。いい感じだ。

01/12/火
雪が降るという予報だったがまったく降らず。寒そうで外出せず。朝10時からSARTRAS分配委員会。分配については必要な発言をしなければならない。けっこう声を出して発言したのでやや疲れた。その後はひたすらパソコンを叩いていた。実朝暗殺の直前に来た。ここは『吾妻鏡』の記述をしっかり読み込んでイメージする。行列の順番が書いてある。京から公卿が何人か招待されているのだが、よく見ると縁戚関係と非参議三位など、無理に集めたような人々だ。それでもこういうところは名前が具体的に書き込まれていると信憑性が出てくる。手元にある現代語訳は全16巻だが、その8巻は「承久の乱」とタイトルがついている。全体のちょうど半分のところで承久の乱が起こるのだなと改めて思う。天皇を流罪にするという日本の歴史の中でも類例を見ないすごいことが起こる。いま草稿は175ページまで来ている。4章の半分。200ページできっちり終わらせたい。日曜、月曜と、3試合ずつFootballを見た高揚が余韻のように続いている。第Eシードが第Bシードをアップセットした2試合が印象に残っている。とくに負けるはずのないスティーラーズがブラウンズに負けた試合は第1クォーターで28対0という大差がついた。ゲームの最初のプレイでセンターのスナップが暴投になってエンドゾーンまで転がってしまった。これをQBとRBが押さえようとしたのだがボールが手につかずブラウンズに押さえられてしまった。始まって数秒で7点をとられ、あせったロスリスバーガーが次の攻撃でインターセプト。これをランドリーへのパスで決められ、そのあとランニングバックのハントが2つのタッチダウンを決めた。「浮き足立つ」という言葉があるが、第1クォーターのスティーラーズはまさにそれだった。第2クォーターから第4クォーターまでの得点合計は20対37でスティーラーズが圧倒している。ロスリスバーガーは500ヤード以上のパスを投げた。それでも勝てなかったのは、「浮き足立って」しまったからだ。Footballのおもしろさを堪能した。

01/13/水
本日はマッサージ。今年初めて電車に乗った。小川町からの都営新宿線。けっこう混んでいた。人が多いという感じがした。新宿3丁目でおりて少し散歩。飲食店の半分くらいが月末まで完全休業の表示を出している。夜8時までの営業ではやっていけないのだろう。肩を負傷してから2ヵ月になる。この前マッサージに行った時は負傷直後で肩が上がらなかった。そういう状態だからあまり無理なマッサージはできなかったのだろう。今日は日常生活には支障がない状態に戻っているので、しっかりと治療がほどこされた。痛い、痛い。だが大人だから悲鳴はあげない。耐えに耐えた。あまりに痛いので悪化しているのではと思ったほどだが、終わってみると肩が軽くなっていた。さすがのスポーツマッサージ。効果がある。毎日通えばもっとすっきり治るのだろうが、予約が埋まっていて次は2月のあたま。それまでにはもっと楽になっているだろう、と期待したい。

01/14/木
午後、軽く散歩してから、SARTRASのネット会議。理事会ということで、これはとくにこちらから発言することはないので、ただ話を聞いていた。ネット会議ではiPadに会議のようすを表示させて、事前に配布された資料はパソコンの画面に表示させている。その資料をぼくが見ていると、ぼくの視線はiPadの方には向いていない。発言をしないのであれば横を向いていてもかまわないで、資料を見てふりをして別のものを見ていてもいい。ソリティアなんかをしていてもいいし、小説を書いていてもいい。人数の多いネット会議はそういう内職ができるのでありがたい。『尼将軍』はついに実朝が死んだ。実朝を殺した公暁をヒロインが殺す。なかなかの名場面だ。

01/15/金
徒歩5分の山の上ホテルで知人と打ち合わせ。文藝家協会の理事会が中止になったので、今年に入って初めてのリアル会議だ。これからあとはZOOMで打ち合わせをするということで終了。本日の散歩はこれだけ。『尼将軍』は実朝暗殺がようやく終わり、ここからはエピローグの文体となる。短い後日談という感じでプロットだけを書き記していく。描写や台詞のない説明だけの文章だが、長い作品のエンディング直前はこんな感じで読者に物語の終わりが近いことを暗示しておく。最後に承久の乱という山場があるのだが、そのあたりもなるべくコンパクトに語っていきたい。ちょうど200ページ600枚で完結させることを当面の目標とする。今月中に草稿は完成するだろう。

