![]() |
●「妖怪ハンター」 ●諸星大二郎 ●ジャンプスーパーコミックス ●全1巻 ●集英社 ●「妖怪ハンター」「生物都市」 |
単行本の初版が1978年ですから「少年ジャンプ」に連載されていたのは、もう20年以上前になります。諸星先生の作品との出会いは手塚賞を受賞した「生物都市」、そして初の連載となったこの「妖怪ハンター」でした。「生物都市」は良質のSF作品という印象でしたが、私にはそれほどインパクトがあったわけではありません。やはり作家“諸星大二郎”を意識したのは「妖怪ハンター」です。この本には「黒い探求者」「赤いくちびる」「生命の木」「闇の中の仮面の顔」「死人帰り」の5作品が収録されています。それぞれを簡単に紹介しましょう。
●黒い探求者●
稗田礼二郎という特異なキャラクター(少年誌では受けそうもない)を語り部にして始まった「妖怪ハンター」シリーズの1作目。映画やアニメにもなった代表作です。
●赤いくちびる●
変死、首吊り、殺人、飛び降り、生徒たちの血なまぐさい事件が続く中学校。その事件の裏には血のように赤い唇をした少女の存在があった。
●生命の木●
傑作。クライマックスの善次の言葉である「みんな、ぱらいそさ、いくだ」は、仲間内で合言葉になっていたくらいです(って何のことだ?)。
●闇の中の仮面の顔●
11ページの小作品。後の「オンゴロの仮面」シリーズの面影があります。
●死人帰り●
禁断の秘術、反魂の法…。それは犯しては行けないタブーだった。
「妖怪ハンター」シリーズは、「海竜祭の夜・妖怪ハンター」(ジャンプスーパーコミックス/A5版)、「妖怪ハンター・黄泉からの声」「妖怪ハンター・六福神」(ヤングジャンプコミックス)が出ています。ここに紹介した以降の作品も数多くあるので、興味がわいた方はぜひご覧になってください。最近出版している「西遊妖猿伝」の復刻も加筆が多くわかりやすくなったと聞きました。こちらもオススメ。 |
諸星大二郎(もろほし・だいじろう)
デビュー作/「不安の立像」
|