01/16/土
エピローグの文体で短い断章を重ねているが、最後に「承久の変」がある。この経緯を語るだけでかなりの枚数が必要だ。すでに185ページに来ているので、可能な限りコンパクトに語る必要がある。早くプリントして読み返したいという思いはあるが、後半だけを画面上でチェックする必要があるのかもしれない。しかしそれはプリントでもできることなので、実朝が死んでからのエピローグ的なところを何度か読み返して過不足がないかをチェックしたい。

01/17/日
6時半に目覚ましをかけたのだが、5時くらいには目が覚めていた。それではあまりに早過ぎるのでベッドの中にいたら6時20分になっていた。昨日の午後10時50分から11時30分までと、本日の6時20分から7時までは、定期点検で全館停電になるというお知らせが届いていた。全館停電といっても居住者の区分は停電しないのだが、水道ポンプが止まるのと、テレビのアンテナからの電流が止まるとのこと。とりあえず昨日は水割りようの水を確保して寝酒を飲んでいた。テレビは2回、1分間くらい途切れただけだった。で、本日、その時間に起きたので顔を洗う水が出ないかと思ったのだが、まだ大丈夫だった。すぐにテレビを点けたが電波は届いていない。が、Footballの中継が始まる前に復旧しその後は切れることはなかった。よかった。本日はディビジョナルプレーオフと呼ばれるカンファの準決勝。準々決勝でシーホークスのラッセル・ウィルソンを封じたラムズのディフェンスも、パッカーズのロジャースには通用しなかった。パッカーズの圧勝。2戦目は悪鬼のごとく走り回るラマ―・ジャクソンのレイブンズが有利かと思っていたのだが、バッファロー・ビルズのディフェンスが封殺してビルズの圧勝。チーフスを応援しているぼくとしては、決勝の相手がラマ―・ジャクソンでなくてよかったとほっとしたところだ。チーフスのディフェンスはラン攻撃に弱い。レギュラーシーズン中に1度対戦して勝ってはいるのだが、それはラマ―・ジャクソンの調子が出ていない序盤だった。最後の5試合のラマ―・ジャクソンまさに悪鬼のごとくであり、チーフスのディフェンスは粉砕されるのではと不安だった。ビルズが相手なら安心して見ていられる。ただしそれは決勝の話であって、まだ明日、準決勝のブラウンズ戦がある。スティーラーズを粉砕したブラウンズはチャブ、ハントという2枚看板のランニングバックがいて、これをチーフスのディフェンスが止められるか不安だ。実はぼくはハントも応援している。ハントは昨シーズンの前半はチーフスの主力メンバーだった。QBマホームズの活躍でチーフスがいまみたいに強くなる前からぼくはハントのファンだった。だからブラウンズを応援したいという気持もある。ただブラウンズではチャブが主力でハントは2番手扱いでそこが気にいらないのだが、スティーラーズ戦ではハントが2つのタッチダウンでスティーラーズに強烈なダメージを与えた。あれをチーフス戦ではやってほしくないと思いながらも、ちょっとくらいはハントに活躍してほしいと思っている。明日は5時からの試合だ。『尼将軍』はエピローグの文体でどんどん進んでいく。承久の変も政子の演説のところだけはしっかり描写する必要があるが、経緯についてはコンパクトに書く必要がある。そうでないと200ページに収まらない。

01/18/月
朝の5時からスカパーでFootballを見る。いよいよチーフス登場。相手はスティーラーズに圧勝したブラウンズ。ランニングバックの2枚看板に期待したのだが、ブラウンズのヘッドコーチは相手の裏をかくつもりでパスに次ぐパスの連続。これが大失敗で得点に結びつかなかった。チーフスのマホームズは着実に得点を重ね、圧勝かと思われたのだが、まさかのマホームズの脳震盪。一時はどうなることかと思ったが、ヘニーという控えQBがそこそこ頑張ってどうにか勝ちきることができた。ハントが1タッチダウンをあげて見せ場を作った。第2試合は42歳対43歳の高齢QB対決。シーズン後半から調子をあげてきたブレイディーの勝ち。というかディフェンスがブリーズのパスを封じて立て続けにターンオーバー。これで来週のカンファ決勝はビルズ対チーフス、バッカニアーズ対パッカーズになった。テレビ中継を見ながらもノートにメモを書いていたのでかなり先まで行けた。もうゴール寸前という感じだ。

01/19/火
昨日のFootballがまだ頭の中にちらついている。ブラウンズはもう少しでチーフスに勝てそうだった。来年に期待したい。そのブラウンズに先週負けたスティーラーズのロスリスバーガーと、昨日負けたセインツのブリーズの、負けた直後の表情が似ていた。自分の体力の衰えを感じて、引退という可能性が脳裏をよぎっている、そんな感じだった。小説家の場合は、一人で仕事をしているし、勝ち負けを争うわけではないので、引退ということはないのだが、しばらく本を出していないので、引退と変わらない状況にあることは確かだ。しかしいまの自分は、まだ現役のころのパワーをキープしていると自負している。ただ無理がきかないので、締切のある仕事はなるべく受けないようにしている。それだけのことだ。本日は主治医のところで薬をもらう。血圧の検査だけ。まったく正常だった。体調もいい。昨年負傷した右肩もまだ違和感は残っているのだが日常生活に支障はないところまで回復している。しばらく車を動かしていないので、いつものギャザリアに行こうと思ったのだが、少し遠出をして有明まで行くことにした。有明コロシアムの向かい側に商業施設が出来たらしいので妻の運転で行ってみる。有明は勤務していた大学の本部があるので通い慣れたところだ。卒業式が有明コロシアムだった。式のあとで本部のキャンパスに移動して諸手続をして、お台場のホテルでパーティーといった手順だった。ゆりかもめで行くことが多かったので車で行く道筋はまだ慣れていないが、有明コロシアムまでは、ゆりかもめの下を通っていけばいい。昔は何もなかった場所に、忽然と商業施設がオープンしていた。イオンモール、無印良品、映画館、温泉などの施設があり、その他にかなり充実したショッピングモールがある。浜松の仕事場にいる時はこの種のモールに行くこともあるし、いつも行くギャザリアもなかなかのものだが、ここは店舗の室がいくぶん上等のような感じがした。ただ初めての場所なので、どこに何があるのかわからず、老夫婦がうろうろする、という事態になったが、よい運動になった。夕方、少し仕事をしただけだが、ゴールはあとわずか。箱根駅伝でいえば品川を過ぎて新橋くらいまで来ている感じだ。

01/20/水
文藝家協会著作権管理部とネットで打ち合わせ。ZOOMは便利だ。あらゆる用件がZOOMで出来るなら外出必要がなくなる。『尼将軍』は最後の盛り上がりに差しかかっているのだが、どうも文章が盛り上がっていない。エピローグの文体でここまで進んで来たので急に盛り上げるのが難しいのか。ヒロインをもっと動揺させた方がいいのかもしれない。

01/21/木
本日は公用なし。公用といってもほとんどがネット会議なので外出する必要はない。従って散歩は欠かせない。不忍池に行くつもりで出発したが、スマホを忘れたことに気づいた。万歩計がないと歩く意欲がなくなる。ということで、神田明神の前を秋葉原に向かい、コースを短縮した。住んでいる集合住宅の別館にあるパン屋で、自分用のパンを買う。ぼくは朝食は妻の手製のカボチャスープと果物だけで済ませ、昼食、夕食の他に、寝酒を飲む時間がある。酒だけだと胃によくない気がして何か食べるようにしている。チーズとパン、ということが多い。ということで、寝酒用のパンが欠かせない。SUPERBOWLが終わるまでは、現在書いている作品よりも、Footballのことが頭の中心にある。プレーオフの2週間が終わって、生き残っているチームは4つだけになった。新鋭QBの対決となるビルズ対チーフス、高齢QBの対決となるバッカニアーズ対パッカーズ。ところで、SUPERBOWLの会場はシーズン前に決まっている。厳冬の時期なので南に位置する球場またはドーム球場が使用されることが多い。今年はフロリダのタンパのスタジアムがあらかじめ決まっていたのだが、タンパベイ・バッカニアーズが勝つと、地元でSUPERBOWLを闘うことになる。50年以上の歴史のあるSUPERBOWLだが、地元チームが勝ち上がったことはいまだかつてなく、空前の出来事が起ころうとしている。ただし、カンファの決勝に勝たないとSUPERBOWLには出られない。プレーオフはシード上位のチームのホームゲームとなる。バッカニアーズはシードDで、パッカーズは@。ということで決勝戦はグリーンベイ・パッカーズのホームゲームとなる。グリーンベイは五大湖の畔にある極寒の地だ。パッカーズというチーム名は鮭缶のパックに従事する労働者のこと。とにかく寒いので、フロリダを本拠とするバッカニアーズは寒さと闘わなければならない。いちおう自分の仕事のことも考えている。『尼将軍』はいよいよ最後の山場、承久に乱に突入しているのだが、もはやエピローグの文体になっているので多くは語れない。粗筋だけを記述していくことになる。それと残りページが少なくなっている。承久の乱のあと、もう一つ小さな山がある。執権義時の方が先に死んでしまうので執権の跡継の問題で波乱が生じる。ということでとにかくコンパクトに書いていくしかないのだ。

01/22/金
ネットでオーファン委員会。この会は去年までの3年間は文化庁の補助金で運営していたのだが、今年度は補助金がなくなった。それでも続けることにしたのは、異なるジャンルの著作権担当者と交流することで視野が広がるからだ。ネット会議になったことで、かえって相手の顔をアップで見られるようにより交流の効果が上がったように思う。ただの雑談と思えるような話にも著作権というものの複雑さとおもしろさが感じられるので有意義な会議になっている。この委員会のメンバーの半分くらいはSARTRASと重なっている。こちらは補償金をどう分配するかというシビアな内容なのでまた趣も違っているのだが、同じメンバーが双方に関わっているのも楽しいという気がする。さて自分の仕事はもう本当にゴール寸前だ。ゴールといっても草稿が完了するだけだが、ひととおりゴールまで走ってみないと、自分がどんなところを走っているのかが見えてこない。走って終わりというマラソンとは違って、小説は何度も何度も書き直すことで深みが出たり流れが出来たりする。その書き直しの作業が苦しく楽しい闘いになる。早くその作業に取り組みたいのでとりあえず1度ゴールインしたいと切望していた。あとわずかのところに来ている。

01/23/土
ついに草稿完了。ヒロインが太刀をもって三浦義村の邸宅に深夜に乗り込んでいく場面。これは史実なので書き落とすわけにはいかない。これが最後の山場になる。4章の後半に入ってからは自分が「エピローグの文体」と呼んでいる簡潔な文体にしている。映画の最後に短い字幕が出て登場人物のその後が紹介されたりする、ああいう「短いその後の物語」といったもので、ごくシンプルな事実だけを、台詞も描写もなくプロットだけで進行する。承久の乱もその文体で一気に書ききったので、最後に数ページ余裕があったので、このラストシーンだけはしっかり台詞を書き込むことにした。これでピリッとひきしまったエンディングになったと思う。第4章に入ってからは一気に書いてきたのでタイプミスも多いと思われ4章だけでも画面上でチェックするつもりだったのだが、ゴールに到達するとしばらくはワープロの画面から解放されたいという気がした。それに前半に何を書いたか完全に忘れてしまっているので、全体の流れも見えてこない。そこで多少のタイプミスはあとで直すとして、ただちにプリントすることにした。大学にいたころはこういうプリントは研究室の高速プリンターでやっていたのだが、いまは自宅のプリンターでやるしかない。インクはあるか、紙の予備はあるか、とっさにはわからなかったが大丈夫だった。きっちり200ページ無事にプリント完了。ちょうど昨日購入した無線マウスが届いたのでとりつけることにした。無線マウスはこれで3個目だと思う。1つ目は電池の消耗が激しいことを除けば問題なく長く使えたのだが、突然動かなくなった。2つ目は半年くらい前に勝ったはずだが、クリックの調子がわるくなった。1回クリックのはずがダブルクリックになって動作がおかしくなった。それで大昔に西友ストアで買ったものすごくシンプルで安価な有線マウスでその場を凌いでいたのたが、やっぱり無線マウスは便利だ。しばらくは無事に生きながらえてほしい。プリントのチェックは明日からとして、本日は届いたばかりの『サイエンス』を読むことにする。

01/24/日
草稿が完了しプリントも出来上がっている。すぐにでも読みたいのだが、少し心の準備が必要だ。読み始めて全然ダメ、ということもあるので、読むのが怖いようでもあるが、半分くらいのところまでは2度ほど赤字チェックをしたので、テンポよくリーダブルに展開できているとは思っている。後半、少し文体が変わっているかもしれず、そのあたりをチェックしたい。後半で活躍する人物を伏線として前半にも登場させたはずだが、あまり意味ありげに登場させても読者に先を読まれてしまう。書いた時の流れを大事にして、余計な説明は加えない方がいいだろう。三浦義村が初登場のシーンは、好青年として描いたはずで、ラストシーンではやや悪役ふうになっているが、その悪役的なところを初登場のシーンで匂わせるのはまずいと思う。書いている時は、後半がどうなるかまったくわかっていないかったので、その時の手探りのような書きぶりは、なるべくそのまま残した方がいいだろう。さて、本日は日曜日。いよいよ明日の朝、SUPERBOWLの出場チームを決めるカンファの決勝戦がある。準決勝で脳震盪で退場したマホームズはドクターストップが解けたようで無事に先発できそうだ。出場できないようであれば控えQBのヘニーを応援しようと思っていたのだが。マホームズ対ブレイディーというSUPERBOWLが見たい。従ってチーフスとバッカニアーズを応援したい。

01/25/月
朝5時に起きてFootballを見る。今日はスカパーだけでなくNHK衛星も生中継している。NHKを録画しリアルタイムではスカパーを見る。期待どおりマホームズ対ブレイディーのSUPERBOWLが実現することになった。すごい熱戦になるだろう。ただ昔、ペイトン・マニング対ラッセル・ウィルソンの対決が大差のつまらない試合になった。あんなふうになってほしくない。バッカニアーズはディフェンスも強く総合力のあるチームなので、接戦になるはずだ。本日は文藝家協会でリアルな会議。久し振りに地下鉄に乗った。プリントのチェックは進んでいる。充分にリーダブルな作品になっている。ヒロインのキャラクターは少し浅い感じだが、そういう人物なので仕方がない。愛すべきキャラではないのだが、ずっと作品を読んでいけば親しみがわいてくるだろうと思う。無理に愛されキャラに仕立てる必要はない。

01/26/火
Footballを見た次の日は虚脱状態になった。NFLのホームページには出場が決まった両チームの関係者のコメントが並んでいる。バッカニアーズは43歳のQBブレイディーが目立っているが、ランニングバックが強いのも特徴で、ランに対するディフェンスに弱点のあるチーフスにとっては強敵だ。さて自分の仕事は草稿が完了しプリントしたものが手元にある。ここに赤字を入れていく。前半100ページについては1度プリントしてきっちりチェックしたはずだが、タイプミスだけでなく、登場人物のしゃべり方に一貫性がなかったりする。けっこう赤字が入る。このぶんでは2回以上のチェックが必要だろう。インクや紙を買っておいた方がいいようだ。高齢者となり政治や社会についての興味をほとんど失っているのだが、内閣支持率が下がっているようだ。GOTOキャンペーンなどという愚かな政策のせいで疫病が広がり、首相と幹事長が有名人とステーキを食べていたのだから印象がよくない。ネットに出演して「ガースーです」とわけのわからないことを言ったこともダメージになっている。どうでもよいことだがあの首相とぼくは同年齢なのだね。向こうの方が老人に見えてしまう。

01/27/水
一昨日、文藝家協会へ出かけた。それが今年に入っての初めてのリアルな公用だった。と思ったら本日も地下鉄に乗って旺文社に出かけた。毎年開催されているコンクールの表彰式が実施できないので、選考委員の選評を撮影して受賞者に届けたいということなので、3分ほどのコメントを、小中高と話した。合計9分のスピーチで、すぐに終わった。旺文社に行くのは久し振りだ。神楽坂だがいまは大江戸線があるので牛込神楽坂まで。淡路町から丸ノ内線で後楽園まで行って大江戸線に乗り換える。帰りは上野御徒町まで乗って徒歩で自宅に戻った。いい運動になった。大江戸線の上野御徒町で下りるのは初めて。銀座線の上野広小路ときっちり接続しているので便利だ。自宅まで10分くらいで到達できる。

01/28/木
朝の10時から国立国会図書館の会議。ほとんどのネット会議はZOOMだが、この会議だけ別のアプリを使う。といっても去年体験しているしiPadのアプリも入っているので問題はない。せっかくだから1回だけ発言した。あとは内職でプリントのチェック。全体の半分にあたる2章の終わりまで読めたので午後は入力作業に入った。入力を終えたら2章までの完成原稿を別のファイルにしておく。これから売り込み作業に入るので半分のファイルを用意しておきたい。売り込みだけなので全部を渡すことはできない。半分のところで出版の確約をもらえるまでは全体は渡せない。

01/29/金
引き続き3章のチェック。この3章の出だしのところがややトーンが落ちている。語り口が説明調になっている。章の変わり目だからそういう説明があってもいいのだが、これから後半に入っておもしろくなるところなのに単調の説明が入っては読者の気持が離れてしまう。こういう時は具体的なシーンを描けばいいのだが、後半の登場人物はガラッと変わってしまうので、いきなり新しいキャラクターを出したのでは混乱する。ページ数も増やしたくないのでここはこのままかなとも思っている。ということで迷っているうちに時間をつぶしてしまった。こういう一日があってもいい。締切のある仕事ではないのでじっくりと考えていきたい。日曜日に区長選挙があるということで、集合住宅の前を選挙カーがうろうろしている。何しろ千代田区で居住住民のいるところが少ない。333戸が入っている集合住宅は狙われているようだ。

01/30/土
もう明日が月末。とりあえず今月中に草稿完了という目標は達成したし、プリントのチェックも半分は終わっている。ただ何度もチェックした前半と違って、後半は新たに書いた部分なのでタイプミスなどもたくさんあるのではないかと思っている。ただ源平合戦みたいな無駄な部分はなく、ヒロインが活躍するエピソードだけをたどっていけばいいので内容は充実しているはず。心配した前半部分もけっこうおもしろく書けているので、後半をより充実したものに仕上げていきたい。

01/31/日


千代田区の区長選挙と区議会議員の補選。区長は長く同じ人がやっていたようだ。その人がマンションを購入したらそこが地権者などの特別の枠だったとのことで、何やら怪しいということになった。しかし区長がその業者に便宜をはかるとか、そういうことが実証されたわけではないのだが、何となく怪しいという段階で任期が切れて、その人は立候補しなかったということらしい。区長がどんな政治をしていたのかは知らない。今回の疫病の流行で千代田区民は一人12万円貰った。いい区長だとその時は思ったが、こういうのはバラマキ行政というべきかもしれない。とにかくその前区長が今回は立候補しなかったので、知らない候補者ばかりで、誰に入れたらいいかわからない。投票所は自宅の集合住宅に隣接した公園のすぐ前で、公園にポスターの掲示板があったので、その前で妻と二人、茫然としていた。ポスターを見ても誰に入れたらいいかわからない。自民党、維新、都民ファーストという所属が書いてあるが、どれもキライなので困惑する。それでも投票は区民の義務であるので投票所に行った。さて1月も終わりだ。月末までに草稿完了という目標は達成された。出版社と話をつけずに書いている原稿なので締切もないのだが、時間をかけすぎると次の作品に進めないので、この仕事はなるべく早く終了させたいと思っている。


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